舟渡国際法律事務所

令和6年後半・不法就労助長で罰金20万円・配偶者と別居で不許可|日本人配偶者との婚姻約34年2月でも許可されなかった事例(A類型不許可第2事例)

お問い合わせはこちら

令和6年後半・不法就労助長で罰金20万円・配偶者と別居で不許可|日本人配偶者との婚姻約34年2月でも許可されなかった事例(A類型不許可第2事例)

令和6年後半・不法就労助長で罰金20万円・配偶者と別居で不許可|日本人配偶者との婚姻約34年2月でも許可されなかった事例(A類型不許可第2事例)

2026/08/06

事例の概要

婚姻期間が34年を超えていても、許可されないことがあります。出入国在留管理庁が令和7年7月に公表した令和6年後半(改正法施行後)の事例集のうち、A類型(配偶者が日本人の場合)不許可第2事例です。違反態様は不法就労助長、端緒は摘発です。在日期間は約33年8月、婚姻期間は約34年2月で、夫婦間に子はありません。刑事処分は入管法違反(不法就労助長)により罰金20万円の略式命令で、配偶者とは別居との記載があります。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

枠組みは令和6年3月改定のガイドラインです。改正入管法(令和6年6月10日施行)による申請手続の新設(入管法50条1項)と考慮事情の明示(同条5項)の後の判断です。

  • 積極・第2の2(1)(ウ):日本人との法的婚姻。約34年2月は際立って長いのですが、別居で子もいないため「安定かつ成熟」の中身が失われています。
  • 消極・第2の3(イ):他の外国人の不法就労に関わる行為。素行不良として明示的に列挙され、最も重く働きます。
  • 消極:端緒が摘発で、「自ら出頭したこと」の積極要素は得られていません。
  • 消極・第2の6:もっとも刑は罰金20万円で、1年を超える拘禁刑の実刑ではないため24条4号リには当たらず、改正法50条1項ただし書の対象にもなりません。

結論を分けた一線はどこか

同じ令和6年後半のA類型許可第3事例が比較対象です。そちらも不法就労助長・摘発でありながら許可され、在日約21年8月、婚姻期間約22年3月と期間はいずれも本事例より短いのです。違いは、許可事例の刑事処分が「無」であること、子2人(うち未成年者1人)があること、本事例が配偶者と別居していることです。決め手は婚姻期間の長さではなく、家族関係が現に機能しているかどうかと読めます。

弁護士のコメント

不法就労助長罪(入管法73条の2)では、雇う側が相手方の在留資格をどこまで認識していたかが常に争点になります。刑事事件では故意・過失の検討が当然の出発点ですが、入管実務では退去強制事由の判断に故意・過失は要件でないとする運用が長年踏襲されてきました。この運用は責任主義の射程を行政処分にどこまで及ぼすかという根本問題を含み、松村大介弁護士はこの論点を問う訴訟を現に係争中です。結論を述べられる段階にはありませんが、刑事段階から認識の有無を争っておくことが、後の入管手続の主張の土台になります。

罰金20万円は刑としては軽い部分ですが、略式命令に応じることは有罪判決を受け入れることを意味し、認識を争う機会が失われます。刑事処分が「無」であった許可第3事例との差を見れば、不起訴処分を得られていれば結論も違った可能性があります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

不法就労助長は公表事例で不許可が目立つ類型ですが、同じ令和6年後半のA類型には許可第3事例という許可例が現にあります。当事務所が担当した不法就労助長の事案も、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

不法就労助長罪に問われ強制退去の危機に立たれた女性の事案では、退去強制事由には故意・過失が不要とする従来の実務を問い直すべく、責任主義・過失責任主義の射程を正面から問う訴訟を係争中です。この事案では、入管庁の公表事例では不許可が並ぶ不法就労助長の類型でありながら在留特別許可を獲得し、その後も違反認定処分そのものの取消しを争っています。本記事の類型と正面から重なる経験です。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、事務員や若手弁護士による代行は行いません。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


東京にて中国人の方をサポート

東京を中心に刑事事件の弁護

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。