舟渡国際法律事務所

海外の詐欺拠点から帰国して逮捕されたら|ラオス・ミャンマー等の摘発と日本の刑法が及ぶ範囲

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海外の詐欺拠点から帰国して逮捕されたら|ラオス・ミャンマー等の摘発と日本の刑法が及ぶ範囲

海外の詐欺拠点から帰国して逮捕されたら|ラオス・ミャンマー等の摘発と日本の刑法が及ぶ範囲

2026/07/29

2026年7月27日、ラオス北部のホテルで、特殊詐欺への関与が疑われる51人が現地当局に摘発され、日本人のほか中国籍・台湾籍の者が含まれると報じられました。東南アジアの詐欺拠点をめぐっては、「高収入の海外の仕事」という誘い文句で渡航し、現地で旅券を取り上げられて詐欺の電話やSNSの操作に従事させられたと訴える人も少なくありません。帰国した空港でそのまま逮捕される例も報じられています。ご本人やご家族が同じ状況に置かれている方に向けて、この類型の法的構造を解説いたします。

本記事の要点

  • 日本国内の被害者に対する詐欺は、国外の拠点から関与した場合でも日本の刑法が適用されます。詐欺罪の法定刑は10年以下の拘禁刑です(刑法246条)
  • 渡航先で自由を奪われて働かされていたという事情は、共謀・故意の認定や処分の判断に影響しうる重要な主張です
  • 詐欺罪で1年を超える実刑となれば退去強制事由(入管法24条4号リ)に該当します。別表第一の在留資格の方は執行猶予でも在留を失うおそれがあります(同4号の2)
  • 帰国直後の空港での逮捕の例もあり、帰国前の段階から弁護士に相談しておくことが有益です

国外からの関与にも日本の刑法が及ぶ仕組み

結論から申し上げると、詐欺の電話をかけた場所が国外であっても、被害者が日本国内にいれば、犯罪の結果が日本国内で発生したものとして日本の刑法が適用されます。国外拠点の摘発後、現地当局から日本へ移送され、又は帰国した空港で逮捕状により逮捕される流れが定着しつつあります。既に共犯者が日本で起訴されている場合、捜査機関には通話記録やマニュアル等の資料が蓄積されており、供述の食い違いは厳しく追及されます。

「働かされていた」事情と共謀・故意の争い

この類型の弁護活動の核心は、共謀共同正犯の成立範囲と故意の認定にあります。渡航の経緯(求人詐欺に騙されたのか)、現地での自由の制約(旅券の取上げ、監視、暴行の有無)、従事した作業の内容と報酬、離脱の試みの有無といった事情は、詐欺の故意や共謀の存在を争う根拠となり、また、人身取引の被害者としての側面を基礎付ける事情にもなります。当事務所では、特殊詐欺の出し子とされた20代女性について、指示役からの欺罔や脅迫的状況の下で犯意がなかったことを総合的に主張し、不起訴処分を獲得した事例があります。渡航経緯を示すチャット履歴や航空券の記録など、客観資料の早期保全が重要です。

外国人事件特有のリスクと不起訴の重要性

詐欺罪で無期又は1年を超える拘禁刑の実刑となれば、入管法24条4号リの退去強制事由に該当します。さらに、詐欺罪は刑法第37章の罪であるため、留学・技術・人文知識・国際業務など別表第一の在留資格の方は、執行猶予付きの拘禁刑でも同条4号の2の退去強制事由に該当しうる構造です。執行猶予の獲得を最終目標とする弁護活動では在留資格を守れないおそれがあるため、起訴前の段階から不起訴処分の獲得を最優先目標に据える必要があります。

初動対応で押さえておきたい3つのポイント

  • 黙秘権の行使:拠点での役割や指示系統について曖昧な供述をすると、共謀を認めたと評価されかねません。弁護人と方針を立ててから供述することが重要です
  • 早期の弁護人選任:帰国前・出頭前の相談も可能です。逮捕前から準備することで、身柄拘束の回避や早期解放の可能性が高まります
  • 通訳の確保:渡航経緯や現地での被害を正確に伝えるには、外国人事件に慣れた通訳が不可欠です

当事務所のご案内と解決事例

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士は、国際刑事事件や裁判員裁判対象事件、世界的に報道された事件への対応経験を有し、中国籍の方の重大事件にも数多く対応してきました。前記の特殊詐欺出し子事案での不起訴処分獲得のほか、海外SNSを利用した事案で日本の警察と国際刑事警察機構(インターポール)の連携により刑事告訴を受理させるなど、国境をまたぐ事件の実務経験があります。また、不法就労助長罪の認定事件において前例のない在留特別許可を獲得した実績があり、刑事手続の先にある入管手続まで一体的に見据えた弁護方針を採ります。

松村大介弁護士は、接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関の指定通訳とは別に、ご本人のために動く通訳を接見・打合せでご利用いただけます。提携の行政書士による在留資格のサポートにも対応しております。

結びに

海外拠点の事件は、「騙されて渡航した被害者」と「詐欺の実行役」の境界線が争われる類型であり、初動の供述と証拠保全がその境界を決めます。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年7月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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