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仮放免と監理措置はどう違うのか|令和6年6月施行の新制度と監理人の義務

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仮放免と監理措置はどう違うのか|令和6年6月施行の新制度と監理人の義務

仮放免と監理措置はどう違うのか|令和6年6月施行の新制度と監理人の義務

2026/09/05

入管の手続に入ったご家族について、いつまで収容されるのか、外に出す方法はないのかというご相談が続いています。従来この場面で語られてきたのは仮放免でしたが、令和6年6月10日に施行された改正入管法により、監理措置という別の枠組みが加わりました。名前は似ていても出発点が違う制度です。本記事では両者の違いと、監理人になる方が負う義務を条文と運用実績から整理します。

本記事の要点

  • 仮放免は収容された方を一時的に解く措置、監理措置は収容しないで手続を進める措置です。
  • 監理措置には監理人が必要で、主任審査官が承諾した方の中から選定します。
  • 監理人には生活状況の把握と届出・報告の義務があり、違反には過料の定めがあります。
  • 収容を続ける場合、3か月ごとに監理措置に付するかどうかを見直すことになりました。
  • 施行から令和6年末までの監理措置決定は1,123件、同期間の仮放免は127件です。

監理措置とは、どのような制度ですか

収容しないまま退去強制手続を進めるための制度です。監理人となる方を選び、その監督のもとで社会内での生活を続けながら手続を受けます。令和5年改正入管法により設けられ、令和6年6月10日から施行されました。

類型は二つあります。退去強制令書が出る前の収容に代わる監理措置(入管法44条の2)と、退去強制令書の発付後の監理措置(同法52条の2)です。前者は手続の入口の段階、後者は送還を待つ段階に対応します。全体像は退去強制・在留特別許可・監理措置で整理しています。

仮放免と監理措置は、何がどう違いますか

出発点が違います。仮放免はいったん収容された方の身柄を一時的に解く措置であり、監理措置はそもそも収容しないで手続を進める措置です。

項目仮放免監理措置
位置づけ収容を前提とし、一時的に解く収容しないで手続を進める
根拠入管法54条同法44条の2(退令前)・52条の2(退令後)
監理人不要(身元保証人を求められることはある)必要。主任審査官が選定する
保証金300万円を超えない範囲(同法54条2項)納付させることができる
就労原則として認められない退令前の類型では活動の許可を受けられる場合がある
在留特別許可の申請収容令書による収容中の方に申請権監理措置決定を受けた方に申請権(同法50条2項)

監理人にはだれがなれ、どのような義務がありますか

本人の親族や知人など、監理人となることを承諾している方の中から主任審査官が選定します。資格や職業の制限はありませんが、本人の生活を実際に把握できる関係にあることが前提になります。

監理人には、本人の生活状況等を把握し、入管当局から報告を求められたときに報告し、本人が逃亡した場合などに届け出る義務が課されます。正当な理由なくこれに違反したときは過料の定めがあります。監理人は本人を助ける立場である一方、当局に対する報告の主体でもあるという二面性を持ちます。この点をあらかじめご家族に説明しておかないと、後になって板挟みの負担が生じます。

運用の実際を見ると、出入国在留管理庁の統計では監理人の9割以上が親族・知人であり、同庁は施行後に所在不明となった方はいないとしています。

収容そのものの扱いは、どう変わりましたか

収容が当然の前提ではなくなりました。改正法では、収容を続ける場合に3か月ごとに監理措置に付するかどうかを検討することが義務づけられています。従来の長期収容に対する批判を踏まえた見直しです。

もっとも、見直しが自動的に解放につながるわけではありません。出入国在留管理庁の統計によれば、令和6年6月10日から同年末までの3か月ごとの見直しの報告128件のうち、監理措置決定に至ったものは10件でした。監理人となる方を用意し、住居と生活の見通しを具体的に示す準備が要ります。

施行後、実際にどのくらい使われていますか

監理措置は既に主要な手段になっています。出入国在留管理庁の統計によれば、施行日である令和6年6月10日から同年末までの実績は次のとおりです。

項目件数
監理措置決定1,123件
うち退去強制令書の発付前647件
うち退去強制令書の発付後476件
同期間の仮放免127件
3か月ごとの収容見直しの報告128件(うち監理措置決定10件)

件数の比を見れば、仮放免だけを考えて臨むのは実情に合いません。

監理措置中に働けますか。在留特別許可を申請できますか

就労については、退去強制令書の発付前の監理措置に限り、報酬を受ける活動の許可を受けられる場合があります。仮放免では原則として就労が認められないことと比べると、生活の維持という点で大きな差です。ただし許可されるかどうかは個別の判断です。

在留特別許可については、入管法50条2項が、収容令書により収容されている方と監理措置決定を受けた方に申請権を認めています。他方、同条3項により退去強制令書が発付された後は申請できません。申請の時期を逃さないことが決定的に重要であり、同条5項は考慮要素を法定化し、10項は不許可の場合に理由を付記した書面を交付すべきことを定めています。

刑事事件も抱えている場合、弁護士は何をしますか

刑事手続と入管手続を同時に設計します。刑事事件で身柄が解かれても、退去強制事由に該当する方は収容令書により入管に収容されることがあるからです。保釈の準備と監理措置の準備は、住居・身元引受人・生活の見通しという共通の材料の上に成り立ちます。

当事務所は起訴前の不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えたうえで、監理人となる方との面談、住居と生計の疎明資料の作成、在留特別許可の申請時期の管理までを一貫して担当します。退去強制事由の判断についても故意・過失の有無を争うべきだと主張し、不法就労助長罪が認定された事件で在留特別許可を得た実績もありますが、結果は個別の事情によります。ご相談は中国人の刑事事件・在留のご相談から承ります。

よくある質問

監理人になると、本人を監視しなければなりませんか

監視ではなく、生活状況を把握し、求められたときに報告する立場です。とはいえ届出の義務があり、違反には過料の定めがありますので、引き受ける前に内容を確認する必要があります。

中国にいる家族が監理人になれますか

本人の生活状況を実際に把握できることが前提となるため、日本にいる親族や知人にお願いするのが通常です。監理人の候補がいない場合は、まずご相談ください。

仮放免はなくなったのですか

なくなっていません。令和6年6月10日から同年末までの仮放免は127件で、収容されている方についての手段として残っています。

監理措置になれば在留資格が戻りますか

戻りません。監理措置は収容しないで手続を進めるための措置であり、在留資格を回復させる制度ではありません。在留を求めるのであれば、在留特別許可の申請を別途検討することになります。オーバーステイもご覧ください。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。

本記事は2026年9月時点の情報です。

中国人の刑事事件と在留資格の全体像は、中国人の刑事事件|逮捕から不起訴・退去強制までにまとめています。あわせてご覧ください。

執筆:松村大介(弁護士・第一東京弁護士会所属/登録番号59077)。舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田3-4-10 布施ビル本館3階)代表。外国人の刑事事件と在留(退去強制・在留特別許可)を主たる注力分野とし、中国語圏の依頼者の事件を数多く取り扱う。外国人事件専属の中国語通訳が在籍し、逮捕直後の接見から在留手続まで弁護士本人が一貫して対応する。

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