家族が逮捕されたが、どこの警察署にいるか分からないとき|身柄の所在を確認する方法
2026/07/21
「家族と急に連絡が取れなくなった」「逮捕されたらしいと人づてに聞いたが、どこにいるのか分からない」。中国籍の方のご家族から、このようなご相談をいただくことは少なくございません。日本人であっても戸惑う場面ですから、日本語での問い合わせに不安のあるご家族であれば、なおさらのことと存じます。
この記事では、ご家族が身柄の所在を確認するための具体的な手順を、順を追って整理いたします。緊急性の高い場面ですので、まず結論から申し上げますと、最も確実で早いのは弁護士に依頼して照会してもらうことです。しかし、それに至るまでにご家族ご自身でできることもございますので、併せてご説明いたします(2026年7月時点の運用に基づきます)。
逮捕から72時間という時間の意味
まず、なぜ急ぐ必要があるのかをご理解いただきたく存じます。逮捕された方は、警察において最大48時間、その後検察官のもとで最大24時間、合計72時間以内に、勾留を請求するかどうかが判断されます。裁判官が勾留を認めますと、原則として10日間、延長されればさらに10日間、身体の拘束が続きます。
この最初の72時間は、ご本人が誰にも相談できないまま取調べを受ける時間でもあります。この間に作成された供述調書は、後の手続で長く影響を及ぼします。したがって、所在の確認は、単に安否を知るためだけではなく、弁護人を送り届けるための前提として急を要するのです。
ご家族ご自身でできる確認の手順
- **最後に連絡が取れた場所を手がかりにする。** 逮捕された方は、原則として事件を扱う警察署に留置されます。勤務先、居住地、最後に所在が確認された場所を管轄する警察署が第一の候補となります。
- **都道府県警察の代表番号に問い合わせる。** 警視庁や各県警の代表番号に電話し、氏名・生年月日・国籍を伝えて照会を依頼する方法がございます。ただし、捜査上の理由から回答が得られないこともございます。
- **勾留状が出ている場合は裁判所でも確認できることがある。** 勾留質問は裁判所で行われますので、勾留段階以降であれば所在の把握がしやすくなります。
- **中国大使館・領事館への連絡も選択肢となる。** 領事関係に関するウィーン条約36条1項は、身体を拘束された外国人に対し、本国の領事機関への通報を要請する権利を保障しております。日本の捜査機関はこれを遅滞なく告知する義務を負いますが、実務上、告知が遅れる例もございます。
弁護士に依頼した場合にできること
弁護人または弁護人になろうとする者は、警察署に対し在監の有無を照会し、接見に赴くことができます。接見交通権は刑事訴訟法39条1項に基づく権利であり、勾留中で面会が制限されている場合でも、弁護人は立会人なしで面会することができます。
さらに、接見禁止決定(刑事訴訟法81条)が付されている事案では、ご家族は面会も手紙のやり取りもできません。共犯事件や否認事件では、この決定が付されることが少なくありません。そうした場合、弁護人だけが唯一ご本人と直接話せる存在となります。ご家族にとって、弁護人は代理人であると同時に、ご本人との連絡経路そのものになるということです。
なお、弁護人の選任は、ご本人だけでなく、配偶者・直系の親族・兄弟姉妹も独立して行うことができます(刑事訴訟法30条2項)。中国本土にお住まいのご家族が、日本にいるご本人のために弁護人を選任することも可能です。
当事務所について
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)では、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護に取り組んでおります。
当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。所在の照会から初回接見までを速やかに行い、ご家族には状況を随時ご報告いたします。
また、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しております。この通訳は、捜査機関が指定する通訳とは異なり、依頼者ご本人のために動く立場の通訳です。接見・打合せの各段階でご利用いただけます。
解決実績としては、特殊詐欺の受け子で複数回再逮捕された事案において、取調べ対応を徹底し、全件について不起訴処分を獲得した事例、また不法滞在で逮捕・起訴された方について、困難な状況の下で在留特別許可を獲得した事例などがございます。刑事手続とその後の入管手続を、一体のものとして設計してまいります。
なお、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
おわりに
連絡が取れないという状態は、それ自体が大きな不安です。しかし、所在さえ分かれば、そこから打てる手は確かにございます。日本語での問い合わせに不慣れであることは、少しもご心配なさる必要はありません。まずは、分かっている範囲の情報を整理していただくところから始めましょう。
本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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