舟渡国際法律事務所

中国本土にいるご家族が、日本の弁護士に依頼するまでの手順|委任、費用、連絡方法の実務

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中国本土にいるご家族が、日本の弁護士に依頼するまでの手順|委任、費用、連絡方法の実務

中国本土にいるご家族が、日本の弁護士に依頼するまでの手順|委任、費用、連絡方法の実務

2026/08/03

「日本にいる息子が逮捕されたと連絡があったが、自分は中国にいて何もできない」。このようなご相談を、当事務所は繰り返しお受けしてまいりました。日本に渡航しようにも査証の手配に時間がかかり、日本語も分からず、そもそも誰に連絡すればよいのかが分からない。この記事は、そうした状況に置かれた中国本土在住のご家族に向けて、日本の弁護士に依頼が成立するまでの手順を、実務に即して整理したものです。

本記事の要点

  • ご家族が来日しなくても、弁護人の選任は完了できる
  • 刑事事件の委任契約は、原則としてご本人(被疑者)と弁護人との間で結ぶ
  • ご家族は費用の負担者という立場で契約に加わることができる
  • 接見に行けるのは弁護人だけであり、ご家族が最初に得られる情報は弁護人経由となる
  • 時差は1時間であり、通信アプリを用いた連絡で実務上支障は生じない

1. まず確認すべき三つの情報

ご相談の初回にお伺いするのは、次の三点です。第一に、ご本人の氏名、生年月日、国籍、在留資格の種類。第二に、逮捕された日と、身柄が置かれている警察署の名称。第三に、どのような容疑とされているか。このうち、第二の情報が最も重要です。警察署が特定できれば、弁護人はその日のうちに接見に向かうことができます。

情報が断片的でも構いません。日本にいるご友人からの伝聞、報道、あるいは在留カードの写真しか手元にないという状態からでも、弁護士会や捜査機関への照会によって所在を特定できる場合が多くあります。

2. 委任契約は誰と結ぶのか

刑事事件の弁護人は、被疑者・被告人ご本人が選任するのが原則です(刑事訴訟法30条1項)。もっとも、同条2項は、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹等が独立して弁護人を選任できると定めています。したがって、ご本人と連絡が取れない段階でも、ご両親や配偶者の依頼によって弁護人を選任し、直ちに接見に向かうことが可能です。接見の場でご本人の意思を確認し、正式な選任届を作成するという流れになります。

費用のご負担は、ご家族が行っていただいて差し支えありません。弁護人が誰の利益のために活動するかという点は、費用の負担者にかかわらず、常にご本人の利益を基準とします。この点はあらかじめご説明の上、契約書に明記いたします。

3. 中国本土からの送金と費用の実務

中国人民銀行の外貨管理規制により、個人の対外送金には年間の上限や資料の提出が求められます。急を要する刑事事件では、この手続が間に合わないことがあります。実務上は、日本国内にいるご親族・ご友人からの立替払い、ご本人名義の日本国内の預金からの支払い、分割によるお支払いなど、複数の方法を組み合わせて対応することが可能です。費用の相談を理由に着手が遅れることのないよう、まずは状況をお聞かせいただければと存じます。

4. 連絡の取り方

日本と中国標準時の時差は1時間です。当事務所では、微信を含む通信アプリでのご連絡に対応しております(微信ID:matsumura1119)。接見の結果は、その日のうちに、ご家族が理解できる形でご報告いたします。ご本人からご家族へのお手紙の受け渡し、ご家族からのお言葉を接見の場でお伝えすることも、弁護人の重要な役割です。

なお、勾留された方には、裁判所の判断によって接見等禁止決定が付されることがあります。この決定が付されると、弁護人以外の方との面会・手紙のやり取りが制限されます。この場合でも弁護人との接見は制限されませんので、ご家族が状況を知る唯一の窓口が弁護人となります。接見等禁止決定に対しては、準抗告や一部解除の申立てによって争うことができます。

5. 早く動くことに意味がある理由

逮捕から勾留の可否が決まるまでは72時間です。そして勾留が決まれば、原則10日、延長で最大20日の間に、起訴か不起訴かが決まります。外国籍の方の刑事事件では、この期間の結論が、そのまま在留資格の帰趨につながります。入管法24条4号リは、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由と定めており、有罪判決が出てしまえば、執行猶予が付いても在留を維持できない場合があります。だからこそ、当事務所は執行猶予ではなく、起訴前の不起訴処分の獲得を第一目標として活動しております。

6. 当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としております。

  • 事例A-1:覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、徹底した証拠分析と被告人質問・反対尋問を通じて、無罪判決を獲得いたしました。
  • 事例E-1:裁判員裁判対象事件や世界的に報道された重大事件を含め、国際刑事事件に多数対応してまいりました。
  • 事例D-1:在留資格を失った状態で逮捕・起訴された方について、当局との交渉により婚姻・認知の手続を実現し、国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない状況の中で有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得いたしました。

当事務所では、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、接見にも同行いたします。刑事手続の終了後には、提携の行政書士と連携して在留資格の手続にもご対応いたします。また、退去強制事由の判断に故意・過失を要しないとされてきた入管実務に対しては、責任主義の射程を問う訴訟を現在も係争中です(事例D-2)。

7. 結語

遠く離れた場所から家族の身を案じることほど、心細いことはございません。しかし、ご家族が日本におられないことは、弁護活動の妨げにはなりません。必要なのは、来日することではなく、日本国内で動く人間を一人立てることです。まずは分かる範囲の情報をお持ちいただければ、そこから先は当事務所がお引き受けいたします。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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