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被害者との示談を弁護士に任せるとき|示談の意味と外国人事件での注意点

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被害者との示談を弁護士に任せるとき|示談の意味と外国人事件での注意点

被害者との示談を弁護士に任せるとき|示談の意味と外国人事件での注意点

2026/10/04

被害者との示談は、謝罪と被害の回復を形にするものとして、起訴・不起訴の判断や量刑で考慮される重要な事情であり、被害者の連絡先を教えてもらえないことが多いため、弁護人が間に入って進めるのが通常である。(刑事訴訟法248条)

  • 示談は、加害者側が謝罪と被害弁償をし、被害者が許す(宥恕)などの合意をする、被害者との間の契約である
  • 示談が成立しても、不起訴や刑の軽減が決まるわけではなく、検察官や裁判所が事情の一つとして考慮する
  • 被害者の連絡先は、被害者の同意がないと加害者側に教えてもらえないことが多く、弁護人を通じて意向を確認する
  • 示談書の内容(宥恕の文言、告訴の取消しの有無、清算条項)によって、意味合いが変わる
  • 外国人の場合は、通訳と母語の書面を用いて、内容を正しく理解したうえで署名することが前提となる

示談とは何で、事件の結果にどう影響するのか?

示談とは、被害者との間で、謝罪、被害弁償、許しなどを合意することであり、起訴猶予の判断や量刑で、被害の回復や反省の状況を示す事情として考慮される。

検察官は、犯人の性格、年齢、境遇、犯罪の軽重、情状及び犯罪後の情況により、訴追を必要としないときは公訴を提起しないことができる(刑事訴訟法248条)。被害者との示談の成立は、この犯罪後の情況の一つとして考慮される。起訴された後は、裁判所が量刑や執行猶予(刑法25条)を判断する際の情状としても、被害の回復の状況が考慮される。

外国人の方にとっては、不起訴、罰金、執行猶予付き拘禁刑、実刑のどれになるかで、退去強制事由に当たるかどうかや、在留期間の更新に与える影響が変わる。在留資格が別表第一か別表第二か、罪名が何かによっても結論が異なるため、示談の意味は、在留の見通しと併せて弁護人から説明を受けるとよい。不起訴を目指すとき、弁護士に確認したいことも参照してほしい。

被害者の連絡先は、なぜ弁護人でないと分からないことが多いのか?

捜査機関は、被害者の同意を得ないまま、加害者側に被害者の連絡先を教えないのが通常であり、本人や家族が被害者に直接連絡することにも、避けるべき理由がある。

被害者は、加害者側に連絡先を知られること自体に不安を抱いていることが多い。そこで、弁護人が捜査機関を通じて、示談の申入れをしてよいか、連絡先を伝えてよいかを被害者に確認してもらう、という手順が取られる。弁護人であっても、被害者が望まなければ、連絡先は分からない。

本人や家族が被害者に直接接触すると、罪証隠滅を疑われ、勾留や接見等禁止の判断で不利に働くおそれがある(刑事訴訟法60条1項2号)。被害者の側も、威圧を受けたと感じかねない。連絡は、弁護人に任せるのが適切である。

示談交渉は、どのような流れで進むのか?

示談交渉は、被害者の意向の確認から始まり、被害者が応じた場合に、謝罪と被害弁償の申入れ、条件の協議、示談書の作成へと進む。

段階 内容
1 意向の確認 弁護人が、捜査機関を通じて、被害者に示談の申入れをしてよいかを確認する
2 連絡先の取得 被害者の了解を得て、弁護人が連絡先を教えてもらう
3 謝罪と申入れ 謝罪の意思と、被害弁償の申出を、弁護人から被害者に伝える
4 条件の協議 被害弁償の内容、許しの範囲、今後の接触などを協議する
5 示談書の作成 合意した内容を書面にし、双方が署名押印する
6 提出 示談書を、検察官(起訴前)や裁判所(起訴後)に提出する

それぞれの段階に、被害者の意思が最優先で反映される。進み具合は、被害者の気持ちや事件の内容によって大きく異なり、弁護人が日程を約束できるものではない。

示談書には、どのような内容を書くのか?

