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不起訴になれば、在留資格はそのまま残りますか

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不起訴になれば、在留資格はそのまま残りますか

不起訴になれば、在留資格はそのまま残りますか

2026/09/05

不起訴処分を得たとき、ご本人もご家族も、これで元の生活に戻れると受け止められます。刑事手続の面では大きな前進です。しかし在留資格の面では、不起訴だから安心とは言い切れません。刑罰を要件としない退去強制事由と、在留資格の取消しという制度が残るからです。

本記事の要点

  • 不起訴は有罪判決ではないため、刑罰を要件とする退去強制事由(入管法24条4号チ・リ、4号の2)には当たりません。
  • 不法就労助長、資格外活動の専従、不法残留などは、刑事処罰がなくても行為だけで退去強制事由に該当します。
  • 在留資格の取消し(入管法22条の4)は刑罰とは別の制度で、令和7年は1,446件と過去最高でした。
  • 不起訴でも捜査記録は残り、更新・変更の審査で素行が善良かが考慮されます。
  • 上陸拒否事由(5条1項4号・5号)は刑に処せられたことが要件のため、不起訴なら該当しません。

この質問への直接の回答

不起訴は有罪判決ではありませんので、刑罰を要件とする退去強制事由には当たらず、在留資格が残る可能性は大きく高まります。ただし自動的に安泰になるわけではなく、刑事処罰を要しない退去強制事由、在留資格の取消し、更新の不許可という三つの経路が残ります。

不起訴でも退去強制されることはありますか

あります。入管法24条には、刑罰を要件とする類型と、行為があっただけで該当する類型があるからです。

刑事処罰を要しない主な類型は次のとおりです。24条3号の4は、事業活動に関して外国人に不法就労活動をさせた者などを対象とし、有罪判決を要しません。4号イは、在留資格に応じた活動を行わず、専ら他の事業の運営や報酬を受ける活動を行っていると明らかに認められる者、4号ロは不法残留、4号ヌは売春に関係する業務に従事する者です。資格外活動で不起訴でも、専ら別の仕事をしていたと認定されれば4号イの対象となり得ます。不法就労・オーバーステイで類型を整理しています。

不起訴なのに在留資格を取り消されることはありますか

あります。在留資格の取消しは、入管法22条の4の、刑罰とはまったく別の制度です。

同条1項のうち、1号から4号は偽りその他不正の手段により上陸許可や在留資格の変更・更新の許可を受けた場合です。5号は、別表第一の方が当該在留資格に係る活動を行わず、他の活動を行い、または行おうとして在留している場合。6号は、当該活動を継続して3か月以上行っていない場合で、いずれも正当な理由があるときは除かれます。

勾留が長引いて大学を除籍された、会社を解雇されたという場合、不起訴で釈放されても活動を行っていない状態が続きます。これが実務上もっとも見落とされる点です。庁の統計では令和7年の在留資格取消しは1,446件で過去最高、事由別では6号が999件(69.1%)、5号が350件(24.2%)です。取消しの前には意見の聴取があります。

不起訴の理由によって扱いは変わりますか

変わり得ます。嫌疑なしは嫌疑がない場合、嫌疑不十分は証拠が足りず有罪の立証が困難な場合、起訴猶予は嫌疑はあるが犯情や示談の成立を考慮して訴追しないという判断です。

いずれも前科は付きませんが、入管の審査では事件の内容と処分の理由の説明を求められることがあります。起訴猶予の事案では、示談の成立、被害の回復、再発防止の環境を資料で示せるかが分かれ目です。

在留を失い得る経路根拠不起訴でも問題となるか
刑罰を要件とする退去強制事由24条4号チ・リ、4号の2非該当
行為のみで該当する退去強制事由24条3号の4、4号イ・ロ・ヌ等該当し得る
在留資格の取消し22条の4第1項各号該当し得る
更新・変更の不許可21条3項、20条3項影響し得る
再入国の際の上陸拒否5条1項4号・5号非該当

