舟渡国際法律事務所

外国人の刑事事件は、入管手続まで見据えて弁護する|捜査から上告審までの弁護の進め方と、在留特別許可の見込みの調べ方

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外国人の刑事事件は、入管手続まで見据えて弁護する|捜査から上告審までの弁護の進め方と、在留特別許可の見込みの調べ方

2026/10/04

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弁護士 松村大介(舟渡国際法律事務所・第一東京弁護士会・登録番号59077)
更新日:2026年10月4日

外国人の刑事事件の弁護では、刑事処分の勝ち負けだけでなく、その結果が退去強制や在留資格の更新にどう響くかまで見通したうえで、捜査の初期から上告審まで、一貫した方針で動く必要がある。刑の重さや種類によって、入管法24条の退去強制事由に当たるかどうかが決まるからである。当職は、外国人の刑事事件をお受けするとき、初回接見の段階から入管手続を視野に入れ、万が一有罪になった場合の在留特別許可の見込みも、当事務所が集めた公表事例のデータベースで調べながら、弁護の方針を立てている。

微信(WeChat)ID:matsumura1119(弁護士・松村大介に直接つながります)

本記事の要点

  • 外国人の刑事事件では、刑事手続の結果が、そのまま在留の結果になり得ます。罪名と刑の内容によっては、有罪判決が入管法24条の退去強制事由に当たります。
  • 弁護の目標は段階ごとに変わります。捜査段階は不起訴や罰金、第一審は罰金・全部執行猶予・1年以下の刑といった「入管法上の分かれ目」を意識した量刑、控訴審・上告審は量刑や事実認定の是正です。
  • 入管の手続は、刑事手続と並行して進み得ます(入管法63条)。在留特別許可の申請は退去強制令書の発付前までで、認定に服してから3日以内という期限もあります。刑事の段階から準備しておく必要があります。
  • 在留特別許可の見込みは、出入国在留管理庁の公表事例から、同じような事情の許可・不許可を調べて予想します。たとえば、1年を超える実刑で許可された公表事例6件の刑は、いずれも1年2月から1年6月でした。
  • 当事務所は、覚醒剤事件での無罪判決(一部無罪)、不法就労助長の冤罪事案や入管法違反事案での在留特別許可などの実績があり、捜査段階から控訴審・上告審まで、松村大介弁護士が直接担当します。

外国人の刑事事件で、なぜ刑事弁護と入管対応を切り離せないのですか

結論から言うと、刑事事件の結果が、在留を失うかどうかに直結するからです。

外国人が刑事事件をきっかけに在留を失う道は、大きく二つあります。一つは、有罪判決が入管法24条の退去強制事由に当たる場合です。もう一つは、退去強制事由に当たらなくても、在留期間の更新や在留資格の変更の審査で「素行が善良であること」という要件を満たさないとされ、不許可になる場合です。

退去強制事由のうち、刑事事件に関わる主なものは、次のとおりです。

条文対象となる刑事処分在留資格の範囲
24条4号チ薬物法令違反で有罪の判決を受けたこと(罰金・執行猶予でも該当)別表を問わない(永住者も対象)
24条4号の2刑法の窃盗・強盗、詐欺・恐喝、傷害、住居侵入、文書偽造などの列挙された罪で拘禁刑に処せられたこと(執行猶予付きでも該当)別表第一の在留資格のみ
24条4号リ無期または1年を超える拘禁刑に処せられたこと(全部執行猶予などは除く)別表を問わない
24条4号ヘ入管法73条の罪(資格外活動など)で拘禁刑に処せられたこと別表を問わない
24条3号の4不法就労助長の行為(刑事処罰を要しない)別表を問わない

同じ窃盗で執行猶予付きの判決を受けても、就労や留学の在留資格(別表第一)なら退去強制事由に当たり、永住者や日本人の配偶者等(別表第二)なら当たりません。薬物であれば、罰金でも、永住者でも、有罪判決を受けたこと自体が問題になります。この区別を、取調べの前に把握していなければ、弁護の方針を誤ります。

さらに、国や地方公共団体の職員は、職務の遂行にあたって退去強制事由に該当すると思われる外国人を知ったときは、入管に通報しなければなりません(入管法62条2項)。刑期を終えて刑事施設から釈放されるときも、施設の長に通報義務があります(同条3項)。刑事手続の進行は、入管に伝わっていきます。

