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特に考慮する積極要素とは|在留特別許可ガイドラインの列挙と配偶者の在留資格

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特に考慮する積極要素とは|在留特別許可ガイドラインの列挙と配偶者の在留資格

特に考慮する積極要素とは|在留特別許可ガイドラインの列挙と配偶者の在留資格

2026/10/11

特に考慮する積極要素とは、在留特別許可に係るガイドラインが、在留特別許可の判断で有利に働く事情のうち、とくに重く考慮するものとして列挙した事情をいいます(ガイドライン第2の2・3・7、入管法50条5項関係)。その代表が日本人・特別永住者又は別表第二の在留資格者との婚姻で、配偶者の在留資格によってこの要素に当たるかどうかが決まります。

本記事の要点

  • 特に考慮する積極要素は、家族関係(第2の2)、素行(第2の3)、人道上の配慮の必要性(第2の7)の3か所に置かれています。
  • 婚姻が当たるのは、配偶者が日本人・特別永住者((1)ウ)か、永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者((2)ウ)の場合です。
  • 婚姻には、相当期間の共同生活、相互の扶助、婚姻の安定と成熟という実質が求められます。
  • この要素があっても許可が約束されるわけではなく、積極要素が消極要素を明らかに上回ることが必要です(第3)。
  • 配偶者が別表第一の在留資格なら、帰化や永住許可で配偶者の地位を引き上げることが、この要素に乗るための現実的な方法です。

特に考慮する積極要素は、ガイドラインのどこに定められていますか。

第2の2(家族関係)、第2の3(素行)、第2の7(人道上の配慮の必要性)の3か所です。家族関係に関するものが最も多く、配偶者・子との関係ごとに細かく分かれています。

項目内容(要旨)
第2の2(1)ア・イ日本人又は特別永住者との間に生まれた実子であること、その実子を扶養し監護養育していること
第2の2(1)ウ日本人又は特別永住者と法的に婚姻し、婚姻が安定かつ成熟していること
第2の2(2)ア・イ別表第二の在留資格者の扶養を受ける実子であること、別表第二の在留資格で在留する実子を扶養していること
第2の2(2)ウ別表第二の在留資格者と法的に婚姻し、婚姻が安定かつ成熟していること
第2の2(3)ア・イ日本の初等中等教育機関で相当期間教育を受けた実子と、地域社会に溶け込んだ親との関係
第2の3社会、経済、文化等の各分野で日本に貢献し、不可欠な役割を担っていること
第2の7(1)~(3)難病等の治療や親族の看護の必要、本国の情勢不安による帰国困難、無国籍で送還先がないこと

ガイドラインの全体の構成は在留特別許可に係るガイドラインとはで説明しています。

婚姻は、どのような場合に特に考慮する積極要素になりますか。

配偶者が日本人・特別永住者又は別表第二の在留資格者であり、法的な婚姻で、その実質が安定かつ成熟している場合です。

「当該外国人が、日本人又は特別永住者と法的に婚姻している場合(退去強制を免れるために、婚姻を偽装し、又は形式的な婚姻届を提出した場合を除く。)であって、夫婦として相当期間共同生活をし、相互に協力して扶助しており、かつ、夫婦の間に子がいるなど婚姻が安定かつ成熟していること」(ガイドライン第2の2(1)ウ)

(2)ウも、相手方が別表第二の在留資格者であることを除けば同じ文言です。内縁や婚約は法的な婚姻ではないため、この要素には当たりません。また、配偶者の在留資格だけで足りるわけではなく、同居、家計の共同、子の監護といった実体の立証が欠かせません。この点は婚姻が「安定かつ成熟」とはで取り上げています。

別表第二の在留資格とは、どの在留資格ですか。

永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者の四つです。特別永住者は入管特例法上の地位で別表第二には含まれませんが、日本人と並んで(1)に置かれています。

公表事例を見ると、配偶者が別表第二の在留資格である場合には、刑事処分があっても許可された例があります。令和6年分(6月10日以降)・配偶者が正規在留外国人の場合・許可第3事例では、道路交通法違反により懲役1年2月執行猶予3年(当時の刑名。現行法の拘禁刑に相当)の判決を受けた人が、配偶者と子が定住者であることから「定住者(1年)」で許可されました。令和7年分(2025年)・同類型・許可第1事例でも、入管法違反(不法残留)により懲役1年執行猶予3年の判決を受けた人が、配偶者が永住者で「永住者の配偶者等(1年)」を得ています。

配偶者が別表第一の在留資格のときは、どうなりますか。

配偶者が「技術・人文知識・国際業務」「経営・管理」「留学」など別表第一の在留資格である場合、その婚姻は特に考慮する積極要素に挙げられていません。公表事例でも、この違いは結論に表れています。

