舟渡国際法律事務所

退去強制リスク判定ツール|罪名・刑事処分・在留資格から強制送還の可能性を確認

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退去強制リスク判定ツール

退去強制リスク判定ツール

2026/10/11

最終更新:2026年10月11日 執筆:弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077)/舟渡国際法律事務所

退去強制リスク判定ツールは、外国人の刑事事件で、在留資格・罪名・刑事処分の3点を選ぶと、入管法24条の退去強制事由(強制送還の理由)に当たるかどうかを、根拠条文とともに表示するツールです。

このツールの要点

  • 在留への影響は、①在留資格が別表第一か別表第二か、②刑事処分の種類、③罪名の3点で決まります。
  • 別表第一の在留資格の方は、窃盗・詐欺・傷害などの罪で拘禁刑に処せられると、執行猶予でも退去強制事由に当たります(入管法24条4号の2)。
  • 薬物事犯は、在留資格を問わず罰金や執行猶予でも当たります(同条4号チ)。不法就労助長は不起訴でも当たります(同条3号の4)。
  • 条文は2026年10月1日施行の現行の入管法(e-Gov法令検索)で確認しています。

判定ツール

このツールはJavaScriptを使用しています。表示されない場合は、下の早見表をご覧ください。

在留資格によって何が変わりますか

別表第一(活動に基づく在留資格)の方は、別表第二(身分・地位に基づく在留資格)の方よりも、退去強制事由に当たる範囲が広くなります。

区分主な在留資格刑事処分との関係
別表第一技術・人文知識・国際業務、技能、経営・管理、特定技能、技能実習、留学、家族滞在、短期滞在など4号の2の対象罪で拘禁刑(執行猶予を含む)なら該当。1年を超える実刑、薬物事犯なども該当
別表第二永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者4号の2は適用されない。1年を超える実刑(4号リ)、薬物事犯(4号チ)などは該当
特別永住者特別永住者入管特例法22条により、内乱・外患の罪や、無期又は7年を超える拘禁刑で法務大臣の認定がある場合などに限られる

早見表:罪名と刑事処分ごとの退去強制事由

下の表は、ツールと同じ判定基準で、罪名と刑事処分の組合せごとに該当する入管法24条の号を示したものです。「非該当」は、刑事処分を理由とする退去強制事由に当たらないという意味です。オーバーステイ(4号ロ)など別の事由がある場合や、在留期間の更新審査への影響は別に検討が必要です。資格外活動の罪で罰金にとどまっても、資格外の就労を専ら行っていたと明らかに認められる場合は4号イに当たります。

別表第一の在留資格(就労・留学・家族滞在・短期滞在など)の場合

罪名不起訴罰金全部執行猶予実刑1年以下実刑1年超
窃盗・詐欺・傷害・住居侵入・文書偽造など(4号の2の対象罪)非該当非該当該当(4号の2)該当(4号の2)該当(4号の2・4号リ)
薬物非該当該当(4号チ)該当(4号チ)該当(4号チ)該当(4号チ)
不法就労助長該当(3号の4イ)該当(3号の4イ)該当(3号の4イ)該当(3号の4イ)該当(3号の4イ・4号リ)
資格外活動(73条)非該当非該当該当(4号ヘ)該当(4号ヘ)該当(4号ヘ)
旅券法違反非該当該当(4号ニ)該当(4号ニ)該当(4号ニ)該当(4号ニ)
その他の罪(性犯罪・横領・脅迫・器物損壊・過失運転致死傷・道交法など)非該当非該当非該当非該当該当(4号リ)

