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配偶者が定住者から永住者になるまで|在留特別許可を見すえた5年特例と準備の順序

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配偶者が定住者から永住者になるまで|在留特別許可を見すえた5年特例と準備の順序

配偶者が定住者から永住者になるまで|在留特別許可を見すえた5年特例と準備の順序

2026/10/11

配偶者が定住者であれば、夫(妻)の在留特別許可でその婚姻はすでにガイドラインの「特に考慮する積極要素」に当たるため、まず定住者の在留を途切れさせないことが最優先であり、永住許可は5年特例などの要件がそろったときに進める次の一手です。配偶者の地位を一から引き上げる必要はありません。

本記事の要点

  • 定住者は入管法別表第二の在留資格なので、定住者との婚姻はガイドライン第2の2(2)の「特に考慮する積極要素」に当たります。
  • 公表事例には、配偶者が定住者の事案で執行猶予判決や1年2月の実刑判決を受けた人が許可された例がある一方、出国命令歴や薬物の前科が重なって不許可となった例もあります。
  • 永住許可に関するガイドラインには、定住者の在留資格で5年以上在留していることなどを条件に、原則10年の在留要件を緩和する特例があります。
  • 配偶者本人の永住申請では、罰金刑や拘禁刑を受けていないこと、税金や社会保険料を期限内に納めていることなどが確認されます。

配偶者が定住者だと、在留特別許可ではどの位置にいますか。

定住者は入管法別表第二の在留資格ですから、その婚姻はガイドライン上「特に考慮する積極要素」の候補に入っています。あとは婚姻が安定かつ成熟していることを示せるかどうかです。

「当該外国人が、入管法別表第二に掲げる在留資格で在留している者と法的に婚姻している場合(退去強制を免れるために、婚姻を偽装し、又は形式的な婚姻届を提出した場合を除く。)であって、夫婦として相当期間共同生活をし、相互に協力して扶助しており、かつ、夫婦の間に子がいるなど婚姻が安定かつ成熟していること」(在留特別許可に係るガイドライン第2の2(2))
配偶者の在留上の地位ガイドライン上の位置づけ
日本人・特別永住者特に考慮する積極要素(第2の2(1))
永住者・定住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等(別表第二)特に考慮する積極要素(第2の2(2))
技術・人文知識・国際業務、経営・管理、留学など(別表第一)家族関係の特に考慮する積極要素には挙げられていない

ガイドライン上、定住者と永住者は同じ段にいます。全体像は在留特別許可は配偶者の在留資格で決まるをご覧ください。

配偶者が定住者の公表事例では、どのような結果が出ていますか。

刑事処分があっても許可された例がある一方、出国命令歴や薬物事件の前科が重なる事案は不許可です。

公表事例主な事情と刑事処分結論
令和6年分(6月10日以降)・配偶者が正規在留外国人の場合・許可第3事例出頭申告、婚姻約6年7月、未成年の子1人。道路交通法違反で懲役1年2月(当時の刑名。現行法の拘禁刑に相当)・執行猶予3年許可(定住者・1年)
令和7年分(2025年)・同・ただし書該当許可第1事例警察逮捕、在日約34年2月、婚姻約8年11月、未成年の子3人。窃盗で懲役1年2月の実刑許可(定住者・1年)
令和7年分・同・不許可第3事例出頭申告、婚姻約1年4月、子なし、刑事処分なし。出国命令歴あり不許可
令和6年分(6月10日以降)・同・不許可第4事例婚姻約9年9月。覚醒剤取締法違反で懲役1年6月の実刑、前科3件、在留特別許可歴あり不許可

(出典:出入国在留管理庁「在留特別許可された事例及び在留特別許可されなかった事例について」各年分)

個々の事例の読み方は配偶者が定住者のときの在留特別許可で詳しく扱っています。

すでに別表第二なのに、なぜ永住許可を考えるのですか。

定住者は在留期間の更新を重ねる在留資格であり、更新が途切れれば、夫(妻)の在留特別許可で積極要素とされる前提そのものが失われるからです。永住許可を受ければ、その不安から家族全体が解放されます。

公表事例では配偶者が定住者でも永住者でも許可例があり、在留特別許可だけを考えるなら永住は必須ではありません。

それでも永住を検討する理由は、事件の後の生活にあります。入管法22条2項ただし書は、永住者の配偶者や子について、永住許可の要件の一部を緩めています。

「ただし、その者が日本人、永住許可を受けている者又は特別永住者の配偶者又は子である場合にあつては次の各号のいずれにも適合することを要せず」(入管法22条2項ただし書)

配偶者が永住者になれば、子が将来永住を申請するときの条件も変わります。家族全体の今後を見て決めることです。

定住者の5年特例とは、どのような仕組みですか。

永住許可は原則として引き続き10年以上の在留が目安ですが、定住者の在留資格で5年以上在留している人については、この期間が緩和されます。定住者の配偶者にとっては、永住と帰化の中で最も早く到達できる道であることが多いといえます。

