舟渡国際法律事務所

配偶者が日本人の配偶者等・永住者の配偶者等のときの在留特別許可|別表第二の評価と公表事例

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配偶者が日本人の配偶者等・永住者の配偶者等のときの在留特別許可|別表第二の評価と公表事例

配偶者が日本人の配偶者等・永住者の配偶者等のときの在留特別許可|別表第二の評価と公表事例

2026/10/11

配偶者が日本人の配偶者等・永住者の配偶者等で在留している場合、どちらも入管法別表第二の在留資格なので、婚姻は在留特別許可に係るガイドラインの「特に考慮する積極要素」に当たり得ます。ただ、配偶者が別表第二であっても、刑事事件の内容や婚姻の実質によっては不許可となった公表事例があり、配偶者の在留資格が何を基礎にしているかも確かめておく必要があります。

本記事の要点

  • 日本人の配偶者等・永住者の配偶者等は別表第二の在留資格で、この配偶者との婚姻はガイドライン第2の2(2)ウの対象です。
  • 令和5年分の公表事例では、配偶者が永住者の配偶者等で、本人が覚醒剤取締法違反で執行猶予付き判決を受けた事案が許可されています。
  • 令和6年分(6月9日まで)の公表事例では、配偶者が永住者の配偶者等でも、不法就労助長で罰金を受けた本人が不許可とされています。
  • 配偶者の在留資格は婚姻や親子関係を基礎とするため、判決確定までに配偶者の永住許可や帰化を進めておくと、家族の土台が安定します。

日本人の配偶者等・永住者の配偶者等は、ガイドラインでどう扱われますか。

どちらも入管法別表第二の在留資格です。そのため、この配偶者と法的に婚姻し、婚姻が安定かつ成熟していれば、ガイドライン第2の2(2)ウの「特に考慮する積極要素」に当たり得ます。

「当該外国人が、入管法別表第二に掲げる在留資格で在留している者と法的に婚姻している場合(退去強制を免れるために、婚姻を偽装し、又は形式的な婚姻届を提出した場合を除く。)であって、夫婦として相当期間共同生活をし、相互に協力して扶助しており、かつ、夫婦の間に子がいるなど婚姻が安定かつ成熟していること」(ガイドライン第2の2(2)ウ)

別表第二は、永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者の四つです。配偶者が技術・人文知識・国際業務などの別表第一である場合とは、評価の出発点が違います。

配偶者がこの在留資格を持っているのは、どのような場合ですか。

日本人の配偶者等は、日本人の配偶者のほか、日本人の子として生まれた人などに与えられる在留資格です。永住者の配偶者等は、永住者等の配偶者のほか、永住者等の子として日本で生まれ引き続き在留している人に与えられます。

外国人である本人と結婚している配偶者がこれらの資格を持つのは、たとえば配偶者が日系人などとして日本人の子に当たる場合や、日本で生まれた永住者等の子である場合です。また、本人自身が永住者で、配偶者がその配偶者として永住者の配偶者等を持っている場合もあります。後者の場合、配偶者の在留資格は本人の地位に支えられているため、本人の退去強制の問題が配偶者の在留にも影響しかねません。まず配偶者の在留資格の基礎を正確に確認することが出発点です。詳しくは永住者の配偶者等とは、日本人の配偶者等とはをご覧ください。

公表事例では、どのような結果になっていますか。

配偶者が永住者の配偶者等である公表事例には、執行猶予付き判決を受けながら許可された例と、罰金にとどまりながら不許可となった例の両方があります。

公表事例(配偶者が正規在留外国人の場合)本人・配偶者の在留資格本人の刑事処分婚姻・子結論
令和5年分・許可第5事例本人:永住者、配偶者:永住者の配偶者等覚醒剤取締法違反 懲役1年6月・執行猶予3年約11年11月・子3人(未成年者)許可(定住者(1年))
令和6年分(6月9日まで)・不許可第2事例配偶者:永住者の配偶者等入管法違反(不法就労助長) 罰金30万円の略式命令約2年5月・子なし不許可
(対照)令和6年分(6月9日まで)・許可第2事例配偶者:永住者入管法違反(不法就労助長) 罰金20万円の略式命令約29年9月・子2人(成年)許可(永住者の配偶者等(1年))

(刑名は当時の表記で、現行法の拘禁刑に相当します。)令和5年分の許可事例は、薬物事件で入管法24条4号チに当たる事案でも、在日約28年11月、長い婚姻と未成年の子3人という事情のもとで許可されたものです。なお、当事務所が確認した刑事処分のある公表事例には、配偶者の在留資格が日本人の配偶者等と記載された事例は見当たりませんでした。

配偶者が別表第二なのに、なぜ不許可になった例があるのですか。

公表事例に理由までは書かれていませんが、不法就労助長はガイドラインが「特に考慮する消極要素」に挙げる行為です。

「他の外国人の不法就労や、在留資格の偽装に関わる行為等を行ったことがあること」(ガイドライン第2の3(1)イ)

