解決事例
【窃盗・在留資格】元交際相手に従って万引きに関与した外国籍の会社員につき、一部不起訴・保釈を得たうえ、公判で罰金刑にとどめ在留資格への影響を回避
【窃盗・在留資格】元交際相手に従って万引きに関与した外国籍の会社員につき、一部不起訴・保釈を得たうえ、公判で罰金刑にとどめ在留資格への影響を回避
相談前
依頼者は、日本の大学院を修了し、就労系の在留資格で会社員として働いていた外国籍の女性です。前科・前歴はありませんでした。
依頼者は、当時の交際相手と一緒にスーパーマーケットに入った際、交際相手が主導した万引きに関与したとして、窃盗の疑いで逮捕・勾留されました。依頼者は、交際相手から長期間にわたり威圧的な言動を受けており、その指示に従って動いていたにすぎない立場でした。
就労系の在留資格(入管法別表第1)で在留する方は、窃盗罪で拘禁刑に処せられると、執行猶予が付いても退去強制事由に該当し得ます(入管法24条4号の2)。罰金刑にとどまるかどうかが、日本での生活を続けられるかの分かれ目でした。
相談後
身体拘束からの解放に向けて、勾留請求の却下を求める意見書、勾留決定に対する準抗告、釈放と不起訴を求める意見書を、順次提出しました。最初に逮捕された事件は処分保留で釈放となり、その後、不起訴処分となりました。被害店舗とは、示談と被害弁償の交渉も行いました。
別の店舗での事件は起訴されましたが、保釈請求が認められ、依頼者は自宅に戻ることができました。
公判では、商品の選定、隠匿、店外への持ち出しはいずれも交際相手が主導していたこと、依頼者は利益を一切得ていないことを、防犯カメラの解析結果や被害店舗側の証拠、交際相手とのやり取りの記録などから具体的に示しました。判決は罰金刑となり、拘禁刑は回避されました。
松村 大介 弁護士からのコメント
外国籍の方の窃盗事件では、「罰金か拘禁刑か」が在留資格に直結します。本件は公判請求された事件でしたが、依頼者の関与が従属的なものにとどまることを証拠で丁寧に示し、罰金刑で終えることができました。
起訴前の身柄解放、一部事件の不起訴、起訴後の保釈、公判での量刑と、手続の段階ごとに打てる手を打つことが大切です。中国語でのご相談にも対応しております(微信(WeChat)ID:matsumura1119)。
依頼者・関係者のプライバシー保護のため、事件の内容は一部抽象化しております。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
よくあるご質問
Q.窃盗で罰金刑になった場合、在留資格はどうなりますか。
A.罰金刑は、入管法24条4号の2の「拘禁刑に処せられた」場合には当たりません。ただし、次回の在留期間更新などで素行が考慮されることはあります。
Q.共犯とされた事件で、自分は従っただけという場合はどう争えますか。
A.誰が犯行を主導したか、利益を得たのは誰か、といった事情を、防犯カメラの映像や関係者のやり取りなどの客観的な証拠から示すことが考えられます。これらは量刑にも影響します。
Q.起訴された後でも、身柄の解放を求められますか。
A.起訴後は保釈を請求することができます(刑事訴訟法88条、89条、90条)。
Q.処分保留で釈放されるとはどういうことですか。
A.勾留期間が満了するまでに起訴・不起訴が決まらず、いったん釈放されることをいいます。その後に不起訴となる場合もあれば、在宅のまま起訴される場合もあります。