留置施設での生活と健康管理 持病の薬・食事・体調不良のときの伝え方
2026/08/13
身柄を拘束されている間、本人がどのような生活を送っているのかは、ご家族にとって最も気がかりな点の一つです。慣れない環境、通じない言葉、先の見えない不安の中で、体調を崩す方は少なくありません。特に持病がある場合、服薬が途切れることは深刻な問題になります。本稿では、留置施設での一日の流れ、持病と服薬の取扱い、食事や宗教上の配慮、そして体調不良を訴えるときの具体的な伝え方について、ご家族と本人の双方に役立つ形で整理します。
本記事の要点
- 留置施設では起床から就寝まで日課が定められ、取調べのない日も外に出ることはできません。
- 持病がある場合は、薬の名称と服用方法を早期に申告することが最も重要です。
- 体調不良は我慢せず、その都度、具体的な症状を職員に伝える必要があります。
- 言葉が通じない不安から不調を訴えられない例が多く、弁護人による確認が有効です。
留置施設での一日はどのように過ぎますか
留置施設では、起床、点検、食事、就寝の時刻が定められており、日課に従って一日が進みます。居室は複数人で使用する場合と単独で使用する場合があります。取調べがある日は、日中に取調室へ連れて行かれ、数時間にわたって聴取を受けることがあります。取調べのない日は、居室で過ごす時間が長く、運動の時間や入浴の機会は限られています。読書は認められていますが、所持できる冊数には制限があります。テレビや新聞に触れる機会は施設により異なります。単調な生活が続くうえ、外の情報が入らないため、精神的な負担が徐々に蓄積していく点に注意が必要です。
持病がある場合の服薬と診療はどうなりますか
持病がある場合、最初の健康状態の聴取の際に、病名、服用している薬の名称と用量、通院先の医療機関を正確に申告することが決定的に重要です。ご家族が差し入れた市販薬をそのまま服用することは原則としてできず、施設の医師の診察を経て必要な薬が処方される流れになります。したがって、申告が遅れたり不正確であったりすると、服薬が途切れる期間が生じます。ご家族には、お薬手帳の写しや処方箋、診療情報が分かる資料を弁護人に渡していただくようお願いしています。持病が重い場合には、外部の医療機関での受診を求めることも検討します。まずは正確な情報の伝達が出発点です。
食事と宗教上の配慮、言葉の壁について
食事は施設から支給され、時間も内容も定められています。日本の食事に慣れない方にとっては、それ自体が負担になることがあります。宗教上の理由で食べられないものがある場合には、その旨を申告することで配慮がなされる場合がありますので、遠慮せずに伝えてください。より大きな問題は言葉の壁です。職員との日常的なやり取りは日本語で行われるため、体調不良や不安を的確に伝えられず、我慢してしまう方が多く見られます。簡単な日本語の表現をあらかじめ弁護人に教わっておく、伝えたいことを紙に書いておくといった工夫が、実際に役立ちます。
体調を崩したとき、家族と弁護人にできること
体調の不調は、我慢せずにその都度伝えることが原則です。伝える際には、痛みの場所、いつからか、どのような症状か、これまでの病歴を具体的に述べてください。抽象的に具合が悪いと述べるだけでは、必要な対応につながりにくいことがあります。弁護人は接見の際に体調を確認し、必要があれば施設に対して診察を求め、外部の医療機関の受診を要請することができます。精神的な不調が疑われる場合には、家族からの情報が判断の助けになりますので、これまでの通院歴や服薬歴を弁護人にお知らせください。身柄拘束が長期化するほど、健康の管理は重要になります。
よくあるご質問
本人が体調を崩していないか確認する方法はありますか
弁護人が接見の際に確認し、ご家族にお伝えすることができます。面会が可能な時期であれば、直接様子を確認することもできますが、時間が短いため、聞きたいことを事前に整理しておくと有効です。心配な点は弁護人にお伝えください。差入れの際に様子を尋ねることもできます。
外部の病院で診てもらうことはできますか
施設の医師の診察が原則ですが、症状によっては外部の医療機関への受診が認められる場合があります。持病の内容や過去の治療経過を示す資料があると、必要性の説明がしやすくなります。弁護人を通じて要請することを検討してください。受診の要否は施設の判断によります。
眠れない、食べられないという状態が続いています
睡眠と食欲の障害は、心身の不調の重要なサインです。放置せず、職員に伝えるとともに、弁護人にも状況を共有してください。必要に応じて診察を求めます。ご家族から見た普段の様子との違いも、判断の材料として有益です。早めの申出が悪化を防ぐことにつながります。
当事務所のご案内
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。
当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。
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本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
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