舟渡国際法律事務所

「実刑になっても、刑期を終えれば日本で暮らせる」は誤解です|刑の執行と退去強制手続の関係

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「実刑になっても、刑期を終えれば日本で暮らせる」は誤解です|刑の執行と退去強制手続の関係

「実刑になっても、刑期を終えれば日本で暮らせる」は誤解です|刑の執行と退去強制手続の関係

2026/07/29

「刑務所で罪を償えば、出所後はまた日本で生活できる」と考えている方は少なくありません。しかし外国人の場合、1年を超える実刑判決は入管法24条4号リの退去強制事由に該当し、受刑中に退去強制の手続が並行して進み、出所と同時に入管の収容施設に移されてそのまま送還される、という経過をたどる例が多いのが実情です。刑事裁判の結果と在留の運命は、別々の制度で決まります。この構造を、判決より前の段階で知っておいていただきたいのです。

本記事の要点

  • 無期又は1年を超える拘禁刑の実刑判決は退去強制事由です(入管法24条4号リ)。服役を終えてもこの該当性は消えません
  • 受刑中に入管の違反調査・審査が進み、出所日に入管収容へ切り替わる運用が一般的です
  • 退去強制された場合、原則5年間(過去にも退去強制歴があれば10年間)は日本に再入国できません。1年以上の拘禁刑の前科や薬物犯罪の前科は、期間の定めのない上陸拒否事由に該当しえます
  • だからこそ、第一審での量刑活動と、そもそも起訴させない活動こそが、在留の分水嶺になります

なぜ「服役すれば済む」とはならないのか

結論から申し上げると、刑事手続と退去強制手続は目的も判断機関も異なる別の制度だからです。刑事裁判は過去の犯罪への刑罰を決める手続であり、刑を終えることで刑事責任は果たされます。しかし入管法は、一定の刑に処せられた外国人の在留を認めないという別の判断枠組みを持っており、刑の執行を終えたことは退去強制事由の該当性を消しません。「罪を償ったのだから」という感覚と制度の間に大きな落差がある点こそ、外国人事件の最大の落とし穴です。

受刑中・出所後に何が起きるのか

実刑判決が確定すると、受刑中に入管の違反調査が始まり、違反審査・口頭審理を経て退去強制令書の発付に至ることがあります。出所の日に刑務所の門前で入管に収容され、そのまま送還準備に入る運用が広く行われています。仮釈放の場合も同様に、釈放と同時に入管収容へ移行する例が一般的です。ご家族が出所を待って生活再建を準備していても、ご本人が自宅に帰れないまま送還されるという事態が現実に起こります。

それでも在留の道が残る場合

退去強制事由に該当しても、法務大臣の裁決において在留特別許可(入管法50条)が認められる可能性は残されています。令和5年改正により、在留を希望する理由、家族関係、素行、在留期間、人道上の配慮の必要性などの考慮事情が法律上明示されました。日本人配偶者や日本で養育される子の存在、長期の在留実績は重要な考慮要素です。当事務所の松村大介弁護士は、難関とされた在留特別許可を1回の手続で獲得した事例や、不法就労助長罪の認定事件で前例のない在留特別許可を獲得した実績を有し、さらに、退去強制事由の判断に故意・過失を要しないとする入管実務に対して責任主義の射程を問う訴訟を現在係争中です。受刑段階からの準備が、この最後の道の成否を左右します。

刑事弁護の段階でできること

第1に、起訴前であれば不起訴処分の獲得が最優先目標です。第2に、起訴された場合には、1年を超えない刑や刑の全部の執行猶予(この場合は4号リの対象から除かれます)を目指す量刑活動が、在留維持に直結します。第3に、有罪が避けられない場合でも、示談・贖罪寄付・反省文・身元引受体制などの証拠を刑事段階から整えておくことが、後の在留特別許可の主張の基礎になります。刑事と入管を一体で設計する視点が不可欠です。

当事務所のご案内と解決事例

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士は、刑事弁護と入管手続の双方に注力する数少ない弁護士の一人です。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得の実績は、重大事件でも結論を覆しうることを示しています。観光目的の来日後に在留資格を失い逮捕・起訴された方について、憲法的観点から当局と交渉して婚姻・認知を実現し、難関とされた在留特別許可を獲得した事例は、刑事裁判と在留手続を一体で設計する当事務所の方針を象徴するものです。

松村大介弁護士は接見の初動から結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。中国語専属通訳が常駐し、受刑中・収容中のご本人のご家族からのご相談にも対応しています。提携の行政書士による在留資格サポートも可能です。

結びに

判決の重さは、刑期の長さだけでなく、その後の在留の可否まで決めてしまいます。「服役すれば済む」という見通しのまま判決を迎える前に、一日でも早くご相談ください。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年7月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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