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懲役1年の実刑と1年1月の実刑では結論が変わる|入管法24条4号リの境界

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懲役1年の実刑と1年1月の実刑では結論が変わる|入管法24条4号リの境界

懲役1年の実刑と1年1月の実刑では結論が変わる|入管法24条4号リの境界

2026/08/13

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入管法24条の条文構造は、号ごとに要件が異なります。同じ刑事処分でも、罪名と在留資格によって結論が変わるのはそのためです。本記事では、入管法24条4号リの境界 について整理いたします。

本記事の要点

  • 条文は号ごとに要件が異なるため、罪名と在留資格の両方を確認する必要があります。
  • 執行猶予が付いたかどうかで結論が変わる号と、変わらない号があります。
  • 別表第一と別表第二のいずれの在留資格かで、適用される号が異なります。
  • 退去強制事由に該当しない場合でも、更新の審査で在留を失う経路が残ります。

実刑1年の判決でも強制送還されますか。

結論から申し上げると、退去強制事由に該当するかどうかは、①どの罪名か、②刑の種類が罰金か執行猶予か実刑か、③在留資格が別表第一か別表第二か特別永住者か、この三点の組合せで決まります。いずれか一つだけでは判断できません。

以下、該当する条文の構造に即して整理いたします。

逮捕から処分が決まるまでの流れ

逮捕されると、警察は48時間以内に事件を検察官に送致し、検察官は24時間以内に勾留を請求するかどうかを決めます。裁判官が勾留を認めると、まず10日間、延長されるとさらに10日間、身柄の拘束が続きます。起訴するかどうかは、逮捕から数えておおむね23日以内に決まります。

この期間のうち、最初の72時間はご家族が面会できないのが原則です。弁護人だけが制限なく本人に会えますので、早い段階で弁護人が接見し、手続の説明と取調べへの対応の助言を行うことが重要になります。

在留資格への影響 ―― 入管法24条の該当性

入管法24条4号リは「1年を超える」拘禁刑と規定しています。したがって、1年ちょうどの実刑は本号に該当しません。1年1月の実刑であれば該当します。わずか1か月の違いで、条文の該当性という点では結論が変わります。

このことは、刑事弁護の目標設定に直接影響します。執行猶予が見込めない事案であっても、量刑を1年以下に抑えることができれば、少なくとも24条4号リによる退去強制事由の該当は避けられます。弁護人としては、この境界を意識した弁論を組み立てることになります。

ただし、別表第一の在留資格をお持ちの方については、24条の4号の2が別に作動します。同号は刑期の下限を定めていませんので、列挙された罪であれば、6か月の実刑でも退去強制事由に該当します。1年以下に抑えれば安全、という理解は別表第一の方には当てはまりません。

また、実刑判決を受けた事実は、その後の在留期間の更新の審査においても当然に考慮されます。条文に該当しないことと、在留を維持できることは、同じではありません。

在留期間の更新・変更の場面

入管法24条の各号に該当しない場合でも、在留期間の更新や在留資格の変更の審査では、素行が善良であることが求められます。刑事事件を起こした事実は、この審査で考慮されます。とりわけ別表第一の在留資格は在留期間が有期ですので、更新が認められなければ、期間の満了により在留を失います。

他方、永住者は在留期間の更新を要しませんので、この経路では在留を失いません。特別永住者も同様です。同じ処分でも、在留資格の種類によって残るリスクの形が異なることになります。

不起訴処分を目指すということ

ここまで述べてきたとおり、刑事処分の内容がそのまま在留の帰趨を左右します。有罪判決を受けなければ、入管法24条の刑事罰関係の各号は作動しません。したがって、外国人の刑事弁護においては、判決の段階で執行猶予を得ることではなく、起訴される前の段階で不起訴処分を獲得することが目標になります。

具体的には、被害者との示談交渉、贖罪寄付、検察官に対する意見書の提出、身元引受人の確保といった活動を、勾留期間の限られた時間の中で行うことになります。これらの過程で作成した示談書や受領証、身元引受書は、万一の場合に在留特別許可を求める際の疎明資料としても機能します。刑事段階の弁護活動は、そのまま入管手続の準備でもあるのです。

初動で押さえておきたい三つのこと

第一に、取調べに不用意に応じないことです。日本の刑事手続では黙秘権が保障されており、供述するかどうかは弁護人と相談してから決めて構いません。第二に、できるだけ早く弁護人を選任することです。当番弁護士制度を使えば初回は無料で弁護士を呼べますが、継続的な弁護活動には私選弁護人の選任が必要です。第三に、通訳の質です。取調べでの通訳の正確さは供述調書の内容を左右し、後の公判や入管手続にまで影響します。日本語に不安がある場合は、通訳の正確性について弁護人に確認を求めてください。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には中国語の通訳が常駐しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 裁判員裁判の対象となる重大事件や、国際的に報道された事件についても対応した実績がございます。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。

なお、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

おわりに

刑事事件と在留の問題は、日本では別々の手続として進みますが、当事者にとっては一つの出来事です。初動の段階で両方を見据えた方針を立てられるかどうかが、その後を大きく分けます。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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