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逮捕後の流れとは|逮捕・勾留・起訴・判決から入管手続までの時間表と外国人の注意点

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逮捕後の流れとは|逮捕・勾留・起訴・判決から入管手続までの時間表と外国人の注意点

逮捕後の流れとは|逮捕・勾留・起訴・判決から入管手続までの時間表と外国人の注意点

2026/10/13

逮捕後の流れとは、警察に逮捕された被疑者について、刑事訴訟法に基づき、「検察官への送致(48時間以内)」「勾留請求(合計72時間以内)」「勾留(原則10日、最長10日の延長)」「検察官による起訴・不起訴の判断」を経て、起訴された場合には「公判と判決」に至る一連の刑事手続をいう。外国人の場合は、刑事手続が終わった後に、入管(出入国在留管理庁)の退去強制手続が続くことがある。

この記事の要点

  • 逮捕から最長72時間以内に勾留するかどうかが決まる。この間、家族は原則として面会できず、面会できるのは弁護士だけである。
  • 勾留は原則10日、延長されると最長でさらに10日。起訴前の身体拘束は最長で約23日に及び、起訴前には保釈の制度がない。
  • 検察官は勾留期間内に起訴・略式起訴(罰金)・不起訴を決める。不起訴は、その後の生活への影響が最も小さい結果である。
  • 起訴後は保釈を請求でき、審理を経て判決が言い渡される。外国人の場合、判決の内容が在留資格と退去強制に直結する。
  • 外国人には通訳を求める権利・黙秘権・領事への通報がある。弁護人を早く選任するほど、取り得る弁護活動の幅が広がる。

逮捕された後は、全体としてどのような流れになるのか?

結論:「逮捕→検察官送致→勾留→起訴・不起訴→公判→判決」の順に進み、起訴前は最長約23日。各段階に法律上の時間制限がある。

段階 時間制限 主な内容 根拠条文
① 逮捕(警察) 身体拘束から48時間以内 取調べを行い、釈放か検察官送致かを決める 刑事訴訟法203条1項
② 検察官送致 受け取りから24時間以内(逮捕から通算72時間以内) 検察官が弁解を聴き、釈放か勾留請求かを決める 同法205条1項・2項
③ 勾留 原則10日、延長は通算10日まで 警察署の留置施設で捜査が続く 同法208条
④ 検察官の処分 勾留期間の満了まで 起訴(公判請求)・略式起訴(罰金)・不起訴 同法247条・248条・461条
⑤ 起訴後勾留・保釈 起訴後2か月、以後1か月ごとに更新 保釈請求ができる 同法60条2項・88条から90条まで
⑥ 公判・判決 争いのない事件では、起訴後おおむね1か月から2か月で第1回公判 審理を経て、有罪(実刑・執行猶予・罰金)又は無罪の判決 同法333条から336条まで
⑦ 控訴 判決言渡しの翌日から14日以内 第一審判決に不服があれば高等裁判所に控訴する 同法373条

※逮捕には、通常逮捕(逮捕状による逮捕)、現行犯逮捕、緊急逮捕の3種類がある(刑事訴訟法199条・212条・213条・210条)。いずれの場合も、逮捕後の時間制限は同じである。

逮捕から72時間の間に何が起きるのか?

結論:この72時間は「勾留されるかどうか」が決まる重要な期間である。家族は原則として面会できず、すぐに本人と会えるのは弁護士だけである。

逮捕されると、警察は取調べを行って供述調書を作成し、48時間以内に釈放するか検察官に送致するかを決める。送致を受けた検察官は、24時間以内に裁判官へ勾留を請求するかどうかを決める。裁判官は本人に勾留質問を行い、勾留の要件があるかを判断する。

この間の供述は調書に記載され、後の裁判で証拠として使われる。いったん署名した調書の内容を後から覆すのは容易ではない。最初の取調べの前に、あるいはできる限り早い段階で、弁護士の接見を受けて助言を得ることが決定的に重要である。

この段階で弁護士ができることは、次のとおりである。

  • 本人と接見し、手続と権利を説明し、事実関係を確認して、取調べへの対応方針を決める
  • 検察官・裁判官に意見書を提出し、勾留の必要がないことを主張して、勾留回避・早期釈放を求める
  • 家族の伝言を伝え、着替えなどの差入れを手配する

勾留とは何か?最長でどのくらい身体拘束が続くのか?

