チケットの高額転売はどこから犯罪になるのか|チケット不正転売禁止法と「代行購入」の落とし穴
2026/07/29
人気アーティストのコンサートやスポーツの試合のチケットを定価より高く転売する行為は、チケット不正転売禁止法(2019年施行)により処罰の対象となっています。在日中国人コミュニティでは、中国本土のファンのための「代行購入」やSNS上での譲渡が広く行われていますが、業として反復すれば逮捕・起訴に至った例が繰り返し報じられています。趣味の延長のつもりの行為が前科につながる前に、どこからが犯罪になるのかを確認しておきましょう。
本記事の要点
- 特定興行入場券の不正転売と、不正転売目的での譲受けは、1年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金(又はその両方)の対象です
- 会場周辺での売買行為は、各都道府県の迷惑防止条例(ダフ屋行為の禁止)にも該当しえます
- 「代行購入」でも、転売目的を認識して入場券を譲り受ければ処罰対象となりえます
- 罰金でも前科です。在留期間更新の素行評価への影響を踏まえ、起訴前の対応が重要です
何が「不正転売」に当たるのか
結論から申し上げると、処罰対象となるのは、①興行主の同意なく、②業として(反復継続の意思をもって)、③定価を超える価格で、日時・座席指定等の要件を満たす「特定興行入場券」を転売する行為です。1回限りで、行けなくなったチケットを定価以下で譲る行為は処罰対象ではありません。他方、転売で利益を得る目的でチケットを買い集める行為は、譲受け側も処罰されうる点に注意が必要です。中国本土からの依頼を受けた「代行購入」は、報酬を得て反復すれば「業として」の要件を満たすと評価される危険が高まります。
外国人事件特有のリスク
本罪の法定刑は1年以下の拘禁刑等であり、実刑で1年を超えることは通常ありませんから、入管法24条4号リ(無期又は1年超の拘禁刑)に直ちに該当する類型ではありません。しかし、留学・技術・人文知識・国際業務など別表第一の在留資格の方が資格外の収益活動として反復すれば、資格外活動(入管法上の問題)を別途指摘されるおそれがあり、また罰金前科は在留期間更新・永住許可申請時の素行評価に影響します。「罰金だから大したことはない」という理解は、外国人の方には当てはまりません。
不起訴処分の重要性と弁護活動
この類型は、転売の回数・利益額・組織性によって悪質性の評価が大きく変わります。初回で利益額が小さく、利益の返還や興行主への謝罪等の対応を尽くした場合には、起訴猶予(不起訴)の余地が十分にあります。当事務所では、起訴前の段階から検察官と交渉し、不起訴処分の獲得を最優先目標として活動します。取引履歴の整理と、転売目的の範囲(どの時点からを転売目的と評価すべきか)についての丁寧な主張が有効です。
初動対応で押さえておきたい3つのポイント
- 黙秘権の行使:転売目的の発生時期や反復性は評価に幅のある事項であり、不用意な供述が「業として」の認定を招きます
- 早期の弁護人選任:在宅事件でも呼出しの段階から弁護士が関与することで、処分の見通しが大きく変わりえます
- 取引記録の保全:購入・譲渡の経緯を示す記録は、悪質性が低いことの立証にも役立ちます
当事務所のご案内と解決事例
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護に注力しています。特殊詐欺の出し子とされた20代女性について犯意の不存在を総合的に主張して不起訴処分を獲得した事例、取り込み詐欺の被害事件で刑事告訴を端緒に7,500万円の解決金を獲得した事例など、刑事・民事の両面から金銭トラブルに対応した実績があります。また、過去の逮捕報道・前科報道の削除に成功した事例もあり、事件後の社会復帰・風評対応までを視野に入れたご支援が可能です。
松村大介弁護士は接見の初動から結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、捜査機関の指定通訳とは別に、ご本人のための通訳を手続全般でご利用いただけます。提携の行政書士による在留資格サポートにも対応しております。
結びに
チケット転売は、日常の延長に見えて、反復すれば刑事事件となり、外国人の方には在留への影響という第2の問題が続きます。捜査の連絡が来た段階で、早めにご相談ください。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
本記事は2026年7月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639
東京にて中国人の方をサポート
東京を中心に刑事事件の弁護
----------------------------------------------------------------------