解決事例
【東京拘置所へ移送】被疑者ノートの夜間回収を争い、起訴後の被告人が拘置所へ移った事例
【東京拘置所へ移送】被疑者ノートの夜間回収を争い、起訴後の被告人が拘置所へ移った事例
依頼者: 被告人(勾留中)
相談前
起訴後も東京都内の警察署の留置施設に勾留されていた被告人の事件です。被告人は捜査段階から黙秘を続け、弁護人との接見の内容を被疑者ノートに書き留めていました。ところが留置施設は、毎晩午後8時ころになるとこのノートを回収し、翌朝まで警察官の管理下に置いていました。被告人は「秘密交通権の侵害の可能性は否定できない」と不安を訴えていました。
弁護活動
1 被告人に、毎晩「居室で所持し続けたい」と申し出てもらい、職員の回答と理由を手紙で弁護人に知らせてもらいました。5日間の回答は「危険品であるため」「一応危険品になりうるから」「必要性がないため」と日ごとに変わり、具体的な支障は一度も示されませんでした。
2 この5通の手紙を疏明資料として、勾留場所指定部分に対する準抗告と、職権による移監命令を求める上申書を同時に提出しました。被疑者ノートは接見と一体のものとして秘密交通権の保障を受けること(名古屋高判令和4年2月15日、札幌地判令和6年12月3日ほか)、抽象的なおそれでは制限できないこと(最大判昭和58年6月22日)、拘置所では居室で使えるノートが留置施設では使えないという差は憲法14条1項に反すること、熊本で同じ理由による勾留場所の変更例があることを主張しました。ノートの中身は秘密そのものであるため、裁判所には表紙のみを提出しました。
3 準抗告が棄却された後も、最高裁へ特別抗告を申し立てて争いました。
相談後
被告人は令和8年10月26日、東京拘置所へ移送されました。夜間にノートを取り上げられる環境を離れ、公判に向けた準備に落ち着いて取り組めるようになりました。同日、同じ事件の他の被告人全員についても、平等原則を理由に東京拘置所への移監を求める申立てを行っています。
松村 大介 弁護士からのコメント
「夜、ノートを持っていかれる。これで本当に大丈夫なのか」という依頼者の一言から始まった事件です。一度退けられても、記録を積み上げて手続を重ねることで、結論は動かせます。留置施設で被疑者ノートを取り上げられている方は、すぐにご相談ください。中国語の専属通訳または中国律師が接見に同行し、全国の警察署へ出張接見します。
解説記事:被疑者ノートの夜間回収は違法か
微信(WeChat)ID:matsumura1119
※依頼者が特定されないよう、事実関係の一部を抽象化しています。