逮捕から48時間(検察官送致まで)に弁護人ができることと家族が整えるべき準備
2026/08/13
逮捕から検察官への送致までは、法律上、最大48時間とされています。この48時間は、単に待つ時間ではありません。捜査機関にとっては身柄付きで送致するかを判断する時間であり、弁護人にとっては、身柄拘束を早期に終わらせるための働きかけができる、最初にして最も重要な時間帯です。特に外国籍の方の事件では、この段階での対応が、後の入管手続の入口にも影響します。本稿では、48時間の意味と、この間に弁護人が行う活動、ご家族に準備していただきたい事項を整理します。
本記事の要点
- 警察は逮捕後、留置の必要があると判断したときは48時間以内に検察官へ送致します。
- この間に接見できるのは弁護人のみであり、初回接見の内容が方針を決めます。
- 身柄を伴わない在宅捜査へ切り替わる余地があり、その働きかけは早いほど効果的です。
- 在留資格の種別と在留期限の確認は、この段階で済ませておくべき最優先事項です。
48時間という制限は具体的に何を意味しますか
刑事訴訟法は、警察が被疑者を逮捕した場合、留置の必要があると認めるときは、身体を拘束した時から48時間以内に書類および証拠物とともに被疑者を検察官に送致しなければならないと定めています。留置の必要がないと判断されれば、直ちに釈放されます。つまりこの48時間は、身柄拘束を続けるかどうかの最初の分岐点です。実務上、軽微な事案や被害が回復している事案、身元が確実で逃亡のおそれが乏しい事案では、この段階で釈放され在宅捜査に移ることがあります。したがって、48時間が経過するのを待つのではなく、その前に判断材料を提供することに意味があります。
この間に弁護人は何をしますか
弁護人はまず接見に赴き、本人から事実関係と言い分を直接聴き取ります。取調べで何を聞かれ、何を述べたのかを確認し、供述の方針を立てるのが第一の仕事です。あわせて、黙秘権の意味、供述調書に署名する意味、取調べで違和感を覚えたときの対応を、通訳を介さずに直接説明します。次に、身柄拘束を続ける必要がないことを示す資料の収集に取りかかります。住居の安定性、就労または就学の継続、家族の存在、身元引受人の確保がその中心です。これらを整理した意見書を、送致前あるいは送致直後の早い段階で担当官に提出することが、その後の展開に影響します。
この段階で釈放される可能性はありますか
可能性はあります。事案が軽微で、被疑者が事実を争っておらず、住居と身元が明らかで、被害者との示談の見込みがある場合には、身柄拘束を続けないという判断がなされることがあります。もっとも、外国籍の方の場合、住居や身元の確認に時間がかかることや、帰国により手続から離脱するおそれが指摘されやすいことから、この判断が慎重になる傾向があります。そこで実務上は、在留資格が安定していること、日本国内に生活の本拠と家族があること、勤務先が雇用を継続する意向であることを、書面と資料で具体的に示すことが有効です。準備が整っていれば、48時間の中でも提出は可能です。
家族はこの48時間に何を準備すべきですか
最初に整えていただきたいのは、在留資格の種別と在留期限が分かる資料です。在留カードの写しがあれば、別表第一の在留資格か別表第二かが判明し、有罪となった場合の入管法上の帰結の見通しが立ちます。次に、住民票、賃貸借契約書、在職証明書または学生証、預貯金の状況、家族の在留資格が分かる資料を集めてください。これらは勾留を回避する意見書に添付するほか、後の示談や在留手続でも繰り返し使います。さらに、身元引受人となる方の連絡先と、その方の生活状況が分かる資料も準備してください。この段階での準備の厚みが、その後の選択肢の広さにつながります。
よくあるご質問
48時間を過ぎても釈放されないのはなぜですか
48時間は警察が検察官へ送致するまでの制限時間であり、身柄拘束の全体の上限ではありません。送致を受けた検察官は、さらに24時間以内に勾留を請求するか釈放するかを判断します。したがって、送致後も手続が続き、勾留が決定すればさらに拘束が続くことになります。
家族は警察署に行けば本人と話せますか
この段階では面会できません。接見できるのは弁護人および弁護人となろうとする者に限られます。ただし、差入れは受け付けられることが多く、衣類や現金を届けることは可能です。受付時間と品目の制限は署ごとに異なりますので、事前に電話で確認してください。
会社や学校にはこの時点で伝えるべきですか
無断欠勤や無断欠席が続く方が不利になることが多いため、早期の連絡が望ましい場面が多いといえます。ただし伝える内容と範囲には注意が必要です。本人の同意を得たうえで、弁護人を通じて必要最小限の事実を伝える方法をお勧めします。対外的な説明の窓口を一本化しておくことも有効です。
当事務所のご案内
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。
当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。
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本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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