一般面会とは?逮捕後いつから家族は会えるか・差し入れ・接見禁止の解除を弁護士が解説
2026/10/13
一般面会とは、逮捕・勾留されている人に、家族・友人・勤務先の人など弁護士以外の人が、警察署の留置施設や拘置所で会うことをいいます。弁護士が行う「接見」と比べると、会える時期・時間・回数・話せる内容に大きな制限があります。
この記事の要点
- 逮捕直後(最長72時間)は、家族でも一般面会はできません。会えるのは勾留が決まった後です。
- 一般面会は、平日の日中・1日1回・職員の立会い付きで、時間は15〜20分程度が目安です。
- 差し入れは現金・衣類・本・手紙が中心です。警察署では食べ物の差し入れは受け付けないのが通常です。
- 接見禁止が付くと家族も会えません。ただし準抗告や一部解除の申立てで、家族との面会を求めて争えます。
- 弁護士は逮捕直後から、立会いなしで、夜間・休日も含めて接見できます。
逮捕された家族とは、いつから面会できますか?
結論:勾留が決まった後からです。逮捕から勾留決定までの最長72時間は、家族でも面会できません。
逮捕された人は、警察で最長48時間(刑事訴訟法203条1項)、検察官に送られてから24時間以内(同法205条1項)、合計で最長72時間(同条2項)身体を拘束され、その間に勾留するかどうかが決まります。
家族などとの面会を認める根拠は、刑事訴訟法80条です。
「勾留されている被告人は、第三十九条第一項に規定する者以外の者と、法令の範囲内で、接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。」(刑事訴訟法80条)
この規定は起訴前に勾留された被疑者にも及びます(同法207条1項)。逆にいえば、法律が一般面会を予定しているのは「勾留されている」人であり、逮捕段階の人には同じ規定がありません。そのため、実務上は逮捕中の一般面会は認められていません。
勾留は原則10日間、延長されると最長でさらに10日間です(同法208条)。起訴された後も勾留が続き、拘置所に移されることがあります。
| 段階 | 家族などの一般面会 | 弁護士の接見 |
|---|---|---|
| 逮捕〜勾留決定(最長72時間) | できない | できる |
| 起訴前の勾留中(最長20日間) | できる(接見禁止がなければ) | できる |
| 起訴後の勾留中 | できる(接見禁止がなければ) | できる |
| 接見禁止中 | できない(一部解除された人を除く) | できる |
一般面会にはどのようなルールがありますか?
結論:平日の日中、1日1回、職員の立会い付きで、15〜20分程度です。施設ごとに運用が違うため、行く前に電話で確認してください。
- 日時:平日の受付時間内です。土日祝日・年末年始は原則できません。
- 回数:本人1人につき1日1回が通常です。法律は施設が面会の回数などを制限することを認めつつ(刑事収容施設法220条5項)、回数の制限は「一日につき一回を下回ってはならない」としています(同条6項)。その日に別の人が先に面会していれば、会えません。
- 人数・時間:1回に3人程度まで、時間は15〜20分程度が目安です。
- 立会い:職員が立ち会い、録音・録画されることがあります(同法218条1項)。
- 話の内容:事件に関する話をすると、職員に制止され、面会を止められることがあります(同法219条1項)。
- 持ち物:身分証明書が必要です。取調べや検察庁への護送、実況見分で本人が不在の日もあります。
外国語での面会には注意が必要です。刑事収容施設法219条1項2号イは、「暗号の使用その他の理由によって、留置業務に従事する職員が理解できないもの」に当たる発言を制止・一時停止の対象としています。そのため、中国語など日本語以外での面会は、施設が通訳を手配できるかどうかなどにより、断られたり日本語での会話を求められたりすることがあります。ご家族が日本語を話せない場合は、事前に施設へ確認するか、弁護士にご相談ください。
差し入れは何ができますか?
結論:現金・衣類・本・手紙が中心です。食べ物や薬は警察署では受け付けないのが通常で、ひも付きの衣類なども断られます。
| 品目 | 可否の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 現金 | できる | 本人が施設内で日用品や食べ物を買うのに使えます。郵送は現金書留で。 |
| 衣類 | できる | ひも・ベルト・フードのひもが付いたもの、金具の多いものは不可。ひもは抜いて持参します。 |
| 本・雑誌 | できる | 冊数に上限があることが多く、書き込みやしおりの付いたものは断られることがあります。 |
| 手紙 | できる | 職員が内容を確認します。接見禁止中は手紙も止められるのが通常です。 |
| 写真 | 施設による | 枚数やサイズの制限があります。 |
| 眼鏡 | 施設による | 形状によっては断られます。 |
| 食べ物・飲み物 | 警察署では通常不可 | 拘置所では、施設内の指定売店の品物なら差し入れられます。 |
| 薬 | 原則不可 | 施設の医師の判断で処方されます。持病は弁護士を通じて伝えてください。 |
差し入れの受付は面会とは別で、面会できない日(逮捕中や接見禁止中)でも、現金や衣類なら受け付けてもらえることが多いです。施設が受け取りを断る場合については、刑事収容施設法193条1項が定めており、たとえば「刑事訴訟法の定めるところによりその者が交付を受けることが許されない物品であるとき」(同項2号)などが挙げられています。
接見禁止とは何ですか?