示談書には、事件の特定、謝罪と被害弁償の内容、被害者が許す旨(宥恕)、告訴の取消しなどの有無、今後の接触の取決めや清算条項を、事案に応じて書く。

被害弁償は、金額と支払の方法を明記し、受領の事実を残す。宥恕の文言は、処罰を求めない意思まで含むのか、許すだけなのかで、意味が異なる。被害者が告訴をしている事件では、告訴は公訴の提起があるまで取り消すことができるため(刑事訴訟法237条1項)、示談の内容に告訴の取消しを含めることがある。親告罪(たとえば器物損壊罪。刑法264条)では、告訴が取り消されると公訴を提起できなくなる。

示談書の内容は、事案によって異なる。金額や条件の目安を一律に示すことはできない。署名の前に、一つひとつの文言の意味を弁護人から説明してもらってほしい。

外国人の場合、通訳や言語の面で何に注意すればよいのか?

本人が示談の内容を母語で理解し、被害者が外国人であれば被害者の言語でも内容が伝わるよう、通訳人の手配と母語の訳文の用意を弁護人に確認する。

謝罪の気持ちを書面にする場合は、本人が母語で書き、弁護人が日本語訳を付ける方法がある。示談書も、日本語を基本としつつ、母語の訳文を添付すれば、内容を理解せずに署名するという事態を避けやすい。弁護人との打合せにも、通訳人が必要である。中国本土のご家族との連絡は、微信などを使い、経過を共有できる。通訳の確認の観点は、刑事事件で通訳について弁護士に確認したいことでも説明している。

示談金の準備は、どのように考えればよいのか?

被害弁償は本人の資力の範囲で行うことになり、家族や勤務先に協力を頼む場合に備えて、送金の方法と時期を、早めに弁護人に相談するのがよい。

金額は、被害の内容や程度によって事案ごとに異なる。弁護人は、被害の内容を踏まえて、見通しを説明する。海外のご家族から送金してもらう場合は、手続や着金までに時間がかかることがあるため、見通しが立った段階で、早めに準備を始めてもらう。支払ったときは、領収書や振込の記録を残す。

示談を弁護士に任せるときは、被害者への連絡の方法、示談書の内容の説明、通訳の手配、示談がまとまらなかった場合の対応を、あらかじめ確認しておくとよい。

当事務所に相談するときは、何を伝えればよいのか?

事件の内容、被害者がいるかどうか、本人の氏名・国籍・在留資格と在留期限、勾留されている警察署、通訳が必要な言語を伝えてもらえれば、示談の見通しの検討を始めやすい。

当事務所は、中国語での相談に対応しており、専属の通訳が常駐している。全国からの相談を受けている。微信IDは matsumura1119 である。最初の接見では、在留資格を失うおそれについて、本人に正確に理解してもらうことを重視している。

よくある質問

示談が成立すれば、不起訴になりますか?

示談は、検察官が起訴するかどうかを判断する際に考慮される事情の一つであるが、成立すれば不起訴になると決まっているわけではない。事件の内容や、本人の事情なども総合して判断される。見通しは、事案ごとに弁護人が説明する。

被害者に、直接謝罪の手紙を送ってもよいですか?

本人や家族が直接送ることは、避けたほうがよいと考えられる。被害者の意向を確認しないまま連絡すると、かえって被害者を怖がらせるおそれがある。謝罪の気持ちは、弁護人を通じて、被害者の意向を確認したうえで伝える。

示談を断られたときは、どうなりますか?

被害者が示談に応じないこともある。被害者の意思は尊重されるため、無理に求めることはできない。示談以外の方法として、被害弁償の申出や、反省の状況を示す資料の提出などにより、情状を整えることがある。

示談書は、日本語だけでよいのでしょうか?

示談書は日本語で作るのが通常であるが、本人や被害者が日本語を十分に理解できない場合は、母語の訳文を付けるなど、内容を正しく理解したうえで署名できるようにする。通訳人の手配も、弁護人が行う。

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本記事は一般的な解説であり、個別の事案の結果を保証するものではありません。個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。

最終更新 2026年10月4日 / 執筆 弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077)

舟渡国際法律事務所 https://matsumura-lawoffice.jp/ 微信ID:matsumura1119 電話:050-7587-4639

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