なお、特別永住者は、入管特例法22条により退去強制の事由が大きく限定されており、上の表とは別に考える必要があります。

刑事手続の段階ごとに、弁護の目標はどう変わりますか

結論から言うと、各段階で守るべき「入管法上の分かれ目」が違うため、目標も変わります。

段階刑事弁護の目標入管手続を見据えた狙い
捜査段階(逮捕・勾留・取調べ)嫌疑の否認、不起訴(起訴猶予を含む)、略式命令による罰金、身体拘束からの解放有罪判決そのものを避ける。取調べでの供述が入管手続に影響するリスクを説明する
第一審(起訴後の刑事裁判)無罪、一部無罪、罰金、全部執行猶予、1年以下の刑24条4号の2・4号リなどの分かれ目の手前で刑を止める。在留特別許可の資料を整える
控訴審事実誤認の是正、量刑不当の是正実刑を執行猶予に、1年超を1年以下に、といった入管法上の分かれ目を動かす
上告審憲法違反・判例違反の主張、職権破棄の求め確定を争い、適用法令の解釈を正す
判決確定後〜入管手続在留特別許可、退去強制の取消訴訟など公表事例を踏まえた在留特別許可の主張。必要に応じ訴訟で争う

どの段階でも共通するのは、刑事の担当と入管の担当を別々にしないことです。刑事で良い結果が出ても、入管手続で不利な供述や資料の欠落が響くことがあります。逆に、刑事段階から入管手続の資料を集めておけば、同じ資料が情状立証にも在留特別許可の立証にも使えます。

捜査段階では、何を優先して動きますか

結論から言うと、初回接見で在留資格と罪名と見込まれる刑を確認し、リスクを正しく理解してもらったうえで、不起訴と身体拘束からの解放を目指します。

当職が初回接見で確認するのは、次の3点です。

  1. 在留資格が別表第一か別表第二か(特別永住者かどうかも含みます)。
  2. 被疑事実の罪名が、薬物犯罪、入管関係の罪、24条4号の2に列挙された罪のいずれかに当たるか。
  3. 想定される処分と刑(不起訴、罰金、執行猶予付きの拘禁刑、実刑、1年を超える実刑か)。

これを本人に説明したうえで取調べに臨んでもらいます。説明を受けないままでは、本人は取調べを早く終わらせることだけを考えて供述してしまいがちです。

取調べについては、立会いを積極的に求めています。立会いが認められることは現状ほとんどありませんが、取調べの直前に警察官と協議して牽制し、有利な処分につながった例が多くあります。詳しくは、「外国人の刑事事件で、取調べ立会いが重要な理由」と題する別の記事に書いています。

刑事手続上の目標は、次の順に考えます。

目標内容
不起訴処分嫌疑がなければ嫌疑なし・嫌疑不十分。嫌疑があっても、犯人の性格・年齢・境遇、犯罪の軽重・情状、犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、起訴猶予(刑事訴訟法248条)。被害者との示談や、再犯防止の体制の整備が重要になる
略式命令による罰金簡易裁判所が、検察官の請求により、100万円以下の罰金または科料を科す手続(同法461条)。罰金は「拘禁刑に処せられた」ことに当たらないため、24条4号の2・4号リの要件を満たさない。ただし、薬物犯罪では、罰金でも有罪の判決であり、24条4号チに当たる
身体拘束からの解放勾留請求の却下、勾留に対する準抗告、勾留取消請求など。不起訴にも在留特別許可にも、外で準備する時間が必要になる

薬物事件で身体拘束からの解放を急ぐ理由と、具体的な手段(根拠条文・時期)は、次の記事に整理しています。

→ 外国人の薬物事件では、なぜ「勾留からの解放」を最優先で考えるのか(関連記事)

在留期間の満了日の管理も、捜査段階の大切な仕事です。拘束中でも、在留期間の更新などの期限は止まりません。更新の機会を逃して不法残留になると、別の退去強制事由(24条4号ロ)が加わります。