同じ不法就労助長で罰金でも、配偶者が永住者で婚姻約29年9月、成年の子2人という事案は許可され、配偶者が永住者の配偶者等で婚姻約2年5月、子なしという事案は不許可でした。配偶者の在留資格だけでなく、婚姻の長さと家族の実質が結論を左右していることがうかがえます。ガイドライン第3も、特に考慮する積極要素があるからといって「必ず在留特別許可がされるというものではなく」と述べています。消極要素の全体像は特に考慮する消極要素とはで整理しています。

本人の刑事事件では、何に注意すべきですか。

どの退去強制事由に当たるかを最初に見極めることです。本人が別表第一の在留資格なら、一定の罪で拘禁刑に処せられると執行猶予付きでも入管法24条4号の2に当たり、罰金にとどまれば同号には当たりません。薬物事件は罰金や執行猶予でも24条4号チに当たります。

1年を超える実刑になると24条4号リに当たり、在留特別許可には50条1項ただし書の「特別の事情」が必要になります。これらの「処せられた」「有罪の判決を受けた」は判決の確定を指すものとして運用されているため、確定までの時間をどう使うかが重要です。控訴・上告は被告人の正当な権利で、被告人だけが控訴した事件では原判決より重い刑は言い渡せません(刑事訴訟法402条)。

配偶者を永住者に引き上げる意味はありますか。

あります。日本人の配偶者等・永住者の配偶者等は婚姻や親子関係を基礎とする在留資格ですが、永住者になれば配偶者自身の地位として安定します。そして、配偶者が日本人や永住者の子である場合には、永住許可の要件が緩和されています。

「ただし、その者が日本人、永住許可を受けている者又は特別永住者の配偶者又は子である場合にあつては次の各号のいずれにも適合することを要せず」(入管法22条2項ただし書)

ここでいう各号は、素行が善良であることと独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有することです。また、永住許可に関するガイドラインは、日本人・永住者・特別永住者の配偶者について、婚姻生活3年以上と引き続き1年以上の在留という特例を置いています。帰化についても、日本国民の子で日本に住所を有する人には要件の緩和があります(国籍法8条1号)。審査の運用は個別に確認しながら進める必要があります。

判決確定までの時間を、どう使えばよいですか。

配偶者の永住許可や帰化の申請、婚姻の実質の記録づくり、本人の在留期間の更新を並行して進めます。審査期間は長期化する傾向にあるため、逮捕の段階から準備を始めるのが理想です。

配偶者の申請は配偶者本人の要件で審査されますが、家族の状況も含めて確認されることがあるため、弁護士と相談しながら進めてください。当事務所には、刑事事件で有罪判決を受けた方について、判決確定までの期間に家族の状況を整え、在留特別許可を得た実績があります。全体の考え方は在留特別許可と配偶者の在留資格にまとめています。

よくある質問

Q1. 配偶者が永住者の配偶者等なら、永住者と同じように評価されますか。

ガイドライン上は、どちらも別表第二の在留資格者との婚姻として第2の2(2)ウの対象になります。ただし公表事例では、婚姻の長さや子の有無、行為の内容によって結論が分かれており、配偶者の在留資格だけで決まるわけではありません。

Q2. 罰金で済んだのに不許可になることはありますか。

あります。令和6年分(6月9日まで)・配偶者が正規在留外国人の場合・不許可第2事例は、配偶者が永住者の配偶者等で、不法就労助長により罰金30万円の略式命令を受けた事案でしたが、不許可とされています。不法就労助長はガイドラインの特に考慮する消極要素です。

Q3. 本人が永住者で、配偶者が永住者の配偶者等の場合はどうなりますか。

本人が退去強制の対象になると、本人の地位に支えられた配偶者の在留にも影響が及ぶおそれがあります。令和5年分には、このような構成で執行猶予付き判決を受けた本人が定住者として許可された事例がありますが、早い段階で家族全体の見通しを立てることが大切です。

Q4. 配偶者が日系人で日本人の配偶者等の場合、帰化はしやすいですか。

配偶者の親が日本国民であれば、国籍法8条1号により住所期間などの要件が緩和される場合があります。運用の変更が個々の類型にどう及ぶかは、法務局で確認しながら進めてください。

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本記事は一般的な解説であり、個別の事案の結論を保証するものではありません。具体的な見通しは、事情を伺ったうえでご説明します。

最終更新日:2026年10月11日

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
外国人の刑事弁護、入管手続(退去強制・在留特別許可・監理措置)、行政訴訟を主たる注力分野とする。中国律師が在籍。
弁護方針:松村大介弁護士の弁護方針|法律に命を吹き込む
代表電話:050-7587-4639 微信ID:matsumura1119

舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

中文版(简体):配偶持日本人配偶者等、永住者配偶者等签证时的在留特别许可|附表第二的评价与公布案例

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