「警察に呼ばれても行かなければいい」は危険な誤解です|任意の出頭要請と逮捕リスク
2026/07/23
「任意なら断ってよいと聞いた」「言葉も不安だし、怖いから行かない」。警察から電話や書面で出頭を求められた外国人の方が、連絡を無視し続けた結果、ある朝突然逮捕されてしまう。そのようなご相談は後を絶ちません。この記事では、任意の出頭要請の法的な意味と、正しい対応の仕方を解説いたします。
1 「任意」の正確な意味
逮捕されていない段階での出頭要請や取調べは、任意捜査であり、法律上、出頭を強制されるものではありません(刑事訴訟法198条1項参照)。その意味で「断る自由」があることは事実です。しかし、任意であることと、無視してよいこととは全く別です。正当な理由なく出頭に応じない態度は、捜査機関の目には「逃亡のおそれ」「罪証隠滅のおそれ」の徴表と映り、逮捕状請求を後押しする事情として扱われかねません。
2 在宅のまま終えられるかどうかの分岐点
同じ事件でも、在宅のまま捜査が進んで不起訴や軽い処分で終わる場合と、逮捕・勾留により最大23日間の身柄拘束を受ける場合とでは、ご本人と家族の負担がまるで違います。外国人の方は、住居や職業が安定していても「海外に出国するおそれ」を理由に身柄事件化されやすい傾向があり、出頭要請への対応はその分岐点として極めて重要です。呼び出しを放置することは、自ら身柄事件への道を開くことになりかねません。
3 正しい対応:無視でも丸腰の出頭でもなく
適切な対応は、出頭要請を無視することでも、準備のないまま一人で出頭することでもありません。まず弁護士に相談し、嫌疑の内容の見立て、供述してよい範囲、黙秘すべき事項を整理した上で、日程を調整して出頭することです。取調べには弁護人選任権と黙秘権があり、事前の打合せによって、不利益な調書の作成を防ぐことができます。言葉に不安がある方は、弁護側で信頼できる通訳を確保した上で臨むべきです。当事務所では、不当な取調べへの抗議と徹底した対応により、複数回の再逮捕を経ても全件不起訴を獲得した事例がございます。
4 不起訴処分を見据えた早期対応
任意段階は、実は弁護活動にとって最も価値のある時間です。起訴前に弁護士が関与し、供述の整理、示談、資料の提出を進めることで、不起訴処分の獲得という最優先目標に向けた活動を最も効果的に行えます。外国人事件では、有罪となること自体が在留に響くため、この段階の対応の巧拙が将来を分けます。当事務所は、警察の処分を正面から争ったストーカー規制法警告処分取消等請求控訴事件で警察側の主張を全面的に排斥する判決を獲得するなど、捜査機関との対峙にも実績がございます。
5 押さえておきたい3つのポイント
第1に、連絡を無視しないことです。対応の仕方は弁護士と決めれば足ります。まず現状を把握しましょう。第2に、出頭前に弁護士へ相談することです。一度作成された調書を後から覆すことは容易ではありません。第3に、通訳の確保です。捜査機関側の通訳だけに頼らず、弁護側の通訳で内容を確認できる体制を整えます。
6 当事務所のご案内
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護に注力し、任意段階からの取調べ対応・出頭同行に対応しています。特殊詐欺の出し子とされた20代女性について犯意の不存在を総合的に主張して不起訴処分を獲得した事例をはじめ、起訴前弁護の実績が豊富にあります。松村大介弁護士が初動から結論まで全工程を直接担当し(事務員・若手弁護士による代行は行いません)、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しています。また、不法就労助長罪の認定事件で前例のない在留特別許可を獲得するなど入管手続にも実績があり、在留資格に関わるご相談は提携の行政書士と連携して対応いたします。
7 むすびに
警察からの連絡は、怖いから見なかったことにするのではなく、専門家と一緒に正面から対応することで、はじめて危険を小さくできます。呼び出しの電話や書面を受け取った段階が、相談の最適なタイミングです(2026年7月時点の情報です)。
本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639
東京にて中国人の方をサポート
東京を中心に刑事事件の弁護
----------------------------------------------------------------------