資格外活動許可とは|留学生の週28時間の枠と違反した場合の不利益
2026/09/04
資格外活動許可とは、在留資格に応じて認められた活動以外に、収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行おうとする外国人が、あらかじめ受けなければならない許可をいう。入管法19条に定められており、留学や家族滞在の在留資格でアルバイトをする場合に必要となる。
この記事の要点
- 在留資格ごとに認められる活動は決まっており、それ以外の報酬活動には許可が要る。
- 包括許可は、原則として1週について28時間以内という枠で与えられる。
- 留学生は、教育機関の長期休業期間中は1日について8時間以内とされる。
- 風俗営業等に係る業務は、包括許可の対象とされていない。
- 違反すると在留資格の取消しや退去強制につながることがある。
資格外活動許可とは何か
資格外活動許可とは、在留資格の枠を超えて働くことをあらかじめ認める許可である。日本の在留制度は、外国人が行う活動の種類ごとに在留資格を定める仕組みを採っており、与えられた在留資格に対応しない収入活動は原則として認められない。もっとも、留学生のアルバイトのように、本来の活動を妨げない範囲で報酬を受ける活動を認めることが相当な場合がある。そこで、事前の許可により例外的にこれを認めるのが本制度である。
資格外活動許可にはどのような種類があるか
許可には、勤務先を特定しない包括許可と、活動内容を特定する個別許可の二つがある。
| 項目 | 包括許可 | 個別許可 |
|---|---|---|
| 主な対象 | 留学、家族滞在などの在留資格 | 就労資格の者が別の報酬活動を行う場合など |
| 特定の要否 | 勤務先を特定せず、時間で制限する | 勤務先や活動の内容を特定して許可する |
| 時間 | 原則として1週について28時間以内 | 許可の内容による |
| 共通の制限 | 風俗営業等に係る業務は認められない | 同じく認められない |
1週について28時間はどのように数えるか
どの曜日を起点として数えても、いずれの1週間も28時間以内であることが必要と解されている。月曜日から日曜日までを1週として数えれば足りるという趣旨ではない。したがって、月末に集中して働いた場合、週をまたぐ数え方によって超過が生じることがある。複数の勤務先で働く場合は、合計時間で判断される。なお、留学生については、教育機関の長期休業期間中に限り、1日について8時間以内という枠が認められている。
資格外活動許可の申請はどう行うか
申請は、住居地を管轄する地方出入国在留管理局に対して行う。在留資格認定証明書により上陸する場合には、上陸の際に空港であわせて申請できる取扱いもある。許可されると、在留カードの裏面にその旨が記載され、資格外活動許可書が交付される。許可は在留期間に対応しているため、在留期間を更新した場合には、資格外活動許可についても改めて申請する必要がある。
許可を受けずに働くとどうなるか
在留資格の取消しや退去強制につながるほか、刑事責任を問われることもある。入管法上、資格外活動をもっぱら行っていると明らかに認められる者は退去強制事由に当たるとされており、罰則の定めも置かれている。専ら資格外活動を行っていたと認められる場合には、より重い法定刑が定められている。また、許可の枠を超えて働いていたことは、在留資格取消しの検討や、次回の在留期間更新許可の審査における素行の評価に影響する。
資格外活動違反と不法就労助長罪は何が違うか
問われる主体が異なる。前者は働いた本人の問題であり、後者は働かせた側の問題である。
| 項目 | 資格外活動 | 不法就労助長罪 |
|---|---|---|
| 主体 | 働いた外国人本人 | 雇用した者、あっせんした者 |
| 根拠 | 入管法19条に反する活動 | 入管法73条の2 |
| 在留への影響 | 在留資格の取消し、退去強制事由に当たりうる | 雇用主が外国人である場合、在留に影響しうる |
| 刑事責任 | 入管法に罰則の定めがある | 拘禁刑又は罰金が定められ、併科されることもある |
退学や卒業をした場合はどうなるか
資格外活動許可の前提が失われるため、その後の就労は認められない。許可は留学という在留資格に付随して与えられるものであり、在籍していないのに従前の許可でアルバイトを続けることはできない。退学や除籍の場合には、在留資格に応じた活動を行っていない状態が生じ、取消しの検討につながることもある。卒業して就職する場合には、就労資格への在留資格変更許可の申請が必要である。
外国人の刑事事件で資格外活動が問題になるのはどのような場面か
別の事件で摘発された際に、就労状況が調べられて発覚する場面が典型である。窃盗や交通事件で警察の取調べを受けた際に、勤務状況の説明から資格外活動が明らかになり、入管に通報されることがある。また、店舗が摘発された場合に、雇用主の不法就労助長罪とあわせて、働いていた側の資格外活動が問題とされることもある。刑事事件が軽微な処分で終わっても、在留への影響は別に検討する必要がある。
関連する語として、資格外活動罪、不法就労助長罪、就労資格証明書も併せてご覧ください。
よくあるご質問
Q1 1週について28時間は、どの曜日から数えるのですか。
どの曜日から数えた場合であっても、いずれの1週間も28時間以内でなければならないと解されています。月末にまとめて働くと、週をまたぐ数え方によって超過となることがありますので、シフトの管理には注意が必要です。
Q2 掛け持ちで2か所で働く場合はどうなりますか。
複数の勤務先で働く場合、その合計時間で28時間以内である必要があります。一方の勤務先が他方の勤務時間を把握していないことが多いため、本人が全体の時間を管理する必要があります。
Q3 居酒屋やパチンコ店で働くことはできますか。
包括的な資格外活動許可では、風俗営業等に係る業務に従事することは認められていません。店舗の営業形態によって判断が分かれますので、働き始める前に確認しておくことが必要です。
Q4 卒業したあとも、留学の在留期間が残っていれば働けますか。
資格外活動許可は留学という在留資格に伴うものですので、その前提を失った後の就労は認められません。卒業や退学の後は、在留資格の変更などの手続を検討する必要があります。
Q5 許可の時間を超えて働いてしまいました。どうなりますか。
在留資格の取消しや、次回の在留期間更新の不許可につながることがあります。超過の程度や経緯、その後の対応によって評価は異なりますので、事実関係を整理したうえでご相談ください。
おわりに
週28時間という枠は単純に見えるが、複数の勤務先、長期休業の扱い、週の数え方が絡むと、意図せず超過してしまうことがある。超過が判明した後は、事実を整理し、経緯とその後の是正を説明できるようにしておくことが大切である。学業や家庭の事情と収入の必要が重なる場面であり、事前に相談していただければ避けられることも多い。
外国人の刑事事件、とりわけ中国語圏の方の刑事弁護と、その後の在留資格の問題については、当事務所にご相談ください。接見・取調べへの対応・打合せに対応できる中国語の通訳体制を備えています。
本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。
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執筆者情報
弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)
主たる注力分野:中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護、出入国管理関係の行政訴訟
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