在留資格変更許可とは|相当の理由が必要とされる場面と主な変更のパターン
2026/09/04
在留資格変更許可とは、現に有する在留資格を、別の在留資格に変更することについて受ける許可をいう。入管法20条は、変更を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り、これを許可することができると定めている。日本に在留したまま活動の内容を変える場合に必要となる手続である。
この記事の要点
- 変更許可は、活動の内容が現在の在留資格に当たらなくなる場合に必要となる。
- 相当の理由があるときに限り許可されるもので、当然に認められるものではない。
- 短期滞在からの変更は、やむを得ない特別の事情がなければ許可されない。
- 離婚や死別で身分に基づく在留資格の前提を失った場合も、変更の検討が必要となる。
- 不許可の場合、出国準備のための在留が認められることがある。
在留資格変更許可とは何か
在留資格変更許可とは、日本を出ることなく、別の在留資格に切り替えるための許可である。日本の在留制度は活動の種類ごとに在留資格を定めているため、行う活動が変われば、対応する在留資格も変わる。留学生が卒業して就職する場合、就労している方が会社を設立して経営に回る場合、配偶者との婚姻関係が解消された場合などが典型である。同じ在留資格のまま期間だけを延ばす在留期間更新許可とは、審査の対象が異なる。
どのような場合に変更が認められるか
変更後の在留資格に該当する活動を現に行おうとしていること、そして変更を認めるのが相当であることが必要である。具体的には、変更後の活動が在留資格の定義に当てはまること、上陸許可基準が定められている在留資格ではその基準に適合すること、受入先が安定していること、これまでの在留状況に問題がないことなどが審査される。素行、納税、届出義務の履行といった点は、更新の場合と同様に考慮される。
主な変更のパターンにはどのようなものがあるか
実務でよく見られるのは次のような場面である。いずれも、審査の中心となる事項が異なる。
| 変更前 | 変更後 | 審査の中心 |
|---|---|---|
| 留学 | 技術・人文知識・国際業務 | 学んだ内容と職務内容の関連性、受入先の安定性 |
| 技術・人文知識・国際業務 | 経営・管理 | 事業の実在性、事業所の確保、事業計画の合理性 |
| 日本人の配偶者等 | 定住者 | 婚姻の期間、生活の基盤、子の監護の状況 |
| 就労資格 | 特定活動 | 就職活動や出国準備など、事情に応じた個別の判断 |
変更許可の手続はどう進むか
住居地を管轄する地方出入国在留管理局に申請し、審査を経て結果が通知される。申請には、変更後の活動を裏づける資料が必要である。就労資格であれば雇用契約書、勤務先の登記事項証明書、決算文書などが求められる。審査には相当の期間を要することがあるため、在留期間の満了が近い場合は早めの申請が必要である。許可されると新しい在留カードが交付され、在留資格と在留期間が書き換えられる。
短期滞在からの変更はできるか
原則としてできない。短期滞在の在留資格からの変更は、やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可しないものとされている。観光や商用で来日した方がそのまま就労資格へ移ることは想定されていないためである。したがって、日本で働くことを予定する場合は、いったん出国したうえで在留資格認定証明書の交付を受け、査証を取得して入国する方法を検討することになる。
変更が不許可になるとどうなるか
現在の在留資格のまま、その期間の満了まで在留することになる。もっとも、変更を申請した時点で従前の活動を続けていない場合には、在留の実態が失われているとみられ、在留資格取消しの検討につながることもある。在留期間が迫っている場合には、出国準備のための特定活動が認められ、その期間内に出国するか、資料を整えて改めて申請するかを選ぶことになる。判断そのものを争う場合には、取消訴訟を提起する方法がある。
離婚や死別があった場合はどうすればよいか
まず、離婚や死別から14日以内に、その旨を入管に届け出る必要がある。そのうえで、日本での生活を続けるのであれば、定住者などへの変更を検討する。婚姻期間の長さ、日本での生活の基盤、日本人の子を監護しているかどうかといった事情が重要になる。配偶者としての活動を継続して6か月以上行っていないことは在留資格取消しの事由にもなりうるため、放置せずに早期に方針を決めることが必要である。
外国人の刑事事件で在留資格変更が問題になるのはどのような場面か
刑事事件をきっかけに勤務先を離れ、活動の前提が失われる場面で問題になる。勾留が長引いて解雇された場合、留学生が退学となった場合などは、現在の在留資格に応じた活動を続けられなくなる。この場合、次の受入先を確保して変更を申請するか、出国準備の在留に移るかを選ぶことになる。刑事処分の内容は、変更の審査における素行の評価にも影響するため、示談や再発防止の取組みを記録に残しておくことが有益である。
関連する語として、就労資格証明書、特定活動、定住者も併せてご覧ください。
よくあるご質問
Q1 短期滞在で来日していますが、就労資格に変更できますか。
短期滞在からの変更は、やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可しないものとされています。原則としていったん出国し、在留資格認定証明書の交付を受けて入国し直す方法を検討することになります。
Q2 変更の申請中に働き始めてもよいですか。
現在の在留資格で認められていない仕事であれば、許可が出る前に始めることはできません。許可を待たずに働くと資格外活動の問題が生じ、その後の審査にも影響します。
Q3 離婚しましたが、日本に住み続けられますか。
配偶者の身分に基づく在留資格は、婚姻の実態を前提としています。婚姻期間、日本での生活の基盤、子の監護の状況などによっては、定住者などへの変更が認められる余地があります。まずは離婚から14日以内の届出を行ってください。
Q4 変更が不許可になった場合、もう一度申請できますか。
事情が変わった場合や、不許可の理由に対応する資料をそろえられる場合には、改めて申請することがあります。ただし、在留期間が迫っているときは、出国準備の在留を認められる期間との関係で余裕がないことが多いです。
Q5 転職しただけでも変更の申請が必要ですか。
職務の内容が現在の在留資格に含まれるのであれば、変更は不要です。この場合は契約機関に関する届出を行い、必要に応じて就労資格証明書の交付を受けておくと、次回の更新の際に説明しやすくなります。
おわりに
在留資格の変更は、進学、就職、結婚、離婚といった人生の節目にそのまま重なる手続である。生活の変化に手続が追いつかないまま時間が過ぎ、気づいたときには在留の前提が崩れていたという相談は少なくない。活動の内容が変わるときは、その時点で在留資格との関係を確かめておくことが、後の負担を大きく減らす。
外国人の刑事事件、とりわけ中国語圏の方の刑事弁護と、その後の在留資格の問題については、当事務所にご相談ください。接見・取調べへの対応・打合せに対応できる中国語の通訳体制を備えています。
本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。
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執筆者情報
弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)
主たる注力分野:中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護、出入国管理関係の行政訴訟
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