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在留特別許可と配偶者のよくある質問30|申請時期・刑事事件・永住と帰化を弁護士が解説

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在留特別許可と配偶者のよくある質問30|申請時期・刑事事件・永住と帰化を弁護士が解説

在留特別許可と配偶者のよくある質問30|申請時期・刑事事件・永住と帰化を弁護士が解説

2026/10/11

在留特別許可と配偶者の在留資格をめぐる疑問の多くは、申請できる時期、配偶者の在留資格、判決確定までの時間の3点に集約され、刑事事件の早い段階から配偶者の永住許可や帰化を見据えて動くことが最も大切です。

ご家族が逮捕されたときに寄せられる質問を30問にまとめ、入管法、在留特別許可に係るガイドライン、入管庁の公表事例に沿ってお答えします。

本記事の要点

  • 在留特別許可の申請は、収容されたか監理措置決定を受けた後に限られ、退去強制令書の発付後はできません(入管法50条2項・3項)。
  • 婚姻が特に考慮する積極要素になるのは、配偶者が日本人・特別永住者か、永住者・定住者など別表第二の在留資格者である場合です。
  • 刑事判決を理由とする退去強制事由は判決の確定で生じるため、捜査・公判での対応と上訴によって時間が生まれることがあります。
  • その時間で配偶者の永住許可又は帰化を進めることが、許可への現実的な道筋です。

在留特別許可の手続について、まず何を知っておくべきですか。

申請できる時期が法律で限られていることです。期限を逃すと、申請の機会そのものを失います。

Q1. 在留特別許可とは何ですか。

退去強制の対象に当たる外国人について、法務大臣が特別に日本での在留を認める処分です(入管法50条1項)。令和5年改正法(令和6年6月10日施行)で、本人が申請する手続が設けられました。

Q2. いつ申請できますか。

収容令書により収容されたか、監理措置決定を受けた後です(入管法50条2項)。刑事事件で逮捕されただけの段階では、まだ申請できません。

Q3. 申請に期限はありますか。

あります。入国審査官の認定に服した場合、その日から3日以内に申請しなければ退去強制令書が発付されます(入管法47条5項2号)。

Q4. 退去強制令書が出た後でも申請できますか。

できません(入管法50条3項)。その後は、退去強制令書の取消訴訟や執行停止の申立てなど、別の手段を検討することになります。

Q5. 許否の判断では何が考慮されますか。

在留を希望する理由、家族関係、素行、入国の経緯、在留期間、その間の法的地位、退去強制の理由となった事実、人道上の配慮の必要性などです(入管法50条5項)。

配偶者の在留資格は、なぜ結論を左右するのですか。

ガイドラインが婚姻を「特に考慮する積極要素」とするのは、配偶者が日本人・特別永住者か、別表第二の在留資格で在留している場合に限られるからです。

Q6. 配偶者が日本人の場合、どう評価されますか。

夫婦として相当期間共同生活をし、相互に協力して扶助しており、婚姻が安定かつ成熟していれば、特に考慮する積極要素になります(ガイドライン第2の2(1)ウ)。婚姻届だけでは足りません。

Q7. 配偶者が永住者や定住者の場合はどうですか。

日本人の場合と同じ内容の積極要素があります(第2の2(2)ウ)。別表第二の在留資格は、永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者です。

Q8. 配偶者が「技術・人文知識・国際業務」の場合はどうですか。

婚姻は特に考慮する積極要素に挙げられていません。当事務所が原典で精査した平成26年分から令和7年分までの公表事例では、配偶者が別表第一の在留資格で本人に刑事処分(執行猶予を含みます)がある8件はすべて不許可でした。刑事処分のない許可例は3件あります。

Q9. 内縁の配偶者でも評価されますか。

ガイドラインは「法的に婚姻している場合」と定めています。公表事例上、内縁のみで夫婦間に子のない事案の許可例は見当たらず、婚姻届を出して法律上の婚姻を成立させることが基本です。

Q10. 逮捕された後に結婚しても評価されますか。

厳しいと考えてください。逮捕後や収容中に婚姻が成立したと付記された公表事例は、ほぼ例外なく不許可です。

配偶者の在留上の地位ガイドライン上の婚姻の位置づけ
日本人・特別永住者特に考慮する積極要素(第2の2(1)ウ)
永住者・定住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等特に考慮する積極要素(第2の2(2)ウ)
技術・人文知識・国際業務、経営・管理、留学、家族滞在など(別表第一)特に考慮する積極要素には挙げられていない