起訴された後の刑事裁判では、何を目標にしますか

結論から言うと、無罪を争う場合を別にして、刑の内容を、入管法上の分かれ目の手前に止めることを目標にします。

罪名が薬物犯罪でなければ、刑の内容が、退去強制事由に当たるかどうかを左右します。条文の構造は、次の表のとおりです。

刑事裁判の結果24条4号の2(別表第一の在留資格のみ。列挙された罪の場合)24条4号リ(全在留資格)
無罪(一部無罪を含め、該当部分)該当しない該当しない
罰金該当しない(「拘禁刑に処せられた」ことが要件)該当しない
全部執行猶予付きの拘禁刑該当する(執行猶予の除外規定がない)該当しない(但書で除外)
1年以下の実刑該当する該当しない
1年を超える実刑該当する該当する

この表からわかる弁護の方針は、在留資格によって変わります。

別表第一(就労・留学・家族滞在など)の方は、24条4号の2に列挙された罪(窃盗、詐欺、傷害など)では、執行猶予が付いても退去強制事由に当たります。そのため、第一審の目標は、無罪や一部無罪、あるいは罰金にとどめること、そして、罰金が難しければ在留特別許可を見据えた立証を重ねることになります。

別表第二(永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者)の方は、24条4号の2が適用されません。1年を超える実刑を避けること、さらに全部執行猶予を得ることが、そのまま入管法上の意味を持ちます。1年を超える求刑がなされている事案では、1年以下の刑にとどめることが重要です。刑の一部の執行猶予を受けた場合は、執行が猶予されなかった部分の期間が1年以下であれば、同様に24条4号リの対象から外れます。

薬物犯罪は、有罪判決を受けたこと自体が24条4号チに当たりますので、執行猶予や罰金では足りません。だからこそ、捜査段階の不起訴と、公判での無罪(または一部無罪)の主張が決定的に大切になります。

刑事裁判では、そのほか次の活動を並行して行います。

  • 保釈の請求(刑事訴訟法89条・90条)。身体拘束が続く限り、立証の準備が進みません。
  • 被害者との示談、被害弁償、贖罪寄付など、情状の立証。
  • 家族関係、在日期間、就労、納税などの資料を、情状証拠として提出しつつ、後の在留特別許可の資料としても使える形で整えます。
  • 在留への影響を、一般情状として主張します。ただし、裁判所が退去強制事由への該当性そのものを動かすことはできません。量刑という個別・実質的な判断と、退去強制事由という形式的な判断は、接続していません。

控訴審・上告審では、何を争えますか

結論から言うと、控訴審では量刑不当や事実誤認を、上告審では憲法違反や判例違反を主に争い、そのことが、入管法上の分かれ目を動かすことがあります。

控訴は、地方裁判所または簡易裁判所がした第一審の判決に対してでき(刑事訴訟法372条)、提起期間は判決の告知から14日です(358条・373条)。控訴の申立てをしたら、定められた期間内に控訴趣意書を控訴裁判所に差し出します(376条)。

審級主な争点根拠条文入管法上の意味
控訴審刑の量定が不当であること(量刑不当)刑訴法381条実刑を全部執行猶予に、1年を超える刑を1年以下に、といった変更が、24条4号リの該当性を動かす
控訴審判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認刑訴法382条有罪を無罪に、あるいは共謀などの認定を是正して一部無罪にできれば、退去強制事由そのものが消える
控訴審事実の取調べの請求刑訴法393条第一審後の事情(示談の成立、家族関係の変化など)を刑の量定の資料として提出し、事実の取調べを求める
上告審憲法違反、憲法解釈の誤り、最高裁判例と相反する判断刑訴法405条確定を争い、法令の解釈適用を正す
上告審上告理由がなくても、法令違反・刑の量定が甚しく不当・重大な事実誤認があり、破棄しなければ著しく正義に反する場合刑訴法411条(職権破棄)量刑の是正の余地を探る

上告も、提起期間は14日です(刑訴法414条・373条)。上告趣意書には、上告の申立ての理由を明示しなければなりません(407条)。

外国人の事件では、判決が確定した後に、入管の違反調査・違反審査が本格的に動き出します。控訴・上告で量刑を動かすことは、そのまま入管法上の分かれ目に関わりますので、控訴するかどうか、何を理由にするかも、入管手続を見据えて決める必要があります。

