「弁護士は裁判が始まってから」は危険な誤解です|外国人刑事事件は起訴前の弁護活動で決まる
2026/07/22
「まだ裁判になったわけではないから、弁護士は必要ない」。「起訴されたら、そのときに良い弁護士を探せばよい」。中国の刑事手続のイメージをお持ちの方や、日本の制度に馴染みのない方から、しばしばこのようなお考えを伺います。しかし、日本の刑事手続、とりわけ外国人事件においては、この理解は結果を大きく損なう危険な誤解です。本記事では、なぜ「起訴前」が勝負なのかを解説いたします。
日本の刑事裁判の現実
日本の刑事裁判では、起訴された事件の有罪率は極めて高く、99%を超えると紹介されることが一般的です。この数字は、裁判所が形だけの審理をしているという意味ではなく、検察官が有罪の確信を持てる事件だけを厳選して起訴しているという、日本の制度運用の反映です。しかし被疑者の側から見れば、意味は明確です。起訴されてから争うのは、著しく不利な戦いになるということです。逆に言えば、検察官が起訴・不起訴を判断する前の段階でこそ、弁護活動が結果を動かす余地が最も大きいのです。
外国人事件では起訴・不起訴が在留の分水嶺
外国人の方の場合、この構造はさらに重い意味を持ちます。罪名によっては、執行猶予付きの有罪判決であっても退去強制事由(入管法24条4号チ・リ等)に該当し、又は在留期間更新の重大な障害となります。つまり、「裁判で執行猶予を取れば大丈夫」という発想自体が、入管法の構造を踏まえない危険な見立てなのです。当事務所は、外国人刑事事件の弁護活動を起訴前段階での不起訴処分獲得を最優先目標として組み立てるべきであると考えています。入管法の運用に精通しない弁護活動は、刑事の結果は悪くなくとも、在留を失わせる結果につながりかねません。
起訴前弁護で実際に行うこと
- 検察官との面談・意見書の提出。不起訴相当の事情(犯情、経緯、示談、再犯防止策)を証拠とともに組み立てて主張します。
- 被害者のある事件では、示談交渉。被害者の連絡先は弁護人でなければ取得できないのが通常です。
- 身柄解放活動。勾留決定への準抗告や勾留取消請求により、早期釈放と生活基盤(職・学籍)の維持を図ります。
- 取調べ対応の助言。供述調書は一度作成されると訂正が困難であり、日々の接見での助言が防御の土台になります。
「起訴されてから」では遅い理由
起訴後にできる弁護活動ももちろんありますが、不起訴という選択肢はもう存在しません。公判で無罪を勝ち取ることは可能ではあるものの、統計が示すとおり容易な道ではなく、争っている間も在留への不安定な状態が続きます。同じ努力を注ぐなら、選択肢が最も多い起訴前に注ぐことが合理的です。
当事務所のご案内
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護に豊富な実績を有しています。特殊詐欺の出し子とされた20代女性の不起訴処分、複数回再逮捕された受け子事案での全件不起訴処分など、起訴前弁護の成果を積み重ねてきました。他方で、起訴後の困難な戦いにおいても、覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で無罪判決を獲得した事例があり、起訴前・起訴後の双方の局面を知るからこそ、起訴前の重要性を確信しています。不法就労助長罪の認定事件で前例のない在留特別許可を獲得した実績もございます。
松村弁護士が接見初動から全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しています。刑事手続終了後の在留資格手続は、提携の行政書士と連携いたします。
結語
弁護士に相談する最適の時期は、「裁判が始まってから」ではなく「今」です。逮捕直後はもちろん、任意の取調べや捜索を受けた段階でも、打てる手は多くあります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。(本記事は2026年7月時点の情報に基づいています。)
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639
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