結論:勾留は原則10日で、やむを得ない事由があるときは通算10日まで延長される。逮捕段階の最長3日を加えると、起訴前の身体拘束は最長約23日である。

裁判官は、罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があり、かつ「住居不定」「罪証隠滅のおそれ」「逃亡のおそれ」のいずれかがある場合に限り、勾留を決定できる(刑事訴訟法60条1項)。外国人は「出国して逃亡するおそれがある」として逃亡のおそれを認定されやすい。家族の身元引受書、住居や勤務先の資料などを示し、逃亡のおそれを具体的に否定することが重要である。

勾留の裁判に不服があるときは準抗告を申し立てることができる(刑事訴訟法429条1項2号)。公開の法廷で勾留の理由を明らかにするよう求める勾留理由開示の請求もできる(同法82条。同法207条1項により被疑者にも準用される)。

なお、起訴前は保釈を請求できない(刑事訴訟法207条1項ただし書)。中国の「取保候審」とは制度が異なる点に注意が必要である。

逮捕・勾留中に家族は面会できるのか?弁護士は何ができるのか?

結論:勾留が決まった後は、接見禁止が付いていなければ家族も決められた時間内に面会できる。弁護士は時間・回数の制限なく、警察官の立会いなしに接見できる。

  • 家族の面会:通常は平日の決められた時間に限られ、時間も短く、警察官が立ち会う。中国語で話す場合は、通訳の同席を求められたり、日本語での会話を求められたりすることがある。
  • 接見禁止:罪証隠滅のおそれがあるときなど、裁判官は弁護人以外の者との接見や書類の授受を禁止することができる(刑事訴訟法81条)。これに対しても準抗告を申し立て、一部解除(配偶者・父母に限って面会を認めるなど)を求めることができる。
  • 弁護士の接見:弁護人は警察官の立会いなしに本人と接見できる(刑事訴訟法39条1項)。休日や夜間も可能である。

弁護士を付ける方法には、当番弁護士(初回の接見は無料)、国選弁護人(勾留後に請求でき、国が選任する)、私選弁護人(本人や家族が自ら依頼する)の3つがある。私選弁護人は逮捕直後から活動でき、中国語でのやり取りや入管の問題に通じた弁護士を家族が自ら選ぶことができる。

検察官はどのような処分をするのか?起訴・略式命令・不起訴は何が違うのか?

結論:不起訴は有罪判決が残らない最も望ましい結果である。略式命令は罰金を納めるだけで終わるが、有罪判決(前科)となる。

処分 内容 前科になるか
不起訴(起訴猶予を含む) 裁判にかけずに釈放する。犯罪が成立する場合でも、情状や示談の成立などを考慮して起訴を見送ることができる(刑事訴訟法248条) ならない
略式起訴(略式命令) 公開の法廷を開かず、書面の手続で100万円以下の罰金を科す(刑事訴訟法461条) なる(罰金刑)
公判請求(正式起訴) 公開の法廷で審理し、判決を言い渡す 有罪ならなる

不起訴を得るためには、勾留期間内に被害者との示談を成立させること、情状・反省・監督体制などを記した意見書を検察官に提出することが鍵になる。外国人の被疑者が被害者と直接接触することは通常認められず、示談交渉は弁護人を通じて行うのが原則である。

起訴された後は保釈されるのか?公判と判決はどう進むのか?

結論:起訴後は保釈を請求できる。公判は起訴状朗読、証拠調べ、被告人質問、論告・求刑、最終弁論の順に進み、争いのない事件では1回の期日で審理を終え、後日判決が言い渡されることが多い。

保釈には、法定の除外事由がない限り許される「権利保釈」(刑事訴訟法89条)と、裁判所の裁量で許される「裁量保釈」(同法90条)がある。保釈保証金の納付が必要で、金額は事案や経済状況によって異なる。外国人の場合は逃亡のおそれが特に審査されるため、身元引受人、住居、旅券の管理方法などの具体的な手当てを示す必要がある。

判決には、実刑(刑務所に収容される)、執行猶予、罰金、無罪がある。第一審判決に不服があるときは、判決言渡しの翌日から14日以内に控訴できる。

※令和7年6月1日から、「懲役」と「禁錮」は「拘禁刑」に一本化された。

外国人が逮捕された場合、特に注意すべきことは何か?

結論:通訳・黙秘権・領事通報といった権利をきちんと使い、逮捕当日から「刑事処分が在留資格に与える影響」を弁護方針に組み込む必要がある。

  • 通訳:日本語が分からない人には、取調べや裁判で通訳が付く(刑事訴訟法175条)。通訳が不正確だと感じたらその場で指摘し、理解できない内容の調書には署名しない。
  • 黙秘権:自分に不利益な質問には答えないことができる(日本国憲法38条1項、刑事訴訟法198条2項)。黙秘したこと自体を不利益に扱うことは許されない。
  • 領事通報:領事関係に関するウィーン条約36条などに基づき、逮捕されたことを本国の大使館・領事館に通報するよう求めることができる。
  • 在留期限:勾留中に在留期限が来ると、不法残留の問題が生じうる。弁護士が早期に確認し、手当てをする必要がある。

刑事処分と在留資格(ビザ)はどう関係するのか?