当事務所は、刑事事件と行政事件の双方で、控訴審・上告審の代理を担当しています。

入管手続は、刑事手続の中でどう進みますか

結論から言うと、刑事手続が続いている間も、入管の手続は並行して進み得ますので、各段階の期限に注意が必要です。

入管の退去強制手続は、次の順で進みます。

段階内容期限・留意点
違反調査入国警備官が調査し、容疑者が24条各号に当たるかを調べる刑事事件の捜査・公判と並行して行われ得る(63条1項)
収容・監理措置主任審査官が、監理措置に付すか収容するかを審査(39条2項)。収容に代わる監理措置(44条の2)在留資格がない場合は、釈放後も収容が問題になる
違反審査・認定入国審査官が、退去強制対象者に該当するかを審査し、該当すると認定したら書面で知らせる(45条・47条3項)在留特別許可の申請ができる旨も知らされる(47条4項)
口頭審理の請求認定に異議があるとき、通知を受けた日から3日以内に口頭で請求(48条1項)3日以内
異議の申出口頭審理の判定に異議があるとき、通知を受けた日から3日以内に書面で提出(49条1項)3日以内
在留特別許可法務大臣が、申請または職権で、在留を特別に許可できる(50条1項)。申請は、収容令書により収容された外国人または監理措置決定を受けた外国人が行い(50条2項)、退去強制令書の発付後はできない(50条3項)認定に服した日から3日以内に申請しないと、令書が発付される(47条5項2号)
退去強制令書の発付・執行刑事手続が行われている場合、令書が発付されても、執行は刑事手続の終了後(63条2項)刑の執行中でも、検事総長または検事長の許可があるときは執行できる(63条2項但書)

刑事手続が行われているときは、収容や監理措置に付さない場合でも、退去強制の手続を準じて行うことができます。この場合は、在留特別許可の申請者は「入国審査官の審査を受けることとされた」者と読み替えられます(63条1項)。

ここで大切なのは、3日という短い期間です。入国審査官の認定に服した日から3日以内に在留特別許可を申請しなければ、退去強制令書が発付されます。刑事の担当弁護士が、入管手続の期限と、各段階で何を主張・立証するかを把握していなければなりません。当事務所が刑事と入管の両方を扱うのは、このためです。

在留特別許可の見込みは、どのように予想しますか

結論から言うと、出入国在留管理庁が公表している許可事例・不許可事例を、原典に当たって整理したデータベースから、同じ事情の事例を探して、見込みを予想します。

当事務所は、出入国在留管理庁が公表する「在留特別許可に係るガイドライン」と、「在留特別許可された事例及び在留特別許可されなかった事例について」(平成26年から令和7年公表分)を、原典のPDFで確認して整理しています。事案の類型(配偶者の国籍・在留資格、罪名、刑の内容、不法残留の期間、出頭申告の有無、子の有無など)ごとに、許可と不許可の分かれ目を調べます。

公表事例から読み取れる傾向のうち、刑事事件に関係する主なものは、次のとおりです。

事案の類型公表事例にみる傾向見込みの見方
日本人の配偶者がいて、婚姻期間が1年以上、同居実態があり、出頭申告をした。刑事処分はない許可が基本型。許可の在留資格は「日本人の配偶者等(1年)」が通例比較的高い
婚姻・同居の実態に疑義がある「同居実態なし」「婚姻実態なし」と記載された事例は、ほぼ例外なく不許可低い
偽装婚と認められる罪(電磁的公正証書原本不実記録など)で有罪判決を受けている複数の年で不許可低い
被退去強制歴が複数回(特に3回以上)他の要素が良好でも不許可の事例がある低い
薬物法令違反で有罪(全部執行猶予・実刑を含む)当事務所が整理した45件のうち、許可6件・不許可39件。全部執行猶予は24件中4件、実刑は21件中2件が許可。許可された6件は、前科や不法残留の記載がなく、在日期間は約13年〜約30年、5件は本人が永住者、5件は実子との生活あり厳しい。ただし、定着性の高い事案では許可例がある
1年を超える実刑(入管法50条1項ただし書。令和6年後半・令和7年公表分)許可6件の刑は、いずれも拘禁刑1年2月〜1年6月。拘禁刑2年6月、4年6月の事例は不許可。本人は、永住者・定住者・日本人の配偶者・日系人など別表第二またはそれに準ずる定着性のある者。別表第一の在留資格で許可された公表事例は確認できない分水嶺は拘禁刑2年前後。別表第一では相当に厳しい

