監理措置中に親族から送金を受ける場合
2026/08/12
収入の道が限られる監理措置中の生活を支える手段として、親族からの送金を頼りにされる方は少なくありません。国内に暮らすご家族はもちろん、中国本土をはじめとする海外のご家族からの送金を検討されている方もいらっしゃるでしょう。送金を受けること自体は、制度上特別な問題を生じさせるものではありませんが、就労許可の審査や監理人との関係において、送金の事実がどのように扱われるのかは気になるところです。本記事では、親族からの送金をめぐって確認しておきたい点を整理いたします。
本記事の要点
- 監理措置中の報酬の上限は、資産・収入・援助見込みなどから個別に決定されます。
- 就労許可の申請書類には、監理人による援助額を示す資料が含まれます。
- 監理人の適格者には親族が含まれ、親族が監理人となる場合も少なくありません。
- 送金元との関係や送金の性質については、個別の事情に応じた確認が必要です。
親族からの送金を受けること自体は問題になりますか
監理措置の制度上、親族からの送金を受けること自体を制限する規律は設けられていません。生活費の援助を親族から受けることは、被監理者が生活保護の対象とならず、健康保険も原則として与えられない状況の中で、現実的な生活の支えとなり得ます。もっとも、就労許可の申請にあたっては、収入・資産を示す資料や、監理人による援助額を示す資料の提出が求められており、報酬の上限は、生活保護の水準を参考に、資産・収入・援助見込みなどから個別に決定されるとされています。したがって、親族からの送金が継続的にある場合には、その事実が就労許可の審査における考慮要素の一つになり得ると考えられます。
親族が監理人になる場合、送金の扱いはどうなりますか
監理人の適格者には親族が含まれており、実際に多くの被監理者について親族が監理人となっています。親族が監理人を務める場合、生活状況の把握や相談対応、援助という監理人の責務の一環として、送金による援助が行われることも自然な形といえます。この場合、監理人による援助額を示す資料として、送金の記録が就労許可申請などの場面で参考にされることも考えられます。他方、監理人でない親族から送金を受ける場合には、その送金の性質や目的について、監理人や地方出入国在留管理官署に説明を求められる場面も想定されますので、記録を残しておくことが望ましいといえます。
海外の親族から送金を受ける場合に注意すべき点はありますか
中国本土など海外に暮らすご家族からの送金についても、それ自体を制限する規律は設けられていません。もっとも、海外送金には各国の制度や金融機関の手続きが関わりますので、送金方法や記録の残し方について、事前に確認しておくことが実務上重要になります。送金の目的や送金元との関係を説明できるようにしておくことは、就労許可の審査や監理人との関係を円滑にするうえでも役立ちます。具体的な取扱いについては個別の事情によりますので、不明な点があれば、所轄の地方出入国在留管理官署や弁護士にご確認いただくことをお勧めいたします。
当事務所のご案内
本稿のテーマに関連して、当事務所の取組みと解決実績の一部をご紹介いたします。
営利目的所持として起訴された薬物事犯につき、所持の故意および営利目的の不存在を主張立証し、無罪判決に至った事例がございます。
不法就労助長罪に問われ強制送還の危機に瀕された女性の事案では、「退去強制事由には故意・過失を要しない」とする従来の入管実務そのものを問い直す訴訟を、現在も係争中でございます。
身柄の解放と在留の維持は別の問題でございます。監理措置によって社会内での生活が認められても、退去強制手続そのものは進行いたしますので、在留特別許可を見据えた準備を並行して進める必要がございます。
松村大介弁護士が初動から終結まで全工程を直接担当し、若手弁護士や事務員による代行は行っておりません。外国人事件専属の中国語通訳も常駐しておりますので、言語の壁により事実関係が正確に伝わらないという事態を避けることができます。
※ 解決事例は個別事案の事情に基づくものでございます。同様の結果を保証するものではない点にご留意ください。
初回相談は無料でお受けしております。収容中のご本人との接見についてもご相談ください。
おわりに
親族からの送金は、監理措置中の生活を支える重要な手段の一つになり得ます。送金の事実を記録し、必要に応じて説明できるよう備えておくことが、生活の安定につながります。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639
東京にて中国人の方をサポート
東京を中心に刑事事件の弁護
----------------------------------------------------------------------