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微罪処分とは|対象となる事件と起訴猶予との違い、記録の残り方と在留

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微罪処分とは|対象となる事件と起訴猶予との違い、記録の残り方と在留

微罪処分とは|対象となる事件と起訴猶予との違い、記録の残り方と在留

2026/09/04

微罪処分とは、司法警察員が、検察官があらかじめ指定した軽微な事件について、検察官に事件を送致せず、警察限りで手続を終える処理をいう。刑訴法246条は事件を検察官に送致しなければならないと定めているが、そのただし書が、検察官の指定した事件についてはこの限りでないとしており、これが根拠となる。

この記事の要点

  • 微罪処分は刑訴法246条ただし書に基づく例外的な処理であり、送検されずに終わる。
  • 対象となるのは、被害が僅少で被害が回復されているなど、ごく軽微な事件に限られる。
  • 微罪処分では前科は付かないが、捜査の対象となった記録である前歴は残る。
  • 訓戒のほか、親権者や雇主を呼び出して監督上の注意を与える取扱いが定められている。

微罪処分とは何か

微罪処分とは、警察が事件を検察官に送らずに終える処理である。日本の刑事手続では、警察が捜査した事件は全て検察官に送致するのが原則であり、これを全件送致主義という。送検を要しない例外を定めたのが刑訴法246条のただし書であり、検察官があらかじめ指定した類型の事件については、警察限りで処理を終えることができる。

指定は個別の事件ごとにされるのではなく、検察官が類型をあらかじめ示す形で行われる。したがって、どのような事件が対象になるかは地域によって差がありうる。

微罪処分の対象になるのはどのような事件か

被害が極めて軽微で、被害が回復され、被害者が処罰を求めていない事件に限られる。実際に多いのは、少額の万引き、自転車の窃盗、占有離脱物横領といった類型である。

考慮される事情微罪処分に向かう方向向かわない方向
被害の程度被害額が僅少である被害が大きい
被害の回復返還や弁償が済んでいる回復されていない
被害者の意向処罰を求めていない厳しい処罰を求めている
犯行の態様単独で計画性がない共犯や常習性がある
前科・前歴ない同種の処分歴がある
監督者家族や雇主の監督が期待できる引受人がいない

微罪処分になるとどうなるか

その場で手続が終わり、検察官による処分の判断は行われない。犯罪捜査規範により、微罪処分をする場合には、被疑者に対して厳重な訓戒を加え、親権者や雇主などを呼び出して監督上の注意を与え、被害者に対する被害の回復や謝罪の措置を講じさせることとされている。

処理された事件は、月ごとにまとめて検察官に報告される。逮捕されていた場合でも、微罪処分となれば釈放される。勾留まで進むことはない。

微罪処分と起訴猶予・不起訴は何が違うか

誰が判断するかという点が違う。微罪処分は警察の判断で終わるのに対し、起訴猶予を含む不起訴処分は検察官の判断である。

項目微罪処分起訴猶予
判断する者司法警察員検察官
送検の有無されないされる
前科付かない付かない
前歴残る残る
対象ごく軽微な事件に限られる類型の限定はない

微罪処分でも記録は残るのか

残る。微罪処分は前科にはならないが、捜査の対象となった事実は前科と前歴にいう前歴として記録に残る。後に別の事件で捜査を受けた場合、同種の処分歴があることは、処分や量刑の判断において考慮されうる。

したがって、二度目については微罪処分とならない可能性が高いと考えておくべきである。一度で終わらせるための生活環境の立て直しが、実際には最も重要になる。

微罪処分を得るために何ができるか

被害の回復と、監督する者の確保を早期に整えることである。被害品が残っていれば返還し、費消していれば弁償する。被害者が処罰を求めない意思を示してくれるのであれば、示談の書面を作成する。

また、身元を引き受け、監督する家族や雇主がいることを示す。これらは微罪処分の要件そのものではないが、警察が判断する際の材料になる。逮捕されている場合は時間が限られるため、弁護人が早期に動く必要がある。

外国人の事件で微罪処分が問題になるのはどのような場面か

刑事処分が軽く済んでも、在留の問題が同時に終わるわけではない点が問題になる。微罪処分は前科を生じないから、退去強制事由のうち刑罰を理由とするものには当たらない。しかし、捜査の過程で在留資格に関わる事情が明らかになれば、入管に情報が伝わることがある。

また、在留期間の更新や変更の審査では素行が善良であるかが考慮されるため、事情の説明を求められることがある。微罪処分で終わったこと、被害が回復されていること、監督する者がいることを資料で示せる状態にしておくことが望ましい。刑事手続と入管手続は、常に一体として見る必要がある。

よくあるご質問

Q1 微罪処分になると前科はつきますか。

つきません。微罪処分は検察官に事件を送らずに終える処理ですので、起訴も判決もなく、前科にはなりません。ただし、捜査の対象となった記録である前歴は残ります。

Q2 微罪処分だと会社や学校に連絡されますか。

微罪処分をする場合には、親権者や雇主などを呼び出して監督上の注意を与えるという取扱いが定められています。そのため、事案によっては家族や勤務先に連絡がされることがあります。誰に連絡するかは事案により異なります。

Q3 微罪処分になれば在留に影響はありませんか。

刑事処分としては最も軽い部類の処理ですが、影響が全くないとは言い切れません。前歴は残りますし、在留資格の審査で事情の説明を求められることがあります。事案の内容によっては入管に情報が伝わることも想定しておく必要があります。

Q4 微罪処分にしてほしいと求められますか。

微罪処分にするかどうかを決めるのは警察であり、権利として求められるものではありません。もっとも、被害の回復、被害者の意向、身元を引き受ける方の存在といった事情を早期に整えて伝えることには意味があります。

Q5 微罪処分の後で、被害者から損害賠償を請求されますか。

刑事の処理と民事の請求は別ですので、請求される可能性は残ります。示談を成立させ、清算条項を入れた書面を交わしておけば、後日の請求を防ぐことができます。

おわりに

微罪処分は、軽微な事件を早期に終わらせる仕組みであるが、警察の判断に委ねられており、当事者の側から求める権利はない。外国人の方の場合、刑事の処理が終わっても在留の審査で説明を求められることがある。記録が残ることを前提に、その後の備えまで考えておきたい。

外国人の刑事事件、とりわけ中国語圏の方の刑事弁護と、その後の在留資格の問題については、当事務所にご相談ください。接見・取調べへの対応・打合せに対応できる中国語の通訳体制を備えています。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。

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執筆者情報

弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)
主たる注力分野:中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護、出入国管理関係の行政訴訟
刑事手続と在留資格の問題を一体としてお取り扱いしております。

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