考え方の全体像は在留特別許可と配偶者の在留資格で整理しています。

刑事事件は、どのような場合に退去強制事由になりますか。

本人の在留資格、罪名、刑の種類によって異なります。いずれも判決の確定によって生じるものとして運用されています。

Q11. 執行猶予が付けば、退去強制にはならないのではありませんか。

別表第一の在留資格の人は、窃盗・詐欺・傷害など一定の罪で拘禁刑に処せられれば、執行猶予付きでも退去強制事由に当たります(入管法24条4号の2)。

Q12. 罰金で済めば大丈夫ですか。

24条4号の2には当たりません。ただし薬物関係の法令違反は罰金でも当たります(同条4号チ)。罰金でも、素行の消極要素として考慮される点は変わりません。

Q13. 1年を超える実刑の場合はどうなりますか。

在留資格を問わず退去強制事由に当たり(同条4号リ)、在留特別許可は「特別の事情」がなければ認められません(入管法50条1項ただし書)。令和7年分(2025年)には、窃盗による懲役1年2月から1年6月の実刑判決(懲役は当時の刑名で、現行法の拘禁刑に相当します)で、ただし書により許可された事例が3件あります。

Q14. 退去強制事由はいつ生じますか。

条文の「処せられた」「有罪の判決を受けた」は、判決の確定を指すものとして運用されています。控訴や上告をしている間は、まだ確定していません。

Q15. オーバーステイの場合も、判決を待つのですか。

いいえ。不法残留はその事実自体が退去強制事由です。刑事事件の最中に在留期間が切れると不法残留になるため、更新手続を切らさないことが大切です。

刑事手続の中で、在留のためにできることは何ですか。

退去強制事由を生じさせないための弁護と、判決確定までの時間の確保です。どちらも刑事事件の初動で大きく左右されます。

Q16. 不起訴や罰金を目指すことに、どんな意味がありますか。

別表第一の在留資格の人は、拘禁刑に処せられなければ24条4号の2に当たりません。捜査段階の示談などは、在留を守る最も効果の大きい機会です。

Q17. 控訴すると、かえって刑が重くなりませんか。

被告人だけが控訴した事件では、原判決より重い刑を言い渡すことはできません(刑事訴訟法402条)。上訴は被告人の正当な権利です。

Q18. 控訴や上告は、いつまでにする必要がありますか。

控訴の提起期間は14日です(刑事訴訟法373条)。上告にもこの規定が準用されます(同法414条)。

Q19. 判決確定までに、どのくらいの時間がありますか。

事案によりますが、捜査・公判で適切に対応し、上訴も活用すれば、確定までに数年かかることがあります。その結果、配偶者の申請を進める時間が生まれます。

Q20. 刑事事件の段階で、残しておくべき資料はありますか。

示談書や被害弁償の記録、配偶者の情状証言の内容、量刑理由の書かれた判決書の謄本です。いずれも入管手続で事件の反社会性の程度や家族関係を示す資料になります。

逮捕から判断までの流れは逮捕から在留特別許可の判断までのタイムラインをご覧ください。

配偶者の永住許可や帰化は、どう進めればよいですか。

判決確定までの間に、配偶者を永住者又は日本人にしておくことが現実的な道筋です。最低限、永住許可までは進めておきたいところです。

Q21. 永住許可の要件は何ですか。

素行が善良であること、独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること、永住が日本国の利益に合することです(入管法22条2項)。ガイドラインでは原則10年の在留が目安で、うち5年以上は就労資格(技能実習・特定技能1号を除く)又は居住資格であることが求められます。

Q22. 帰化の要件は変わりましたか。

国籍法5条1項1号の「引き続き五年以上」は変わっていませんが、2026年4月1日から運用上、原則として10年以上の在留が必要とされました(令和8年3月27日の法務大臣会見)。

Q23. 簡易帰化は使えませんか。

国籍法7条の簡易帰化は「日本国民の配偶者たる外国人」のための制度です。外国人同士の夫婦の一方を日本人にする手段にはなりません。

Q24. 夫(妻)の刑事事件は、配偶者の永住審査に影響しますか。

永住許可は申請者本人の要件で審査されますが、家族の状況も含めて確認されることがあります。申請の時期や説明の仕方は、弁護士と相談しながら進めてください。

Q25. 配偶者は永住と帰化、どちらを目指すべきですか。

どちらでも構いません。いずれもガイドラインの特に考慮する積極要素に当たります。配偶者の在留歴と要件の充足状況を見て、早く到達できる方を選びます。審査には時間がかかる傾向にあるため、早く始めることが大切です。