この表は、公表事例の傾向を示すもので、許可される確率を示すものではありません。入管が公表したものは、全体の一部にすぎません。個別の事案では、家族関係、在日期間、素行、入国の経緯、退去強制の理由となった事実などの事情が、全体として判断されます(入管法50条5項)。

当職は、許可事例・不許可事例は、一種の裁量基準・処分基準であり、個別の事案でも、合理的な理由なくそこから外れた処分は、平等原則・比例原則に反して違法であるという立場で、在留特別許可を主張しています。この立場を取るためには、問題となる類型ごとに、公表事例を正確に調べておくことが必要です。

この見込み予想は、刑事弁護の方針にも直結します。たとえば、1年を超える実刑が見込まれる事案で、公表事例の分水嶺を踏まえれば、第一審で1年6月以下にとどめることの意味が大きいことがわかります。また、別表第一の在留資格の方であれば、実刑後の在留特別許可は相当に厳しいことを前提に、刑事段階で不起訴・罰金・無罪を目指す優先度が上がります。

当事務所の実績と、事件の進め方を教えてください

結論から言うと、刑事事件と入管事件の双方で取り扱ってきた実績があり、全工程を松村大介弁護士が直接担当します。

当職の実績には、次のようなものがあります。いずれも個別の事情に基づくもので、同様の結果を保証するものではありません。

  • 覚醒剤事件で、無罪判決(一部無罪)を獲得しました。 共謀を否認し、東京地方裁判所の判決(令和7年1月28日)で一部無罪の判決を得た事案です。
  • 偽造通貨の行使が問われた事件で、不起訴処分を獲得しました。
  • 不法就労助長の冤罪事案で、在留特別許可を獲得しました。 「退去強制事由に故意・過失は不要」とする従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を上訴審まで争い、その後、入管から在留特別許可が認められました。この論点は、報道でも取り上げられています(弁護士JP「中国人女性が不法就労『助長』で退去強制」、2025年9月)。
  • 在留資格を失った状態で入管法違反により起訴された方について、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。 婚姻・認知の手続を整え、入管の過去の許可事例を分析して、主張を組み立てた事案です。公表事例上は不許可が並ぶ類型でした。

当職の弁護方針は、こちらにまとめています。「法律の力で命を吹き込む」。これが、私の仕事の基本姿勢です。

→ 松村大介弁護士の弁護方針|法律に命を吹き込む

事件の進め方は、次のとおりです。

  • 接見の初動から公判の結審まで、松村大介弁護士が全工程を直接担当します(事務員・若手弁護士による代行は行いません)。
  • 外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く通訳を、刑事手続全般にわたってご利用いただけます。
  • 初回接見で、在留資格・罪名・見込まれる刑を確認し、在留への影響を正確にお伝えします。
  • 刑事手続と入管手続を、同じ弁護士が一体で見ます。
  • 見通しは、良い点も悪い点も率直にお伝えします。

外国人の刑事事件で弁護士を選ぶとき、何を確認すればよいですか

結論から言うと、「刑事事件の結果が在留にどう響くか」を、初回の相談で具体的に説明できる弁護士かどうかを確認してください。

弁護士にご相談になるとき、次の点を確認されることをお勧めします。

確認する点理由
在留資格(別表第一か別表第二か)と罪名から、入管法24条のどの号が問題になるかを説明できるか刑の目標が、在留資格によって変わるため
起訴前の段階から、不起訴・罰金・勾留からの解放を具体的に検討してくれるか有罪判決を避けることが、在留を守る最も確実な方法であるため
入管手続(違反審査・在留特別許可)を、同じ弁護士が担当できるか刑事と入管で方針がずれないようにするため
在留特別許可の見込みを、公表事例を踏まえて説明できるか万が一の場合の見通しが、刑事弁護の方針に影響するため
通訳の体制が整っているか取調べと供述調書の正確性を守るため
見通しを、悪い点も含めて率直に伝えてくれるか「必ず大丈夫」と言い切る弁護士は、むしろ慎重に判断してください