平成26年分から令和7年分までの公表事例のうち、配偶者が別表第一の在留資格で、本人に刑事処分(執行猶予を含みます)がある事例は8件あり、すべて不許可でした。たとえば令和7年分・配偶者が正規在留外国人の場合・不許可第1事例は、入管法違反(偽造在留カード行使)により懲役1年6月執行猶予3年の判決を受け、配偶者が「技術・人文知識・国際業務」、夫婦間の子は本国で祖父母と生活しているという事案でした。同じ類型で許可された3件は、いずれも刑事処分のない事案です。

子や地域社会、人道上の事情は、どう扱われますか。

子との関係、日本社会への貢献、人道上の配慮の必要性も、それぞれ特に考慮する積極要素になり得ます。配偶者の在留資格が別表第一の場合には、こうした要素を丁寧に拾うことが大切です。

第2の2(3)は、日本の初等中等教育機関で相当期間教育を受け、本国で教育を受けることが困難な事情等がある実子と、地域社会に溶け込んでいる親との関係を挙げています。第2の7は、次のような事情を挙げます。

「当該外国人が、難病等により本邦での治療を必要としていること、又はこのような治療を要する親族を看護することが必要と認められる者であること」(ガイドライン第2の7(1))

特に考慮する積極要素があれば、許可されるのですか。

許可されるとは限りません。ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討するとしたうえで、次のように述べています。

「特に考慮する積極要素が存在するからといって、必ず在留特別許可がされるというものではなく、逆に、特に考慮する消極要素が存在するからといって、一切在留特別許可がされないというものでもありません(注4)。」(ガイドライン第3)

実際、令和7年分・配偶者が正規在留外国人の場合・不許可第2事例は、配偶者が永住者でありながら、売春防止法違反及び入管法違反(不法就労助長)により懲役2年・罰金80万円の実刑判決を受け、退去強制歴もある事案で、不許可とされています。1年を超える実刑の場合は、50条1項ただし書により特別の事情も必要になります。

刑事事件の段階から、この要素に乗るために何ができますか。

判決確定までの時間を使って、配偶者の在留上の地位を引き上げることです。配偶者が帰化すれば(1)ウ、永住許可を受ければ(2)ウに当たる土台ができます。

永住許可は、永住許可に関するガイドライン上、原則として引き続き10年以上の在留(うち5年以上は就労資格又は居住資格。技能実習・特定技能1号は就労資格に含まれません)が目安です。帰化は国籍法5条1項1号が引き続き5年以上の住所を求めていますが、2026年4月1日から、運用上原則として10年以上の在留が必要とされています。なお、国籍法7条の簡易帰化は日本国民の配偶者のための規定で、外国人同士の夫婦の一方を日本人にする手段にはなりません。どちらを目指すかは配偶者は永住と帰化どちらを目指すべきかをご覧ください。

審査期間は長期化する傾向にあるため、逮捕直後から刑事弁護と並行して準備することが大切です。当事務所には、有罪判決を受けた方について、確定までに配偶者の地位を整え、在留特別許可を得た実績があります。考え方の全体は在留特別許可と配偶者の在留資格にまとめています。

よくある質問

Q1. 配偶者が定住者でも、特に考慮する積極要素に当たりますか。

当たり得ます。定住者は別表第二の在留資格なので、法的な婚姻で、相当期間の共同生活や相互の扶助があり、婚姻が安定かつ成熟していれば、ガイドライン第2の2(2)ウに当たります。

Q2. 結婚したばかりでも、特に考慮する積極要素になりますか。

文言上は相当期間の共同生活と婚姻の安定・成熟が求められるため、婚姻期間が短いと評価は弱くなりがちです。同居開始の時期や家計の共同など、実体を示す資料をそろえることが大切です。

Q3. 配偶者が永住許可を申請中の場合は、どう評価されますか。

ガイドラインは配偶者が別表第二の在留資格で在留していることを要素としているため、申請中の段階では(2)ウには当たりません。許可を受けるまでの時間を見込み、早めに申請することが大切です。

Q4. 特に考慮する積極要素が一つもない場合、在留特別許可は無理ですか。

ガイドラインの列挙は判断の目安で、考慮される事情はそれに限られません(第2の9)。ただ、刑事処分がある事案で見通しを立てるのは難しくなるため、配偶者の地位の引上げを含めて早めに検討してください。

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本記事は一般的な解説であり、個別の事案の結論を保証するものではありません。具体的な見通しは、事情を伺ったうえでご説明します。

最終更新日:2026年10月11日

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
外国人の刑事弁護、入管手続(退去強制・在留特別許可・監理措置)、行政訴訟を主たる注力分野とする。中国律師が在籍。
弁護方針:松村大介弁護士の弁護方針|法律に命を吹き込む
代表電話:050-7587-4639 微信ID:matsumura1119

舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

中文版(简体):特别考虑的积极因素是什么|在留特别许可指导方针的列举与配偶在留资格

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