刑事未成年とは|14歳未満は罰せられない理由と触法少年の手続、少年法との関係
2026/09/10
刑事未成年とは、刑法41条により、その行為が罰せられない14歳に満たない者をいう。(刑法41条)
- 14歳に満たない者の行為は罰しない
- 年齢は行為の時を基準に判断する
- 14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年は触法少年と呼ばれる
- 触法少年は児童相談所が扱い、家庭裁判所の審判は送致を受けた場合に限られる
- 刑罰は科されないが、保護処分や児童福祉法上の措置の対象となる
刑事未成年はなぜ罰せられないのか
刑法41条は、「十四歳に満たない者の行為は、罰しない」と定める。年少者は心身が発達の途上にあり、刑罰によるよりも、教育や福祉的な措置によって立ち直りを図るのが適切だという考え方による。個々の子どもの判断能力を問わず、年齢で一律に線を引いている点に特徴がある。
年齢はいつの時点で判断するのか
行為の時点で判断する。行為の時に14歳未満であれば、その後の捜査や審判の途中で14歳に達しても、刑罰を科されることはない。
14歳未満の子どもが事件を起こすと、どうなるのか
刑罰法令に触れる行為をした14歳未満の少年は、「触法少年」として扱われる(少年法3条1項2号)。警察は調査を行い、その結果に応じて児童相談所に通告または送致する。
家庭裁判所が触法少年を審判に付すことができるのは、都道府県知事または児童相談所長から送致を受けたときに限られる(同条2項)。故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪などに当たる行為については、警察官は事件を児童相談所長に送致しなければならない(同法6条の6第1項)。
どのような処分や措置があるのか
児童相談所は、児童福祉法に基づき、指導や施設への入所などの措置をとる。家庭裁判所に送致された場合は、保護観察、児童自立支援施設または児童養護施設への送致、少年院送致のいずれかの保護処分がされることがある。ただし、決定の時に14歳に満たない少年を少年院に送致できるのは、特に必要と認める場合に限られる(少年法24条1項ただし書)。
14歳以上の少年とは何が違うのか
14歳以上20歳未満の少年は、犯罪少年として、逮捕や勾留の対象となりうる。事件は原則としてすべて家庭裁判所に送られ(少年法42条)、家庭裁判所が刑事処分を相当と認めれば検察官に送致されて(逆送)、刑事裁判を受けることがある(同法20条)。
| 項目 | 14歳未満(触法少年) | 14歳以上20歳未満(犯罪少年) |
|---|---|---|
| 刑罰 | 科されない(刑法41条) | 逆送されれば科されうる |
| 逮捕 | されない | されうる(勾留はやむを得ない場合に限る) |
| 手続の入口 | 警察の調査、児童相談所 | 捜査、家庭裁判所への送致 |
| 家庭裁判所の審判 | 児童相談所長等からの送致が必要 | 原則として全件送致 |
刑事未成年でも民事上の責任はあるのか
刑事上の責任とは別に、民事上の損害賠償の問題が生じうる。未成年者に責任能力がない場合には、監督義務者である親が損害賠償責任を負うことがある(民法714条)。被害者への対応は、刑事の手続とは別に検討する必要がある。
よくある質問
13歳の子どもが重大な事件を起こした場合、刑事裁判になりますか。
なりません。行為の時に14歳未満であれば、刑法41条により罰せられません。児童相談所の措置や、家庭裁判所の保護処分の対象となります。
14歳未満でも少年院に入ることはありますか。
あります。家庭裁判所が特に必要と認める場合に限り、少年院送致の保護処分をすることができます(少年法24条1項ただし書)。
子どもが警察から話を聴かれることになりました。弁護士に相談できますか。
できます。触法少年の調査の段階から、弁護士が付き添い、助言することができます。
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最終更新日:2026年9月10日/執筆 弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077)
舟渡国際法律事務所 https://matsumura-lawoffice.jp/ 微信ID:matsumura1119