結論:同じ罪名でも、「不起訴」「罰金」「執行猶予」「実刑」のどれになるかで在留資格への影響はまったく異なる。薬物事犯は罰金や執行猶予でも退去強制の対象になる。

刑事処分の結果 在留資格への主な影響 入管法の根拠
不起訴 刑事判決がないため、刑事処分それ自体を理由に退去強制の対象とはならないのが原則。ただし、もともと不法残留などに当たる場合は、釈放後に入管へ引き渡されることがある -
罰金 刑事処分それ自体を理由に退去強制の対象となることは通常ないが、在留期間更新や永住許可の審査に影響しうる。薬物事犯は罰金でも退去強制事由に当たる 24条4号チ
拘禁刑・執行猶予 「別表第一」の在留資格(留学、技術・人文知識・国際業務、経営・管理、特定技能など)で在留する人が、窃盗・傷害・詐欺などの特定の罪で拘禁刑に処せられた場合は、執行猶予でも退去強制事由に当たる。薬物事犯も同様 24条4号の2・4号チ
1年を超える実刑 在留資格の種類(永住者を含む)を問わず、無期又は1年を超える拘禁刑の実刑に処せられた場合は退去強制事由に当たる(刑の全部の執行猶予は除く) 24条4号リ

したがって、外国人の刑事弁護では「刑を軽くする」ことだけを目標にせず、最初から「日本での生活を守る」ことを目標に、不起訴の獲得、特定の罪名を避ける構成、罰金にとどめる方針などを具体的に選ぶ必要がある。退去強制の対象になった場合でも、在留特別許可によって日本での生活を続けられる可能性がある。

家族が逮捕されたら、最初に何をすべきか?

結論:まず留置されている警察署と被疑事実を確認し、中国語で意思疎通ができ、入管の問題にも通じた弁護士にすぐ接見を依頼する。

  1. 本人がどの警察署にいて、どのような容疑で逮捕されたのかを確認する(警察署に問い合わせる)
  2. 弁護士に早急な接見を依頼し、事実関係と取調べへの対応方針を確認してもらう
  3. 旅券・在留カードの写し、勤務先・住所・家族関係の資料を用意する(釈放・保釈の請求に使う)
  4. 被害者や共犯者に自分から連絡しない(罪証隠滅を疑われるおそれがある)
  5. 在留期限を確認し、在留資格への影響を早めに検討する

よくある質問

Q1.逮捕されてから、どのくらいで家族に会えるのか?

逮捕から約72時間は、原則として弁護士しか接見できない。勾留が決まった後、接見禁止が付いていなければ、警察署の決められた時間内に家族も面会できる。

Q2.逮捕されたら必ず起訴されるのか?

必ずではない。犯罪が成立する場合でも、検察官は情状や示談の状況を考慮して起訴猶予(不起訴)とすることができる(刑事訴訟法248条)。

Q3.起訴される前に保釈されることはあるか?

ない。保釈は起訴後の制度である。起訴前は、勾留の裁判に対する準抗告などによって釈放を求めることになる。

Q4.不起訴になった後、強制送還されることはあるか?

不起訴それ自体が退去強制の理由になることは原則としてない。ただし、すでに在留期限を過ぎている場合や、不法就労などの入管法違反がある場合は、釈放後に入管へ引き渡されることがある。

Q5.家族が中国にいても、日本の弁護士に依頼できるか?

できる。微信(WeChat)などで中国語により連絡を取り、弁護士が本人のいる警察署に出向いて接見する。

Q6.執行猶予判決なら、ビザに影響はないのか?

在留資格と罪名によって異なる。留学や就労系などの「別表第一」の在留資格の人が、窃盗・傷害・詐欺などで拘禁刑の執行猶予判決を受けた場合も、退去強制事由に当たる(入管法24条4号の2)。

根拠条文と出典

  • 日本国憲法38条1項
  • 刑事訴訟法39条・60条・81条・82条・88条から90条まで・175条・198条・199条・203条・205条・207条・208条・210条・212条・248条・373条・429条・461条(e-Gov法令検索)
  • 出入国管理及び難民認定法24条4号の2・4号チ・4号リ(e-Gov法令検索)
  • 領事関係に関するウィーン条約36条

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中文版:在日本被逮捕后的完整流程(简体中文)

ご相談の窓口

舟渡国際法律事務所は、在日中国人の刑事事件と入管事件を取り扱っている。外国人刑事事件の接見には、事務所の中国語専属通訳が同行する。全国の警察署へ出張接見し、逮捕の段階から在留資格と退去強制の問題を弁護方針に組み込んで対応する。

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最終更新日:2026年10月13日

執筆:弁護士 松村大介(舟渡国際法律事務所/第一東京弁護士会、登録番号59077)
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