急ぐべき理由は配偶者の永住申請を急ぐべき理由で詳しく説明しています。

家族の事情は、どのように評価されますか。

子の利益や婚姻の実態は積極的に評価されますが、事実と客観的な資料で示す必要があります。

Q26. 子どもがいると有利になりますか。

家族とともに生活をするという子の利益は積極要素です(ガイドライン第2の2)。日本の小中学校などで相当期間教育を受けた実子を監護養育している場合の類型もあります(第2の2(3))。ただし、配偶者が別表第一の事案では、子の存在だけで結論は動いていません。

Q27. 配偶者と別居していると不利ですか。

不利に働きます。令和6年分(6月10日以降)には、婚姻約34年2月、罰金20万円の略式命令の事案で「配偶者とは別居。」と付記され、不許可とされた事例があります。

Q28. 配偶者の陳述書には何を書けばよいですか。

同居の経緯、家計、子の監護、今後の監督の方法を、事実で具体的に書きます。虚偽の申告は消極要素になるため(第2の9)、誇張は避けてください。

不許可が予想されるときも、打てる手はありますか。

あります。刑事事件の段階からでも、入管の手続に入った後でも、状況に応じた手段が残されています。

Q29. 在留特別許可をしない処分を受けたら、どうなりますか。

理由を付した書面で通知されます(入管法50条10項)。その後は退去強制令書の取消訴訟や執行停止の申立てを検討します。退去強制令書の発付後の事情変更は原則として考慮されないため、それまでに事情を整えておくことが重要です。

Q30. 弁護士にはいつ相談すべきですか。

逮捕された直後、遅くとも起訴される前です。当事務所には、刑事事件で有罪判決を受けた方について、判決確定までの期間を使って家族の状況を整え、在留特別許可を得た実績があります。

個別のテーマはシリーズ総索引から探せます。

よくある質問

Q1. 在留特別許可は、いつ申請できますか。

収容令書により収容されたか、監理措置決定を受けた後です(入管法50条2項)。認定に服した場合は3日以内に申請しないと退去強制令書が発付され(47条5項2号)、発付後は申請できません(50条3項)。

Q2. 配偶者が「技術・人文知識・国際業務」だと、許可されないのですか。

婚姻はガイドラインの特に考慮する積極要素に挙げられていません。平成26年分から令和7年分の公表事例では、本人に刑事処分がある8件はすべて不許可でした。判決確定までに配偶者の永住許可や帰化を検討する価値は大きいといえます。

Q3. 執行猶予が付けば、退去強制にはならないのではありませんか。

別表第一の在留資格の人は、窃盗・詐欺・傷害など一定の罪で拘禁刑に処せられれば、執行猶予付きでも退去強制事由に当たります(入管法24条4号の2)。薬物事件は罰金でも当たります(同条4号チ)。

Q4. 控訴すると、かえって不利になりませんか。

被告人だけが控訴した事件では、原判決より重い刑を言い渡すことはできません(刑事訴訟法402条)。上訴は被告人の正当な権利であり、結果として判決確定までの時間も延びます。

Q5. 配偶者は永住と帰化、どちらを目指すべきですか。

どちらでも、ガイドラインの特に考慮する積極要素に当たります。帰化も運用上原則10年の在留が必要になったため、配偶者の在留歴に応じて早く到達できる方を選び、最低限永住許可までは進めておきたいところです。

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本記事は一般的な解説であり、個別の事案の結論を保証するものではありません。具体的な見通しは、事情を伺ったうえでご説明します。

最終更新日:2026年10月11日

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
外国人の刑事弁護、入管手続(退去強制・在留特別許可・監理措置)、行政訴訟を主たる注力分野とする。中国律師が在籍。
弁護方針:松村大介弁護士の弁護方針|法律に命を吹き込む
代表電話:050-7587-4639 微信ID:matsumura1119

舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

中文版(简体):在留特别许可与配偶常见问题30问|申请时机、刑事案件、永住与归化(律师解说)

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