別表第二の在留資格(永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者)の場合

罪名不起訴罰金全部執行猶予実刑1年以下実刑1年超
窃盗・詐欺・傷害・住居侵入・文書偽造など(4号の2の対象罪)非該当非該当非該当非該当該当(4号リ)
薬物非該当該当(4号チ)該当(4号チ)該当(4号チ)該当(4号チ)
不法就労助長該当(3号の4イ)該当(3号の4イ)該当(3号の4イ)該当(3号の4イ)該当(3号の4イ・4号リ)
資格外活動(73条)非該当非該当該当(4号ヘ)該当(4号ヘ)該当(4号ヘ)
旅券法違反非該当該当(4号ニ)該当(4号ニ)該当(4号ニ)該当(4号ニ)
その他の罪(性犯罪・横領・脅迫・器物損壊・過失運転致死傷・道交法など)非該当非該当非該当非該当該当(4号リ)

4号の2の対象となる罪は何ですか

刑法の住居侵入、通貨偽造、文書偽造、有価証券偽造、支払用カード電磁的記録、印章偽造、賭博、殺人、傷害、逮捕監禁、略取誘拐・人身売買、窃盗・強盗、詐欺・恐喝、盗品等の各罪のほか、暴力行為等処罰法、盗犯等防止法、特殊開錠用具所持禁止法、自動車運転死傷処罰法2条・6条1項(危険運転致死傷)、盗難特定金属製物品処分防止法22条の罪です。不同意わいせつ等の性犯罪、横領、脅迫、器物損壊、過失運転致死傷、道路交通法違反などは含まれていません。

不起訴を目指すことが重要なのはなぜですか

不起訴になれば、刑事処分を理由とする退去強制事由は生じないからです。別表第一の在留資格の方の場合、罰金と拘禁刑(執行猶予付き)では在留への影響が大きく異なります。起訴前の段階で被害弁償や示談を進め、不起訴又は罰金にとどめることが、在留を守るための最も確実な方法です。当事務所では、外国人の刑事事件で取調べへの弁護人の立会いを求める方針で臨み、初回の接見で在留資格を失うリスクを具体的にご説明しています。

よくある質問

執行猶予が付けば強制送還されませんか。

在留資格と罪名によります。別表第一の在留資格の方が窃盗・詐欺・傷害などの罪で拘禁刑に処せられた場合は、執行猶予が付いても退去強制事由に当たります(入管法24条4号の2)。薬物関係の法令違反は、在留資格を問わず罰金や執行猶予でも当たります(同条4号チ)。

罰金なら在留に影響はありませんか。

薬物、旅券法違反、入管法74条等の罪は罰金でも退去強制事由に当たります。それ以外の罪の罰金は退去強制事由には当たりませんが、在留期間の更新や在留資格の変更の審査では素行が考慮され、不許可の理由とされることがあります。

永住者や日本人の配偶者でも強制送還されることはありますか。

あります。別表第二の在留資格には4号の2は適用されませんが、1年を超える実刑(4号リ)、薬物事犯(4号チ)、不法就労助長(3号の4)などには当たります。当たった場合でも、在留特別許可の審査で家族関係や在留期間が考慮されます。

不法就労助長は不起訴でも退去強制の対象になりますか。

なります。入管法24条3号の4は、外国人に不法就労をさせる行為をしたこと自体を退去強制事由としており、刑事処分の有無を要件としていません。行為者に過失がなかった場合にも当たるかは争われています。

判定結果が「該当」だったら、もう日本に残れませんか。

そうとは限りません。法務大臣は在留特別許可をすることができ、在留を希望する理由、家族関係、素行、在留期間、人道上の配慮の必要性などが考慮されます(入管法50条1項・5項)。ただし、1年を超える実刑の場合は「特別の事情」が必要です(同項ただし書)。

根拠条文・出典

  • 出入国管理及び難民認定法24条(3号の4、4号イ・ロ・ニ・ホ・ヘ・チ・リ、4号の2)、24条の3、5条1項4号・5号、50条1項・5項(e-Gov法令検索・2026年10月1日施行版で確認)
  • 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法22条(同上)
  • 刑法27条(同上)
  • 出入国在留管理庁「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」

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