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違反審査とは|入国審査官による退去強制事由の認定と口頭審理への流れ

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違反審査とは|入国審査官による退去強制事由の認定と口頭審理への流れ

違反審査とは|入国審査官による退去強制事由の認定と口頭審理への流れ

2026/09/04

違反審査とは、入国警備官から容疑者の引渡しを受けた入国審査官が、その外国人が退去強制事由に該当するかどうかを審査して認定する手続をいう。退去強制手続における3段階の審査のうち最初の審査に当たる。

この記事の要点

  • 違反審査を行うのは入国審査官であり、審査の対象は退去強制事由に該当するかどうかである。
  • 収容令書により収容した場合、入国警備官は原則として48時間以内に容疑者を入国審査官に引き渡す。
  • 認定に服する旨の文書に署名すると、口頭審理を請求する権利を失う。
  • 認定に不服がある場合、通知を受けた日から3日以内に口頭審理を請求しなければならない。
  • 在留特別許可の可否は、違反審査ではなく、より後の段階で判断される。

違反審査とは何か

違反審査は、退去強制手続の中で最初に行われる審査である。入国警備官が違反調査を行い、収容令書により容疑者を収容したときは、入管法上、身体を拘束した時から原則として48時間以内に、調書および証拠物とともに容疑者を入国審査官に引き渡さなければならないとされている。この引渡しを受けた入国審査官が行うのが違反審査である。

違反審査は、刑事裁判のように公開の法廷で行われるものではなく、入管の庁舎内で入国審査官が容疑者から事情を聴き、資料を検討して判断する手続である。手続の主宰者は行政庁の職員であり、中立の第三者による審理ではない。

違反審査では何が審査されるか

審査の対象は、その外国人が退去強制事由に該当するかどうかという一点である。具体的には、在留期間を経過して残留しているか、上陸許可を受けずに入国したか、在留資格に対応しない活動を専ら行っていたか、入管法第24条が定める刑罰関係の事由に当たるかといった点が検討される。

これに対し、日本に在留を認めるべき事情があるかどうかは、違反審査の判断事項ではない。家族関係や生活の状況をいくら述べても、退去強制事由に該当する以上、この段階では該当する旨の認定がされる。在留特別許可は、後の段階で判断される。

違反審査の結論にはどのような種類があるか

結論として、認定には三つの類型がある。それぞれ、その後の手続が大きく異なる。

認定の内容その後の取扱い
退去強制事由に該当しない直ちに放免される
退去強制事由に該当する本人に通知される。服する場合は退去強制令書が発付され、服さない場合は口頭審理を請求できる
出国命令対象者に該当する出国命令の手続に移り、収容されずに出国することになる

出国命令の対象となるのは、退去強制事由が不法残留のみであることなど、入管法が定める複数の要件をすべて満たす場合に限られる。詳しくは出国命令の解説をご覧いただきたい。

認定に不服がある場合はどうするか

認定の通知を受けた日から3日以内に、口頭審理を請求しなければならない。この期間は極めて短く、しかも収容されている状態で判断を迫られることが多い。

逆に、認定に服する旨を記載した文書に署名すると、口頭審理を請求する権利を放棄したことになり、主任審査官が退去強制令書を発付できる状態になる。日本での生活の継続を望んでいるにもかかわらず、意味を理解しないままこの文書に署名してしまう例は少なくない。署名を求められた書面が何を意味するのかは、必ず確認する必要がある。

違反審査にはどのくらいの期間がかかるか

事案によるが、収容されている場合は比較的短期間で進む。収容令書による収容の期間が原則30日、延長しても最長60日であるため、その枠内で認定に至るのが通常である。事実関係に争いのない不法残留の事案では、数日で認定に至ることもある。

この速さは、当事者にとって準備の時間が乏しいことを意味する。資料の収集や家族の陳述書の作成には時間がかかるため、可能な限り早い段階で着手することが望ましい。

違反審査と刑事裁判は何が違うか

結論として、両者は目的も主宰者も証明の仕組みも異なる。同じように事実を認定する手続に見えても、性質は大きく違う。

比較の視点違反審査刑事裁判
目的退去強制事由に該当するかの認定犯罪の成否と刑の判断
主宰者入国審査官(行政庁の職員)裁判官
公開非公開原則として公開
弁護人の選任国選の制度はない国選弁護人の制度がある
不服の申立て口頭審理の請求、異議の申出控訴、上告

違反審査で注意すべき点は何か

最も注意すべきは、署名を求められる書面の意味である。認定に服する旨の文書と、口頭審理を請求する旨の文書とは全く効果が異なる。日本語で書かれた書面の趣旨を理解しないまま署名すると、その後の手段が閉ざされる。

また、この段階の供述調書は、後の口頭審理異議の申出でも資料として用いられる。将来在留特別許可を求める予定であれば、家族関係や生活の実態について正確に述べ、記録に残しておくことが後の主張の土台になる。

外国人の刑事事件で違反審査が問題になるのはどのような場面か

刑事事件が終わり、入管に身柄が引き継がれた直後に違反審査が行われることが多い。刑事手続で通訳や弁護人が付いていた状態から、突然、援助のない手続に移るため、当事者が状況を把握しきれないまま認定に服してしまうことがある。

刑事弁護の終盤で、その後に違反審査が控えていること、そこで署名を求められる書面の意味を本人と家族に説明しておくことが、実務上は極めて重要である。

よくあるご質問

Q1 違反審査は何日くらいで終わりますか。

事案によりますが、収容された場合には収容令書による収容の期間内に進むのが通常であり、数日から数週間で認定に至る例が多く見られます。争いのない不法残留の事案では、極めて短期間で認定まで至ることもあります。

Q2 認定に服する旨の文書に署名すると、どうなりますか。

口頭審理を請求する権利を放棄したことになり、その場で退去強制令書が発付されうる状態になります。在留を求めるお気持ちがあるのに署名してしまうと、後から取り戻すことは容易ではありません。内容を理解できないまま署名しないことが重要です。

Q3 違反審査で在留特別許可を求めることはできますか。

違反審査は退去強制事由に該当するかどうかを判断する手続であり、在留特別許可の可否はこの段階では判断されません。在留を求める場合には、口頭審理を請求し、さらに異議の申出を経て法務大臣の裁決を受ける必要があります。

Q4 違反審査に通訳は付きますか。

日本語を理解できない方については通訳を介して行われるのが通例です。ただし、専門用語の訳が正確でないと、意図と異なる内容が調書に残ることがあります。理解できない点はその場で確認を求めてください。

Q5 違反審査の結果に不服がある場合、いつまでに動く必要がありますか。

認定の通知を受けた日から3日以内に口頭審理を請求する必要があります。期間が非常に短いため、認定の通知を受ける前の段階から方針を決めておくことが大切です。

おわりに

違反審査は、書面に署名するかどうかという一瞬の選択が、その後の道筋を決めてしまう手続である。しかも、その選択を迫られるのは、収容されて情報が限られた状況であることが多い。何に署名を求められているのかを理解できる状態を確保することが、この段階での最大の課題である。

外国人の刑事事件、とりわけ中国語圏の方の刑事弁護と、その後の在留資格の問題については、当事務所にご相談ください。接見・取調べへの対応・打合せに対応できる中国語の通訳体制を備えています。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。

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執筆者情報

弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)
主たる注力分野:中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護、出入国管理関係の行政訴訟
刑事手続と在留資格の問題を一体としてお取り扱いしております。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

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