道筋在留期間の目安根拠
永住許可(原則)引き続き10年以上、うち就労資格又は居住資格で5年以上永住許可に関するガイドライン
永住許可(定住者の特例)定住者の在留資格で5年以上同ガイドライン
永住許可(日本人・永住者・特別永住者の配偶者の特例)実体を伴った婚姻生活3年以上、かつ引き続き1年以上在留同ガイドライン
帰化(普通帰化)法律上は引き続き5年以上の住所。2026年4月1日から運用上は原則10年以上の在留国籍法5条1項1号、法務大臣会見

定住者として5年を超えている配偶者であれば、帰化より永住の方が先に届く可能性が高いといえます。原則と特例の関係は永住許可の原則10年と特例とはで整理しています。

配偶者本人の永住申請では、何が見られますか。

審査されるのは配偶者本人の素行・生計・公的義務の履行です。定住者の配偶者は、日本人や永住者の配偶者ではないため、入管法22条2項ただし書による要件の緩和は受けられません。

永住許可に関するガイドラインは、「罰金刑や拘禁刑などを受けていないこと。」を挙げ、税金や社会保険料などの公的義務の履行についても「当初の納税(納付)期間内に履行されていない場合は、原則として消極的に評価されます。」としています。納付が遅れた月がないか、早めに記録を確認してください。

夫(妻)の刑事事件が配偶者の永住審査にどう響くかは、公表された基準からは読み取れません。本人の要件で審査されるのが基本ですが、家族の状況も確認されることがあるため、申請の時期や説明は弁護士と相談しながら決めてください。

夫(妻)の刑事事件と並行して、どの順序で進めればよいですか。

定住者の在留を守ることを最優先にし、そのうえで永住の要件を確認して申請を進め、同時に婚姻の実質を記録していく順序がよいと考えます。

  1. 配偶者の定住者の在留期限を確認し、更新を切らさない
  2. 在留年数、納税・年金・医療保険の納付状況を確認し、永住の要件を満たすかを見極める
  3. 要件を満たしていれば、早めに永住許可を申請する
  4. 同居、家計の共同、子の監護養育を示す資料を日頃から残す

刑事判決を理由とする退去強制事由は、判決の確定によって生じます。入管法24条4号の2や4号リの「処せられた」は、判決の確定を指すものとして運用されています。控訴の提起期間は14日で(刑事訴訟法373条)、上告にも準用され(同法414条)、被告人だけが控訴した事件では原判決より重い刑は言い渡せません(同法402条)。上訴は被告人の正当な権利であり、その結果として確定までの時間が延びることになります。

永住の審査が確定までに終わらなくても、配偶者が定住者である限り婚姻の評価は変わりません。慌てて不完全な申請をするより、定住者の在留を守る方が大切です。

弁護士に相談するのは、いつがよいですか。

夫(妻)が逮捕された直後、遅くとも起訴される前が望ましい時期です。刑事弁護の方針と、配偶者の在留の手当ては、同じ時間軸の上で組み立てる必要があります。

当事務所には、刑事事件で有罪判決を受けた方について、判決確定までの時間を使って家族の在留状況を整え、在留特別許可を得た実績があります。もっとも、結論は個別の事情によって異なり、許可をお約束できるものではありません。諦めずにご相談ください。

よくある質問

Q1. 配偶者が定住者のままでも、夫(妻)の在留特別許可は認められますか。

定住者は入管法別表第二の在留資格なので、その婚姻はガイドライン第2の2(2)の特に考慮する積極要素に当たります。公表事例にも、配偶者が定住者で、執行猶予判決や1年2月の実刑判決を受けた人が許可された例があります。ただし総合判断です。

Q2. 定住者から永住許可を申請するには、何年在留していればよいですか。

永住許可に関するガイドラインでは、原則は引き続き10年以上の在留ですが、定住者の在留資格で5年以上在留している人には特例があります。在留年数のほか、素行・生計、納税や社会保険料の納付状況も審査されます。

Q3. 配偶者は永住と帰化、どちらを目指すべきですか。

帰化は2026年4月1日から運用上原則10年以上の在留が求められています。定住者として5年を超えていれば、永住の特例の方が早く届くことが多いでしょう。

Q4. 夫(妻)が刑事裁判中でも、配偶者は永住申請をしてよいのですか。

永住許可は申請者本人の要件で審査されるのが基本で、申請自体は可能です。ただ、家族の状況を含めて確認されることもあるため、申請の時期や説明の仕方は、刑事事件の見通しとあわせて弁護士と相談して決めるのが安全です。

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本記事は一般的な解説であり、個別の事案の結論を保証するものではありません。具体的な見通しは、事情を伺ったうえでご説明します。

最終更新日:2026年10月11日

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
外国人の刑事弁護、入管手続(退去強制・在留特別許可・監理措置)、行政訴訟を主たる注力分野とする。中国律師が在籍。
弁護方針:松村大介弁護士の弁護方針|法律に命を吹き込む
代表電話:050-7587-4639 微信ID:matsumura1119

舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

中文版(简体):配偶者从定住者到永住者|着眼在留特别许可的5年特例与准备顺序

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