舟渡国際法律事務所

日本語が不自由な人の取調べ|弁護士に確認したいこと(通訳・調書・黙秘権)

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日本語が不自由な人の取調べ|弁護士に確認したいこと(通訳・調書・黙秘権)

日本語が不自由な人の取調べ|弁護士に確認したいこと(通訳・調書・黙秘権)

2026/10/04

日本語が不自由な人が取調べを受けるときは、通訳人が付くことを前提に、調書の読み聞けと署名押印の意味、黙秘権、誤りがあったときの訂正の求め方を、取調べの前に弁護士から説明を受けておくことが大切である。(刑事訴訟法198条2項・4項・5項)

  • 外国人の取調べは、原則として通訳人を介して行うものとされるが、通訳の正確さは取調べの場では確かめにくい
  • 供述調書は、読み聞けを受けて誤りがないかを問われ、増減変更を申し立てることができる。署名押印は求められるが、拒絶することもできる
  • 取調べの前に、自己の意思に反して供述をする必要がない旨(黙秘権)が告げられる
  • 録音録画が義務づけられるのは一定の事件に限られ、それ以外は運用による
  • 弁護人の立会いは、現状ほとんど認められないが、要求や警察官との協議はできる

日本語が不自由な人の取調べでは、通訳人はどのように関わるのか?

警察の取調べでは、日本語に通じない外国人に対しては通訳人を介して行うものとされており、通訳人を介した場合は、その旨と、通訳人を介して読み聞かせた旨が調書に記載される。

犯罪捜査規範233条は、日本語に通じない外国人の取調べを、その人の理解する言語に通じた警察官以外の警察官が行う場合には、通訳人を介して行うものとし、ただし、現行犯逮捕など直ちに通訳人を付することが困難なときは、この限りでないと定めている。通訳人を介して取調べをしたときは、供述調書に、その旨と、通訳人を介して読み聞かせた旨を記載しなければならない(同規範182条1項)。

通訳の質は、取調べの内容に直接影響する。本人の使う言語や方言が通訳人と合っているか、通訳人と本人や事件の関係者との間に特別な関係がないかなどを、弁護人は注意して確認する。訳が違うと感じたときは、その場で伝えてよい。

供述調書への署名押印は、どう考えればよいのか?

供述調書は、読み聞けを受けて誤りがないかを問われ、増減変更を申し立てることができ、署名押印は、誤りのないことを申し立てたときに求められるものであり、拒絶することができる。

手順 本人の権利 根拠
供述を調書に録取する 本人の供述が調書にまとめられる 刑事訴訟法198条3項
閲覧又は読み聞かせを受ける 誤りがないかどうかを問われる。通訳人を介して読み聞かせる 刑事訴訟法198条4項、犯罪捜査規範182条
増減変更を申し立てる 本人が申し立てたときは、その供述が調書に記載される 刑事訴訟法198条4項
署名押印を求められる 誤りのないことを申し立てたときに求められる。拒絶することもできる 刑事訴訟法198条5項

日本語で書かれた調書の内容は、通訳人の読み上げを聞いても、すべてを確かめるのが難しいことがある。署名押印した後は、内容を争うのが難しくなるため、署名の前に、納得できない箇所を指摘して訂正を求めるのがよい。

黙秘権とは何で、通訳を介した取調べでどう使うのか?

黙秘権とは、自己の意思に反して供述をする必要がない権利であり、取調べに際して、捜査機関があらかじめ告げなければならない(刑事訴訟法198条2項)。

この告知が通訳人を介して行われるとき、本人が内容を理解できているかが問題になる。一部だけ話す、答えられる範囲で話す、一切話さない、のどれを選ぶかは、事案の内容、証拠の状況、本人の在留の事情によって異なる。取調べに臨む前に、弁護人と方針を相談する必要がある。弁護人が接見で本人にその権利を伝えることも、大切な役割である。

母語での調書や録音録画は、あるのか?

