舟渡国際法律事務所

勾留が延びた、接見等禁止が付いた|ご家族にできることを、手続の順序に沿って

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勾留が延びた、接見等禁止が付いた|ご家族にできることを、手続の順序に沿って

勾留が延びた、接見等禁止が付いた|ご家族にできることを、手続の順序に沿って

2026/08/04

「10日で帰れると聞いていたのに、さらに10日延びると言われた」。「警察署の窓口で、面会も手紙も渡せないと告げられた」。ご家族が逮捕された方から、私どもがお受けするご連絡は、この二つの場面に集中しています。日本の刑事手続は、外から見ると何が起きているのか分かりにくく、説明を受けても専門用語ばかりが残ります。中国本土にお住まいのご家族であれば、時差と言葉の壁が加わり、不安はさらに大きくなります。この記事は、勾留が延びたとき、接見等禁止が付いたときに、ご家族の側で実際に何ができるのかを、手続の順序に沿って整理するものです。できることは、思っているより残されています。

本記事の要点

  • 逮捕から勾留の判断までは、原則として72時間という枠組みで動きます。この間の対応が、その後の流れを大きく左右します。
  • 勾留は原則10日、やむを得ない事由があるときはさらに10日まで延長され得ます(刑事訴訟法208条2項)。
  • 接見等禁止決定(同法81条)が付くと、ご家族は面会も手紙のやり取りもできなくなります。ただし、弁護人だけは接見できます(同法39条)。
  • 勾留や勾留延長には準抗告(同法429条)、勾留取消しの請求(同法87条)、接見等禁止の一部解除の申立てという対抗手段があります。
  • 外国籍の方には、領事機関への通報と領事による接見を求める権利があります(領事関係に関するウィーン条約36条1項(b))。

1. 逮捕から勾留までの72時間に何が起きているか

逮捕されると、警察の段階で最大48時間、その後に事件を受け取った検察官の段階で最大24時間、合計で最大72時間の身柄拘束が続きます。検察官は、この間に勾留を請求するか、釈放するかを判断します。勾留請求がなされると、裁判官が本人と面接した上で、勾留するかどうかを決めます(同法207条、60条)。

この72時間の間、ご家族は面会できないのが通常です。連絡が取れないのは、事件が重いからとは限りません。制度上そうなっているのです。他方、弁護人はこの段階から接見できます。最初の数日で本人と話し、事実関係を確認し、勾留を回避するための意見書を検察官と裁判官に届けられるかどうかが、最初の分岐点になります。

2. 勾留が延長されるとき

勾留の期間は原則として10日です。検察官が、やむを得ない事由があるとして請求し、裁判官がこれを認めた場合、さらに10日を限度として延長されます(同法208条2項)。共犯者がいる事件、通訳を要する事件、押収物の分析に時間を要する事件では、延長される例が多く見られます。

ここで大切なのは、延長は自動ではない、という点です。裁判官が判断する以上、そこには争う余地があります。捜査の必要性が実際にはもう乏しいこと、本人が既に説明し尽くしていること、逃亡や証拠隠滅のおそれが具体的にないことを、資料をもって示す作業ができます。決定に不服があれば、準抗告を申し立てることができます(同法429条)。また、勾留の理由や必要がなくなったときは、勾留取消しの請求も可能です(同法87条)。延びたと聞いた時点で諦める必要はありません。

3. 接見等禁止決定が付いたとき

接見等禁止決定(同法81条)は、逃亡または罪証隠滅を疑うに足りる相当な理由がある場合に、弁護人以外の者との面会や書類・物の授受を禁じる裁判です。共犯者がいる事件、否認している事件、外国人の方の事件では、付されることが少なくありません。ご家族にとっては、この決定こそが最もつらい壁になります。

もっとも、禁止の対象から弁護人は除かれています(同法39条)。弁護人は、平日夜間や土日でも接見できます。つまり、接見等禁止が付いた状況では、弁護人がご本人とご家族をつなぐ唯一の回路になります。ご本人の様子、体調、言い分、これからの見通しを、弁護人を通じてお伝えすることができます。

さらに、接見等禁止の一部解除を求める申立ても可能です。事件と無関係なご家族との面会や、手紙のやり取りに限って解除が認められる例があります。お子さまとの面会、病気のご家族との連絡など、個別の事情を裁判所に丁寧に示すことが鍵になります。

4. 中国本土のご家族ができること

来日できない場合でも、できることがあります。第一に、弁護人との連絡です。当事務所では中国語での連絡に対応しており、微信を通じたやり取りも可能です。第二に、身元に関する資料の準備です。ご本人の生活状況、家族関係、送金の記録、勤務先の資料は、勾留の必要性を争う場面でも、後の処分の判断でも用いられます。第三に、領事機関への連絡です。逮捕された外国人の方は、自国の領事機関に通報し、領事の接見を受けることを求める権利を有します(領事関係に関するウィーン条約36条1項(b))。捜査機関はこの権利を遅滞なく告知する義務を負いますが、実務では告知が遅れる例も見られます。弁護人として、告知の有無を確認いたします。

差入れについては、留置施設ごとに扱いが異なります。現金の差入れは、接見等禁止が付いている場合でも認められることが多く、書籍や衣類には制限があります。何が可能かは施設に確認した上で、弁護人からご案内いたします。

5. 在留への視点を、この段階から持つ

ご家族のご不安は、まず釈放に向きます。しかし外国人の方の事件では、刑事手続の帰結が在留資格に直結します。入管法24条は退去強制事由を号ごとに列挙し、号によって要件の構造が異なります。例えば4号リは無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を対象とし、執行猶予に関する除外の定めがありますが、薬物関係を対象とする4号チのように、執行猶予でも退去強制の対象となり得る類型があります。

だからこそ、私どもは執行猶予ではなく、不起訴処分の獲得を最優先の目標に置いています。起訴されなければ前科は付かず、在留への影響も最小限にとどまります。勾留期間中に何を検察官に届けるかが、そのまま結果に響きます。

なお、退去強制事由の判断に故意・過失を要するのかという論点について、松村大介弁護士は現在係争中の事案(後記の事例D-2)で正面から問いを立てています。刑事の段階で本人の認識を丁寧に争っておくことは、その後の入管手続における主張の土台にもなります。

6. 当事務所のご案内と解決事例

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続に取り組んでおります。

裁判員裁判の対象となる事件や、世界的に報道された重大事件を含む国際刑事事件への対応経験を重ねてまいりました(事例E-1)。身柄拘束が長期に及ぶ事件ほど、ご家族への情報共有の設計が重要になります。

また、覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の徹底的な分析と被告人質問・反対尋問を通じて無罪判決を獲得した実績がございます(事例A-1)。否認事件では接見等禁止が付くことが多く、弁護人による接見の頻度と質が、事実の解明を支えます。

入管手続の面では、観光目的で来日された方が在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案において、婚姻と認知の手続を当局との交渉によって実現し、国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない状況下でも、過去の許可事例の分析を踏まえて在留特別許可を獲得した事例がございます(事例D-1)。

当事務所では、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳をご利用いただけます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更については、提携の行政書士と連携してワンストップで対応いたします。

なお、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

7. おわりに

勾留が延びた、接見等禁止が付いた。そのお知らせは、ご家族にとって手続の終わりのように感じられます。しかし実際には、準抗告も、勾留取消しの請求も、一部解除の申立ても、そして不起訴に向けた働きかけも、すべてこの段階から始まります。連絡が取れない時間が続いても、ご本人は一人ではありません。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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