【窃盗・上野警察署】路上で拾った物をめぐる窃盗事件で早期示談、検察庁に送致されず終結|在留資格に影響のない解決
2026/09/17
相談前
依頼者は日本に在留する外国籍の方です。路上に落ちていた他人の金品を拾い、出来心から、そのまま持ち帰ってしまいました。依頼者はすぐに自らの行為を悔い、自分から警察に申し出ました。
しかし、その後、被害者の方から被害届が提出され、上野警察署(東京都台東区)は依頼者を窃盗事件の被疑者として捜査の対象としておりました。
外国籍の方にとって、刑事事件の結論は、日本での生活そのものに関わります。起訴されて有罪判決を受ければ前科となり、在留資格の更新・変更の審査で不利に扱われるおそれがございます。依頼者は、今後も日本で生活を続けられるのかという強い不安を抱え、ご相談にいらっしゃいました。
相談後
受任後、直ちに被害者の方との示談交渉に着手いたしました。本件で最も重要なのは時間でございます。事件が検察庁に送致され、処分の検討が進んでからでは、示談の効果を処分に反映させる余地が狭まります。そこで、警察が捜査を進めている段階のうちに示談をまとめることを目標といたしました。
被害者の方には、依頼者が自ら警察に申し出ていた経緯と、深い反省の気持ちを誠実にお伝えし、被害の回復を図りました。その結果、早期に示談が成立いたしました。
示談成立後、その内容を速やかに捜査機関に伝えました。最終的に、本件は検察庁に送致されることなく終結(不送致)いたしました。
本件の被害額は、軽微な事件を警察限りで終える「微罪処分」の対象として通常想定される範囲を超えるものでございました。その意味で、送致されずに終結したことは異例の結果でございます。依頼者は起訴されることも、前科がつくこともなく、在留資格に影響のない、依頼者にとって最も有利な形で事件を終えることができました。
松村 大介 弁護士からのコメント
刑事訴訟法246条は、警察が捜査した事件を原則としてすべて検察官に送致するよう定めております。例外は、同条ただし書に基づき、検察官があらかじめ指定した軽微な事件を警察限りで終える「微罪処分」でございます。その基準は公表されておりませんが、被害額が僅少であることなどが考慮されるとされております。本件は、被害額の点でその典型にはあてはまらない事案でございました。
それでも送致されずに終わった理由は、示談の時期にございます。落とし物を拾って持ち帰ってしまった事件では、本人に強い犯罪性向があるとは限りません。本件の依頼者も、自ら警察に申し出ておりました。こうした事情に加えて、捜査の早い段階で被害が回復され、被害者の方が処罰を求めない意思を示されたことが、結論を大きく動かしたものと考えております。
外国籍の方の刑事事件では、「罰金で済むなら軽い」とは言えません。罰金であっても前科であり、在留資格の審査で素行の問題として考慮され得るからでございます。刑事事件の結論を考えるときは、常にその先にある在留資格への影響までを見通しておく必要がございます。当事務所は、刑事弁護と入管手続とを一体のものとして扱っております。
落とし物を持ち帰ってしまった、警察から連絡が来た、というときは、事件が検察庁に送られる前にご相談いただくことが何より大切です。中国語でのご相談にも対応しております(微信(WeChat)ID:matsumura1119)。
※依頼者・被害者のプライバシー保護のため、事件の内容は一部抽象化しております。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
よくあるご質問
Q.路上で拾った物を持ち帰ると、何の罪になりますか。
A.持ち主の支配がなお及んでいる物であれば窃盗罪(刑法235条)、持ち主の支配を離れた物であれば遺失物等横領罪(刑法254条)が問題になります。どちらに当たるかは、落とされた場所や経過時間などの具体的な事情によって判断されます。
Q.示談が成立すれば、検察庁に送致されないことはありますか。
A.警察が捜査した事件は原則として検察庁に送致されます(刑事訴訟法246条)。ただし、本件のように、早期の示談を含む事情によって送致されずに終わった例もございます。結論は事案ごとに異なりますので、早めにご相談ください。
Q.外国籍の者が窃盗事件を起こすと、在留資格に影響しますか。
A.起訴されて有罪判決を受けると、罰金であっても前科となり、在留資格の更新・変更の審査で不利に考慮されるおそれがございます。拘禁刑の実刑判決を受けた場合には、刑期によっては退去強制の対象となります。起訴される前の段階で示談などの弁護活動を尽くすことが重要です。
執筆者情報
松村 大介(まつむら だいすけ)
弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)
舟渡国際法律事務所
外国籍の方の刑事弁護・入管事件(退去強制・在留特別許可・監理措置)に注力。中国語でのご相談に対応しております。
電話:050-7587-4639 / 微信(WeChat)ID:matsumura1119
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