入管収容と仮放免・監理措置の制度解説|刑事手続が終わった後の身柄拘束に、どう備えるか
2026/07/22
刑事手続が終われば身柄は自由になる。日本人の事件であれば原則そのとおりですが、外国人の方の場合、退去強制事由に該当すると疑われるときは、刑事手続の終了と同時に入管(出入国在留管理局)の身柄拘束に移行することがあります。釈放や刑の執行終了を待っていたのは家族ではなく入管の職員だった、という現実は、ご本人・ご家族に大きな衝撃を与えます。本記事では、入管収容の制度と、そこから身柄を解く仮放免・監理措置の仕組みを解説いたします。
退去強制手続における収容の仕組み
入管法上、退去強制事由に該当すると疑うに足りる相当の理由がある外国人に対しては、収容令書により収容が行われ(入管法39条)、退去強制令書が発付された後は、送還までの間、同令書に基づく収容が可能とされています。刑事手続で執行猶予判決を受けて法廷で釈放された直後に、入管の収容令書により収容される例も少なくありません。収容中も、退去強制手続(違反調査・審査・口頭審理・異議申出)は進行し、在留特別許可(入管法50条)の判断もこの手続の中で行われます。
仮放免と監理措置:身柄を解く2つの制度
収容からの解放手段として、従来から仮放免(入管法54条)の制度があります。保証金の納付等を条件に、一時的に収容を解く制度です。これに加え、令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)により監理措置の制度が新設されました。親族や支援者などの監理人による監理の下で、収容によらずに退去強制手続を進めることを可能とする制度であり、収容の長期化への批判を受けた制度改革の一環です。どちらの制度を利用できるか、どのような疎明資料を整えるべきかは、事案の性質(逃亡のおそれの評価、健康状態、家族状況、手続の段階)によって異なり、専門的な検討を要します。
刑事手続の段階から入管手続を見据える
重要なのは、これらの入管手続への備えは、刑事手続が終わってから始めたのでは遅いということです。当事務所は、外国人刑事事件を受任した段階から、①不起訴処分の獲得により退去強制事由への該当自体を防ぐこと、②有罪が避けられない場合も、在留特別許可の考慮事情(入管法50条5項)を見据えて、家族関係・生活基盤・反省と更生に関する証拠を刑事段階から蓄積すること、の二段構えで活動します。さらに当事務所の松村大介弁護士は、退去強制事由の判断に故意・過失の議論が及ぶべきであるという論点を係争中の訴訟で提起しており、不法就労助長罪の認定事件において前例のない在留特別許可を獲得した実績を有しています。収容・仮放免の局面は、この一貫した戦略の最終盤に位置づけられます。
ご家族が知っておくべきポイント
- 収容先(地方出入国在留管理局・入国者収容所)では面会が可能です。面会と差入れを通じて、本人の心身の状態を支えることが重要です。
- 仮放免・監理措置の申請には、身元保証・監理体制・帰住先など、ご家族の協力が不可欠です。
- 収容中も退去強制手続は進みます。異議申出などの期限を逃さないよう、早期に専門家へ相談してください。
当事務所のご案内
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士は、外国人刑事弁護と入管手続(退去強制・在留特別許可)を主たる注力分野としています。在留資格を失い起訴された依頼者について、憲法的観点からの交渉と過去の許可事例の分析により難関とされた在留特別許可を1回の手続で獲得した事例、退去強制の危機に瀕した女性を救済するため従来の入管実務の枠組みを問う訴訟を遂行中である事例、警察の処分の処分性を認めさせ大阪高裁で勝訴した行政訴訟の事例など、行政と正面から争う訴訟活動に実績があります。
松村弁護士が全工程を直接担当し、中国語専属通訳が常駐しています。仮放免中・監理措置中の生活に関わる在留手続は、提携の行政書士と連携して支援いたします。
結語
入管収容は、制度を知らないまま迎えると絶望的に見えますが、仮放免・監理措置・在留特別許可という制度上の出口は確かに存在します。出口に至る道筋は、刑事手続の段階から設計を始めるほど広がります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。(本記事は2026年7月時点の情報に基づいています。)
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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