不起訴の後、在留期間の更新は認められますか

可能性は高まりますが、当然ではありません。更新は入管法21条3項により、更新を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに許可されるとされ、庁のガイドラインでは素行の善良性が考慮要素とされています。

不起訴でも捜査を受けた事実は記録に残ります。入管法62条2項は、国または地方公共団体の職員が職務上、退去強制事由に該当すると思料する外国人を知ったときは通報しなければならないと定めており、入管が事件を把握している前提で準備してください。申請では経過を隠さず説明し、不起訴処分告知書、示談書、受入れ継続の資料を整えます。外国人刑事・在留Q&Aもご参照ください。

不起訴なら、一度帰国してもまた日本へ入れますか

不起訴の意味が非常に大きい場面です。入管法5条1項4号は1年以上の拘禁刑に処せられたことのある者を、5号は薬物に関する法令に違反して刑に処せられたことのある者を対象としますが、いずれも刑に処せられたことが要件で、不起訴であれば該当しません。

有罪判決なら、執行猶予でも刑期が1年以上なら4号に当たり、期間の定めなく上陸を拒まれます。薬物事件では罰金でも5号です。執行猶予と不起訴の差は、将来また日本へ来られるかにまで及びます。

不起訴を得るために、どの段階で何をすべきですか

勝負は逮捕から最長23日の間です。警察は48時間以内に送致し、検察官は24時間以内に勾留を請求、勾留は10日で延長は最長20日。この間に結論が出ます。

令和7年版犯罪白書によれば、令和6年の来日外国人の被疑事件の起訴猶予率は48.35%、起訴率は44.28%で、全体の40.38%を3.9ポイント上回ります。当事務所は執行猶予判決ではなく不起訴処分の獲得を最優先とし、刑事弁護と入管手続をひとつの事件として扱います。松村大介弁護士本人が接見から在留手続まで担当し、微信(WeChat ID:matsumura1119)で中国のご家族とも直接連絡が取れます。外国人の刑事事件と在留中国人の刑事事件・在留のご相談もご覧ください。

よくある質問

不起訴になれば前科は付きませんか

前科は付きません。前科は有罪判決の確定によって生じるものだからです。ただし捜査を受けた事実は前歴として記録に残ります。

不起訴になったことを会社に証明できますか

できます。刑事訴訟法259条により、公訴を提起しない処分をした場合、被疑者の請求があれば検察官はその旨を告げなければなりません。実務上は不起訴処分告知書を受け取ります。

勾留が長引いて会社を解雇されました。在留資格はどうなりますか

別表第一の方は、活動を継続して3か月以上行っていない状態になると、入管法22条の4第1項6号の検討対象となり得ます。ただし正当な理由があるときは除かれます。転職活動の状況ややむを得ない事情を意見の聴取で説明することが重要です。

起訴猶予でも、将来の永住許可に影響しますか

永住許可の審査では素行が善良であることが要件とされ、起訴猶予の事案が有利に働くことはありません。ただし経過年数や事案の内容が総合的に考慮され、一律に不可能とは限りません。

不起訴でも入管に収容されることはありますか

あり得ます。退去強制事由に該当する疑いがあれば、刑事手続とは別に違反調査が行われ、収容や監理措置の対象になることがあります。退去強制・在留特別許可・監理措置で説明しています。

本記事は2026年9月時点の情報です。

中国人の刑事事件と在留資格の全体像は、中国人の刑事事件|逮捕から不起訴・退去強制までにまとめています。あわせてご覧ください。

執筆:松村大介(弁護士・第一東京弁護士会所属/登録番号59077)。舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田3-4-10 布施ビル本館3階)代表。外国人の刑事事件と在留(退去強制・在留特別許可)を主たる注力分野とし、中国語圏の依頼者の事件を数多く取り扱う。外国人事件専属の中国語通訳が在籍し、逮捕直後の接見から在留手続まで弁護士本人が一貫して対応する。

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