舟渡国際法律事務所

制度解説:出国命令制度とは|収容されずに帰国でき、上陸拒否期間が1年に短縮される仕組み(入管法24条の3)

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制度解説:出国命令制度とは|収容されずに帰国でき、上陸拒否期間が1年に短縮される仕組み(入管法24条の3)

制度解説:出国命令制度とは|収容されずに帰国でき、上陸拒否期間が1年に短縮される仕組み(入管法24条の3)

2026/07/23

在留期限が切れたまま日本に残ってしまった方から、「自分から出頭したらすぐ収容されるのではないか」「二度と日本に来られなくなるのではないか」というご相談をいただくことがあります。実は入管法には、一定の条件を満たす不法残留者について、収容されることなく簡易な手続で出国でき、しかも再来日の制限が大幅に短くなる出国命令制度が用意されています。この記事では、制度の要件と、利用の際の落とし穴を解説いたします。

1 出国命令制度の5つの要件(入管法24条の3)

出国命令の対象となるのは、概ね次の要件をすべて満たす方です。第1に、速やかに日本から出国する意思をもって、自ら入国管理官署に出頭したこと。摘発される前の自主的な出頭が出発点です。第2に、退去強制事由が不法残留のみであること。不法入国や資格外活動など他の事由がある場合は対象外です。第3に、入国後に窃盗罪等の一定の罪により拘禁刑に処せられていないこと。第4に、過去に退去強制を受けたり出国命令により出国したりした歴がないこと。第5に、速やかに出国することが確実と見込まれることです。

2 通常の退去強制との違い:収容の有無と上陸拒否期間

通常の退去強制手続では、収容を伴い得る手続を経て退去強制令書が発付され、送還後は原則5年間(過去に退去強制歴がある場合は10年間)日本に上陸できません(入管法5条1項9号)。これに対し出国命令の場合は、収容されずに手続が進み、出国後の上陸拒否期間は1年間に短縮されます。日本人や在留外国人のご家族・お仕事の関係で、いずれ日本へ戻る可能性を残したい方にとって、5年と1年の差は決定的に大きいものです。

3 最大の落とし穴:刑事事件があると使えなくなること

注意していただきたいのは、第3の要件です。不法残留の期間中に窃盗などの刑事事件を起こし拘禁刑に処せられると、出国命令制度は利用できなくなります。ここでも、外国人刑事事件では起訴前段階で不起訴処分を獲得することが最優先目標となる、という原則が妥当します。刑事事件の結果が、その後に選べる入管手続の幅そのものを決めてしまうからです。刑事と入管を別々の問題として扱う弁護活動では、この連関を見落としかねません。

4 帰国か、在留希望か:出頭前に決めるべきこと

自主出頭には、出国命令だけでなく、日本に残ることを目指す在留特別許可という選択肢もあります。日本人配偶者や日本で育つお子様がいる場合など、在留を希望する事情がある方は、出国命令で帰国してしまう前に、在留特別許可の可能性を検討すべきです。当事務所では、在留資格を失い起訴された依頼者について、婚姻・認知の手続を実現した上で、入管当局の過去の許可事例を分析し、1回の手続で在留特別許可を獲得した事例がございます。また、退去強制事由の判断に故意・過失の考慮を求める訴訟を係争中であり、不法就労助長罪の認定事件では前例のない在留特別許可を獲得した実績もございます。どの道を選ぶかは、出頭の前に、事案全体を見て決める必要があります。

5 押さえておきたい3つのポイント

第1に、出頭のタイミングと順序を専門家と設計することです。摘発後には出国命令は使えません。第2に、刑事事件を抱えている場合は、その処分結果が入管手続の選択肢を左右するため、刑事弁護と入管対応を一体で進めることです。第3に、通訳の確保です。入国管理官署での手続でも、正確な意思疎通が結果を左右します。

6 当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続(退去強制、在留特別許可)に注力し、国際刑事事件や裁判員裁判対象事件を含む重大事件への対応経験も豊富です。松村大介弁護士が初動から結論まで全工程を直接担当し(事務員・若手弁護士による代行は行いません)、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しています。出国命令・在留特別許可のいずれを選ぶ場合でも、その後の在留資格・再来日に関する手続は提携の行政書士と連携してワンストップで支援いたします。

7 むすびに

不法残留の状態は、放置するほど選択肢が減っていきます。出国命令制度は、自ら動いた方にだけ開かれている出口です。ご自身やご家族の状況でどの道が選べるのか、出頭の前に、どうか一度ご相談ください(2026年7月時点の情報です)。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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