調書は日本語で作られるのが通常であり、母語の調書が作られるかは捜査機関の運用によるうえ、録音録画が義務づけられるのは、一定の事件に限られる。

録音録画の義務があるのは、死刑又は無期拘禁刑に当たる罪の事件、短期1年以上の拘禁刑に当たる罪で故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件、検察官が独自に捜査する事件など、法律で定められた事件に限られる(刑事訴訟法301条の2第1項各号・4項)。これに当たらない事件では、法律上の義務はなく、実際に記録されるかどうかは事案ごとに異なる。

録音録画の有無や、母語の調書の作成の有無は、事件ごとに確認が必要である。弁護人を通じて、記録を求める申入れをすることもできる。

弁護人は、取調べに立ち会えるのか?

法律上、取調べへの弁護人の立会いを求める権利は明文で定められておらず、実際に認められることは現状ほとんどないが、当事務所は立会いを要求し、取調べの直前に警察官と協議することがある。

当事務所は、外国人の刑事事件では、取調べへの立会いを積極的に要求する方針である。立会いは現状ほとんど認められない。取調べの直前に警察官と協議することがあるが、結果を約束することはできない。

調書に誤りがあったときは、どう対応すればよいのか?

調書に誤りがあれば、署名の前なら増減変更の申立てをし、署名の後なら弁護人に速やかに伝えて対応を相談するのが基本である。

署名の前であれば、誤りのある箇所を指摘して、訂正を求めることができ、本人が増減変更の申立てをしたときは、その供述が調書に記載される(刑事訴訟法198条4項)。署名の後に誤りに気づいたときは、できるだけ早く弁護人に伝え、捜査機関への申入れなどの対応を相談する。取調べの日時や質問、答えた内容を、本人が書き留めておくと、後で誤りを指摘するときの手がかりになる。

取調べの前に、弁護士へ何を確認しておけばよいのか?

取調べの前には、通訳人、黙秘の方針、署名の扱い、録音録画の有無、記録の方法の5点を、弁護士に確認しておくとよい。

  • 通訳人が付くか、本人の言語や方言に合っているか
  • 黙秘するか、話すか、どの範囲で話すかの方針
  • 調書に署名する前に、弁護人に相談してよいこと、署名を拒んでよい場合
  • 録音録画の有無と、母語の調書の有無
  • 取調べの日時と内容を、本人が書き留めておく方法

当事務所に相談するときは、何を伝えればよいのか?

本人の氏名・国籍・在留資格と在留期限、警察署名、罪名、通訳が必要な言語を伝えてもらえれば、取調べへの対応の検討を始めやすい。

当事務所は、中国語での相談に対応しており、専属の通訳が常駐している。全国からの相談を受けている。微信IDは matsumura1119 である。最初の接見では、在留資格を失うおそれについて、本人に正確に理解してもらうことを重視している。

よくある質問

通訳人が間違って訳しているように感じたときは、どうすればよいですか?

その場で、訳が違うと思う旨を伝え、言い直しを求めることができる。話した内容と違う訳のまま調書に記録されることを避けるため、調書に署名する前に、弁護人にも伝えるとよい。

日本語の調書の内容が分からないまま、署名を求められたら、どうすればよいですか?

署名押印を求められるのは、本人が調書に誤りのないことを申し立てたときである。その申立てをしていない、あるいは内容が分からないときは、署名押印を拒むことができる(刑事訴訟法198条5項ただし書)。署名の前に、弁護人に相談するとよい。

黙秘すると、不利になりますか?

取調べに際して、自己の意思に反して供述する必要がないことは、捜査機関があらかじめ告げなければならないとされている(刑事訴訟法198条2項)。黙秘権の行使そのものが処罰の理由になるわけではない。ただし、事案ごとに黙秘をした場合の影響は異なるため、弁護人と方針を相談するとよい。

取調べに、弁護人は立ち会えますか?

法律上、取調べへの弁護人の立会いを求める権利は、明文で定められていない。実際に立会いが認められることは、現状ほとんどない。当事務所は、立会いの要求を積極的に行い、取調べの直前に警察官と協議することがあるが、認められるかどうかは事案ごとに異なる。

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本記事は一般的な解説であり、個別の事案の結果を保証するものではありません。個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。

最終更新 2026年10月4日 / 執筆 弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077)

舟渡国際法律事務所 https://matsumura-lawoffice.jp/ 微信ID:matsumura1119 電話:050-7587-4639

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