口頭審理と異議の申出とは|3日以内の期限と退去強制令書までの流れを弁護士が解説
2026/10/07
口頭審理とは、入国審査官による退去強制事由に該当するとの認定に不服がある場合に、特別審理官に対して口頭で請求する審理をいい(入管法第48条第1項)、異議の申出とは、特別審理官の判定にも不服がある場合に、法務大臣に対して書面で行う不服申立てをいう(同法第49条第1項)。
この記事の要点
- どちらの手続も、通知を受けた日から3日以内に行う必要がある(入管法第48条第1項・第49条第1項)。期間は非常に短い。
- 口頭審理は「口頭」で特別審理官に請求し、異議の申出は「書面」で主任審査官を通じて法務大臣に対して行う。
- 特別審理官が認定に誤りがないと判定したときは、異議の申出ができる旨と、第50条の許可の申請ができる旨が知らされる(同法第48条第8項)。
- 判定に服したときは異議を申し出ない旨の文書に署名することになり、その場合は退去強制令書が発付される(同条第9項・第10項)。署名の前に、内容を理解しているかが重要である。
口頭審理とは、どのような手続ですか
結論として、口頭審理は、入国審査官の認定に不服がある人が、特別審理官に判断をやり直してもらう手続である。認定に異議があるときは、通知を受けた日から3日以内に、口頭で請求する(入管法第48条第1項)。
請求があると、入国審査官は関係する調書や書類を特別審理官に提出し(同条第2項)、特別審理官は時と場所を通知して速やかに口頭審理を行い(同条第3項)、調書を作成する(同条第4項)。
口頭審理のあと、どのような結論になりますか
結論として、特別審理官の判定は、次の3つに分かれる。
| 判定の内容 | その後 |
|---|---|
| 認定が事実に相違すると判定したとき | 放免される(同法第48条第6項。監理措置に付されている人の扱いは別に定められている)。 |
| 認定に誤りがないと判定したとき | 異議の申出ができる旨と、第50条の許可の申請ができる旨が知らされる(同条第8項)。 |
| 判定に服したとき | 異議を申し出ない旨を記載した文書に署名し、退去強制令書が発付される(同条第9項・第10項)。 |
異議の申出とは、どのような手続ですか
結論として、異議の申出は、特別審理官の判定に不服がある場合に、法務大臣に裁決を求める手続である。通知を受けた日から3日以内に、主任審査官に書面を提出して行う(入管法第49条第1項)。
主任審査官は、審査や口頭審理に関する調書などを法務大臣に提出する(同条第2項)。法務大臣は、異議の申出に理由があるかを裁決し、結果を主任審査官に通知する(同条第3項)。理由があるとの裁決のときは、放免される(同条第4項)。理由がないとの裁決のときは、その旨が知らされ、退去強制令書が発付される(同条第6項・第7項)。
3日の期限を過ぎてしまったら、どうなりますか
結論として、期限を過ぎると、その段階の不服申立てはできなくなり、手続が先に進む。そのため、通知を受けた日付を必ず記録し、直ちに弁護士に相談することが重要である。
収容されている場合、書類の内容や期限の意味を十分に理解できないまま、署名を求められることがある。内容が分からないまま署名しないこと、通訳を求めることが重要である。
退去強制令書が出たあとは、争えないのですか
結論として、令書が発付されたあとも、取消訴訟で争う道が残る。ただし、出訴期間は、処分や裁決を知った日から6か月である。詳しくは、退去強制令書の取消訴訟とはと執行停止とはで解説している。
弁護士には、いつ相談すべきですか
結論として、認定の通知を受けた直後、できれば口頭審理を請求する前に相談してほしい。3日という期限の中で、認定に争う余地があるか、第50条の許可の申請を視野に入れるかを判断する必要がある。刑事事件を伴う場合は、刑事手続と入管手続を並行して設計する。
よくある質問
口頭審理は、誰に対して請求しますか。
特別審理官に対して、口頭で請求する。通知を受けた日から3日以内である。
異議の申出は、どこに提出しますか。
主任審査官に書面を提出して、法務大臣に対して行う。通知を受けた日から3日以内である。
口頭審理を請求しないと、どうなりますか。
判定に服したものとして、異議を申し出ない旨の文書に署名し、退去強制令書が発付される手続に進むことがある。署名の前に弁護士に相談することが重要である。
異議の申出が認められることはありますか。
法務大臣が理由があると裁決したときは、放免される。見通しは、事案ごとに異なる。
中国語で相談できますか。
できる。電話は050-7587-4639、微信(WeChat)IDはmatsumura1119である。
関連する用語解説
最終更新 2026年10月7日 / 執筆 舟渡国際法律事務所 弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077)
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