ご家族が逮捕された場合は、できるだけ早く弁護人を選任してください。そのうえで、ご本人の在留カード・旅券の写し、住居の賃貸借契約書、家族関係を示す書類、就労・納税の資料を、弁護人にお渡しください。

よくある質問

Q1. 外国人が刑事事件で有罪になると、必ず強制送還になりますか。
必ずではありません。罪名と刑の内容、在留資格の別表によって、退去強制事由に当たるかどうかが決まります。罰金であれば24条4号の2・4号リには当たらず、別表第二の方は、1年を超える実刑でなければ4号リに当たりません。ただし、薬物犯罪は有罪判決で足り、罰金や執行猶予でも該当します。退去強制事由に当たっても、在留特別許可を得られる場合があります。

Q2. 執行猶予が付けば、在留に影響はありませんか。
在留資格と罪名によって異なります。別表第一の在留資格の方は、24条4号の2に列挙された罪(窃盗、詐欺、傷害など)で拘禁刑の判決を受けると、執行猶予が付いても退去強制事由に当たります。薬物犯罪も、執行猶予付きで該当します。他方、24条4号リは、全部執行猶予の場合を除いています。

Q3. 罰金で済めば、在留に影響しませんか。
退去強制事由に当たらないことが多いものの、別表第一の在留資格の方は、更新や変更の審査で素行が問題とされ、不許可になるおそれがあります。薬物犯罪は、罰金でも有罪判決に当たり、24条4号チに該当します。

Q4. 判決の後、在留特別許可はいつまでに申請すればよいですか。
申請できるのは、収容令書により収容された後、または監理措置決定を受けた後で、退去強制令書が発付される前までです(入管法50条2項・3項)。刑事手続が行われている場合は、入国審査官の審査を受けることとされた後に申請できると読み替えられます(63条1項)。認定に服した日から3日以内に申請しないと、令書が発付されます(47条5項2号)。判決の前から準備を始めることをお勧めします。

Q5. 第一審の判決に不服がある場合、いつまでに控訴する必要がありますか。
判決の告知を受けた日から14日以内です(刑事訴訟法358条・373条)。控訴後は、定められた期間内に控訴趣意書を提出します(376条)。外国人の事件では、控訴するかどうかが、入管法上の分かれ目に関わることもありますので、判決の前から弁護人と方針を話し合っておくことが重要です。

Q6. 在留特別許可の見込みを、事前に教えてもらえますか。
当事務所は、公表事例のデータベースをもとに、同じような事情の許可・不許可事例を調べて、見込みをお伝えします。ただし、公表事例は入管が公表した一部であり、許可の確率を示すものではありません。個別の事案の事情によって、結論は変わります。

根拠条文・出典

  • 出入国管理及び難民認定法 24条(3号の4、4号ロ・ヘ・チ・リ、4号の2)、39条、44条の2、45条、47条、48条、49条、50条1項〜3項・5項、62条2項・3項、63条1項・2項(令和8年10月4日に e-Gov で現行条文を確認)
  • 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法 22条
  • 刑事訴訟法 89条、90条、248条、358条、372条、373条、376条、381条、382条、393条、405条、407条、411条、414条、461条(令和8年10月4日に e-Gov で現行条文を確認)
  • 刑法 25条・27条の2(刑の全部・一部の執行猶予)
  • 出入国在留管理庁「在留特別許可に係るガイドライン」「在留特別許可された事例及び在留特別許可されなかった事例について」(平成26年〜令和7年公表分を、当事務所で原典に当たって整理)

本記事は、令和8年(2026年)10月4日時点の法令に基づく一般的な解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士に直接お問い合わせください。

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最終更新:2026年10月4日

執筆:松村大介(弁護士・第一東京弁護士会所属/登録番号59077)。舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)代表。外国人の刑事事件と在留(退去強制・在留特別許可)を主たる注力分野とし、中国語圏の依頼者の事件を数多く取り扱う。

微信(WeChat)ID:matsumura1119 代表電話:050-7587-4639
事務所サイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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