舟渡国際法律事務所

従業員の不法就労で経営者・採用担当者も逮捕される時代に|不法就労助長罪と外国人経営者の刑事・在留リスク

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従業員の不法就労で経営者・採用担当者も逮捕される時代に|不法就労助長罪と外国人経営者の刑事・在留リスク

従業員の不法就労で経営者・採用担当者も逮捕される時代に|不法就労助長罪と外国人経営者の刑事・在留リスク

2026/07/23

報道によれば、兵庫県では、在留資格のない外国人を清掃業務に従事させた疑い(入管法違反)で、清掃会社の採用担当者が逮捕された事案が報じられました。また、外国人を雇用した際の届出を怠った疑いのある事業主の件数が2025年度までの5年間で約14万件にのぼり、年間の件数は5年間で約7.5倍に増えたとの報道もあります。日本で会社や飲食店、清掃業、物流業などを経営し、外国人スタッフを雇用している中国籍の経営者・採用担当者の方に向けて、不法就労助長罪の仕組みと、万一逮捕された場合の初動を解説いたします。

1 不法就労助長罪とは(令和7年に厳罰化)

不法就労助長罪(入管法73条の2)は、事業活動に関して外国人に不法就労活動をさせた者などを処罰する犯罪です。令和7年6月の法改正により法定刑が引き上げられ、現在は5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金(またはその併科)と定められています。重要なのは、「在留資格を確認していなかったので知らなかった」という弁解が当然には通らない構造になっている点です。在留カードの確認を怠るなど過失がある場合には、処罰を免れないとされる規定(同条2項)があり、採用時の確認体制そのものが問われます。

2 逮捕された場合の刑事手続の流れ

逮捕されると、警察は48時間以内に検察官へ送致し、検察官は24時間以内に勾留請求の要否を判断します。この最初の72時間で身柄拘束が長期化するかどうかが概ね決まり、勾留が認められれば原則10日、延長でさらに最大10日の拘束が続きます。経営者の方の場合、この間に事業が止まり、従業員や取引先への影響が急速に拡大しますので、勾留を阻止し、または早期に釈放を求める弁護活動を直ちに始める必要がございます。

3 外国人経営者に特有のリスク:ご自身の在留資格

経営者ご自身が外国籍の場合、刑事処分とは別に在留への影響を検討しなければなりません。不法就労助長行為は、それ自体が退去強制事由(入管法24条)に位置づけられており、また有罪となれば「経営・管理」等の在留資格の更新審査において素行や事業の適正性が厳しく評価されます。ここで見過ごせないのは、入管実務では、退去強制事由の該当性判断にあたり故意・過失の有無は要件とされない、という運用が長年続いてきたことです。つまり、刑事事件で「不法就労と知らなかった」と争っても、入管手続では別途客観的な事実だけで判断されかねない構造があります。松村大介弁護士は、まさにこの実務に対して、責任主義の観点から故意・過失の考慮を求める訴訟を現在係争中であり、不法就労助長罪の認定事件において前例のない在留特別許可を獲得した実績も有しています。刑事段階の防御と入管段階の防御は、当初から一体で設計する必要がございます。

4 不起訴処分の獲得が最優先目標となる理由

不法就労助長の事案では、罰金刑であっても前科となり、在留資格の更新や許認可、金融機関との取引に長く影響します。執行猶予付きの判決を得ても、外国人経営者にとって在留上の危機が去るわけではありません。したがって、弁護活動は起訴前の段階から、不起訴処分の獲得を最優先目標として組み立てるべきです。具体的には、採用時の在留カード確認の経緯、確認体制の整備状況、本人に不法就労の認識がなかった事情などを、客観資料とともに検察官へ示し、意見書の提出や検察官との面談を通じて起訴の回避を目指します。

5 初動で押さえるべき3つのポイント

第1に、黙秘権の行使です。事実関係の整理がつかないまま取調べに不用意に応じると、認識の有無という核心部分について不利な調書が作成されかねません。第2に、早期の弁護人選任です。当番弁護士制度もありますが、外国人雇用と入管法の双方に通じた弁護士へ速やかにつなぐことが重要です。第3に、通訳の質の確保です。捜査機関が手配する通訳は法律用語の専門家とは限らず、微妙なニュアンスのずれが調書に残ると公判で致命傷になり得ます。

6 当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続に豊富な実績を有しています。不法就労助長の分野では、冤罪により不法就労助長罪に問われ強制退去の危機に瀕した女性を救済するため、退去強制事由に故意・過失を要しないとする従来の実務を覆すべく責任主義の射程を問う訴訟を係争中であり、同種の認定事件において前例のない在留特別許可の獲得を実現した実績がございます。また、観光目的で来日し在留資格を失った依頼者について、証拠収集と過去の許可事例の分析により1回の手続で在留特別許可を獲得した事例、虚偽の株主総会決議による代表取締役解任事件で東京地裁・東京高裁いずれも勝訴した事例など、経営者の方の会社関係紛争にも対応してまいりました。当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く通訳を刑事手続全般でご利用いただけます。刑事手続終了後の在留資格更新・変更は、提携の行政書士と連携してワンストップで対応いたします。

7 むすびに

外国人雇用への監督は年々強化されており、採用担当者や経営者の逮捕はもはや例外的な出来事ではありません。逮捕直後の72時間の対応と、在留を見据えた一体的な防御が、事業とご家族の生活を守る鍵になります(2026年7月時点の情報です)。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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