結論:裁判官の決定により、弁護士以外の人との面会や手紙のやりとりを禁止する処分です。家族も対象になります。
「裁判所は、逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるときは、検察官の請求により又は職権で、勾留されている被告人と第三十九条第一項に規定する者以外の者との接見を禁じ、又はこれと授受すべき書類その他の物を検閲し、その授受を禁じ、若しくはこれを差し押えることができる。但し、糧食の授受を禁じ、又はこれを差し押えることはできない。」(刑事訴訟法81条)
起訴前の勾留にも適用されます(同法207条1項)。共犯者がいるとされる事件、容疑を否認している事件、組織的な詐欺や薬物の事件などで付けられやすい処分です。決定には「公訴の提起まで」など期間が付くのが通常です。
条文の但書のとおり、食べ物(糧食)の授受までは禁止できません。また、決定の内容によっては新聞・雑誌・書籍の差し入れは除外されていることが多く、現金や衣類の差し入れも通常は受け付けられます。
接見禁止は解除できますか?
結論:解除を求めることはできます。家族に限った「一部解除」なら、認められることも多いです。
| 方法 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 準抗告 | 接見禁止の決定そのものの取消しを求めます。起訴前、または起訴後の第1回公判期日前に使います。 | 刑事訴訟法429条1項2号 |
| 抗告 | 起訴後、第1回公判期日後に裁判所がした決定に対して不服を申し立てます。 | 刑事訴訟法420条2項 |
| 一部解除の申立て | 配偶者・両親・子など特定の人について、面会や手紙を認めるよう裁判官の職権発動を求めます。 | 刑事訴訟法81条(職権) |
実際に効くのは、具体的な事情の積み上げです。たとえば、面会する家族は事件と関係がないこと、面会には職員が立ち会い事件の話はさせないと誓約していること、子の養育・仕事の引継ぎ・在留期限の手続など面会しなければならない生活上の理由があることを、資料とともに示します。外国人の方の場合、在留資格の更新や家族の生活について家族と話す必要があることは、重要な事情になります。
弁護士の面会(接見)ならいつでもできますか?
結論:ほぼいつでもできます。逮捕直後から、立会いなしで、回数や時間の制限もなく、接見禁止中でも会えます。
「身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(弁護士でない者にあつては、第三十一条第二項の許可があつた後に限る。)と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。」(刑事訴訟法39条1項)
法律上、弁護人の面会は平日の執務時間内が原則とされていますが(刑事収容施設法220条1項)、弁護人から時間外の申出があれば「留置施設の管理運営上支障があるときを除き、これを許すものとする」とされています(同条3項)。警察署では、夜間や休日でも接見できるのが実情です。起訴前に限り、捜査機関が接見の日時を指定することがありますが、その指定は「被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなものであつてはならない」とされています(刑事訴訟法39条3項)。
| 一般面会(家族など) | 弁護士の接見 | |
|---|---|---|
| 逮捕直後(72時間以内) | できない | できる |
| 日時 | 平日の日中のみ | 夜間・休日も可能 |
| 回数・時間 | 1日1回・15〜20分程度 | 制限なし |
| 職員の立会い | あり | なし |
| 事件の話 | 制止される | 自由に相談できる |
| 接見禁止中 | できない | できる |
家族が会えない72時間こそ、本人が最も不安で、取調べで不利な供述をしやすい時期です。この時期に黙秘権の使い方や供述調書への署名の注意を伝えられるのは、弁護士だけです。
外国人のご家族が逮捕された場合、当事務所は何ができますか?
結論:中国語での接見、全国への出張接見、在留資格への影響の説明まで、逮捕直後から対応します。
- 中国語での接見:事務所の中国語専属通訳または中国律師が接見に同行します。
- 全国へ出張接見:東京以外の警察署にも出張して接見します。
- 在留資格への影響の説明:初回接見で、刑事処分によって在留資格を失うリスクを正しく理解していただくことを重視しています。
- 取調べへの対応:取調べへの弁護人の立会いを積極的に求め、取調べ直前に警察官と協議して不当な取調べを牽制します。
- 接見禁止への対応:準抗告や一部解除の申立てで、ご家族が面会できるよう争います。
関連ページ:中国人の刑事事件/外国人の刑事事件/外国人の取調べと弁護人の立会い/外国人の刑事事件を弁護士に相談すべき場面/弁護士紹介
よくある質問
Q1. 逮捕された当日に警察署へ行けば、家族は会えますか?
会えません。逮捕から勾留決定までの最長72時間は一般面会ができないのが実務です。ただし、現金や着替えの差し入れは受け付けてもらえることが多いので、警察署に電話で確認してください。この間に本人と会えるのは弁護士だけです。
Q2. 家族は事件と関係ないのに、なぜ接見禁止で会えないのですか?
接見禁止は、家族を通じて共犯者や関係者に口裏合わせの伝言がされることなどを防ぐ目的で、弁護士以外の全員を対象に付けられるのが通常だからです。家族が事件と無関係であることを具体的に示せば、家族に限った一部解除が認められることがあります。
Q3. 差し入れは郵送でもできますか?
できます。現金は現金書留で、衣類や本は宅配便で、本人の氏名を明記して留置施設あてに送ります。受け付けない品物は返送されるため、送る前に施設の留置係に確認すると確実です。
Q4. 面会のときに事件の話をしてもよいですか?
避けてください。職員に制止され面会を止められることがあるだけでなく、会話の内容が記録され、捜査に使われるおそれもあります。事件のことは弁護士を通じてやりとりするのが安全です。
Q5. 接見禁止中でも、弁護士に家族の伝言を頼めますか?
事件に関係しない、本人の生活や健康に関する伝言であれば、弁護士が判断したうえで伝えられる場合があります。事件に関わる内容は、罪証隠滅を疑われないよう弁護士が慎重に扱います。
Q6. 中国語しか話せない家族でも面会できますか?
施設が通訳を手配できない場合、日本語以外での面会は断られることがあります。当事務所では中国語専属通訳または中国律師が弁護士の接見に同行し、ご家族の伝えたいことを本人に届けます。