白タク(無許可の有償送迎)に会社の名義を貸すと|道路運送法違反で逮捕された外国籍経営者・ご家族の方へ
2026/07/28
観光需要の回復とともに、外国人観光客を車で送迎する「白タク」(国の許可を受けずに有償で客を運ぶ行為)をめぐる摘発が相次いでいます。2026年7月にも、都内のハイヤー会社の実質的な経営者とされる方が、無許可営業の運転手に会社の名義を貸したとして、道路運送法違反(名義貸し)の疑いで逮捕されたと報じられました。報道によれば、名義使用料として多額の金銭を受け取っていたとされています。日本で事業を営む外国籍の経営者にとって、この種の事件は刑事責任にとどまらず、在留資格、とりわけ「経営・管理」の根幹を揺るがしかねません。同じ立場に置かれたご本人・ご家族の不安に、少しでもお応えできればと思います。
1. 想定される刑事手続の流れ
道路運送法違反(無許可営業・名義貸し)は、身柄事件として逮捕・勾留に至ることがあります。逮捕後は48時間以内に検察官へ送致され、その後24時間以内に勾留請求の判断が行われます。裁判官が勾留を認めると、原則10日間、延長で最大20日間、身柄の拘束が続きます。この最初の72時間で弁護人が接見し、供述の方針を定めることが極めて重要です。営業の実態、名義貸しの認識の有無、受け取った金銭の性質といった初期の供述が、後の処分を大きく左右するためです。
2. 外国籍の経営者に特有のリスク(在留資格)
「経営・管理」の在留資格で日本に滞在する方が刑事処分を受けると、更新の際に「素行が善良であること」の要件(在留資格の変更・更新のガイドライン)で不利に評価される危険があります。さらに、道路運送法違反で1年を超える拘禁刑に処せられ、その執行が猶予されなかった場合には、入管法24条4号リの退去強制事由に該当し得ます。なお令和7年6月施行の改正刑法により、従来の二つの自由刑は「拘禁刑」に一本化されました。「執行猶予が付いたから在留できる」と即断はできません。退去強制事由は号ごとに構造が異なるため、当該事件がどの号に関わるのかを丁寧に見極める必要があります。
3. なぜ不起訴処分が決定的か
外国籍の事業者にとって、最も確実に在留を守る道は、起訴前の段階で不起訴処分を獲得することです。名義貸しの「認識」、すなわち無許可営業に使われると知っていたかが争点となる事案では、経営判断の実態、契約書の文言、金銭の名目などを丁寧に整理し、故意の不存在や酌むべき情状を検察官に示すことで、不起訴や処分の軽減を目指します。仮に有罪となった場合でも、量刑の段階から入管手続を見据えた立証を重ねておくことが、後の在留維持につながります。
4. 初動で押さえておきたい3つのこと
- 黙秘権を正しく理解すること。取調べに不用意に応じず、事業の全体像を弁護人と整理してから供述の方針を決めます。
- 早期に弁護人を選任すること。当番弁護士や私選弁護人により、勾留の阻止と接見の窓口を確保します。
- 経験ある通訳を確保すること。捜査機関の指定通訳による訳出のずれが、供述調書に不利な形で残る危険を避けます。
5. 当事務所のご案内と解決事例
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。事業者側の紛争にも実績があり、たとえば虚偽の株主総会決議による代表取締役解任事件について、東京地裁・東京高裁のいずれでも勝訴した事例、外資系企業の支配権紛争で依頼者側の勝訴を得た事例があります。企業内部の事情が背景にある刑事事件では、事業の実態を的確に立証してきた経験が生きます。
万一、刑事処分から退去強制の手続へ進んだ場合にも、当事務所は在留特別許可の獲得実績を有します。たとえば、日本人女性との間に子を授かりながら在留資格を失い、逮捕・起訴された方について、婚姻・認知の手続を成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析して、在留特別許可を獲得した事例があります。
当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。また、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を、刑事手続の全般でご利用いただけます。提携の行政書士により、刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更にも一貫して対応いたします。
本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
6. おわりに
白タクの名義貸しは、事業として続けてきた慣行が、ある日突然、刑事事件と在留資格の危機に転じる類型です。事業の実態を最もよく知るのは、ほかならぬご本人です。だからこそ、記憶が鮮明な初動の段階で、事業の全体像を弁護人と共有し、刑事と入管の双方を見据えた方針を立てることが、道を開きます。(本記事は2026年7月時点の情報に基づく一般的な解説です。)
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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