在留カードとは|記載事項と届出義務、常時携帯義務と偽造カードの罰則
2026/09/04
在留カードとは、日本に中長期間在留する外国人に交付され、在留資格や在留期間等を証明する公的な身分証をいう。平成24年7月に始まった在留管理制度において、それまでの外国人登録証明書に代わるものとして導入された。
この記事の要点
- 交付を受けるのは中長期在留者であり、短期滞在の者や特別永住者には交付されない。
- 住居地を定めたときや変更したときは、14日以内に市区町村へ届け出る必要がある。
- 氏名や国籍などの記載事項が変わったときは、14日以内に入管へ届け出る。
- 16歳以上の者には常時携帯義務があり、提示を求められたときは提示しなければならない。
- 偽造または変造された在留カードの所持や行使には、重い罰則が定められている。
在留カードとは何か
在留カードとは、適法に在留していることを国が証明する書面であり、外国人にとっては身分証明書としての役割も果たす。銀行口座の開設、携帯電話の契約、賃貸借契約、就労の場面で提示を求められる。就職の際には、雇用主が就労できる在留資格かどうかを確認する資料にもなる。
他方、在留カードは義務も伴う。届出を怠り、あるいは携帯を怠ると、罰則の対象となるほか、在留期間の更新や永住許可の審査において在留状況が悪いと評価される。
在留カードは誰に交付されるか
結論として、3か月を超える在留期間が決定された者などの中長期在留者に交付される。
他方、在留期間が3か月以下の者、短期滞在の在留資格の者、外交または公用の在留資格の者、特別永住者、在留資格を有しない者には交付されない。特別永住者については、在留カードではなく特別永住者証明書が交付される。
在留カードには何が記載されているか
結論として、本人を特定する事項と、在留に関する事項が記載される。
| 区分 | 記載される事項 |
|---|---|
| 本人に関する事項 | 氏名、生年月日、性別、国籍および地域、住居地、写真 |
| 在留に関する事項 | 在留資格、在留期間および満了の日、許可の種類と年月日 |
| 就労に関する事項 | 就労制限の有無、資格外活動許可の内容 |
| カード自体の事項 | 在留カード番号、有効期間の満了の日 |
就労の可否を判断するときは、在留資格の欄だけでなく、就労制限の有無の欄と、裏面の資格外活動許可の記載を必ず確認する必要がある。
在留カードにはどのような義務が伴うか
結論として、住居地の届出、記載事項の変更届出、常時携帯および提示、返納の四つが中心である。
| 義務 | 内容 | 期限 |
|---|---|---|
| 住居地の届出 | 市区町村の窓口へ届け出る | 住居地を定めた日または移転した日から14日以内 |
| 記載事項の変更届出 | 氏名、生年月日、性別、国籍および地域の変更を入管へ届け出る | 変更が生じた日から14日以内 |
| 常時携帯と提示 | 16歳以上の者は常に携帯し、求められたときは提示する | 常時 |
| 返納 | 在留資格を失った場合や新しいカードの交付を受けた場合に返納する | 定められた期間内 |
このほか、所属機関や配偶者に関する届出が必要となる場合がある。勤務先を辞めたとき、転職したとき、配偶者と離婚または死別したときは、いずれも14日以内の届出が求められる。
在留カードの有効期間と更新はどうなるか
結論として、永住者以外は在留期間の満了の日までであり、永住者は別に定められた期間である。
永住者については、16歳以上の者は交付の日から7年、16歳未満の者は16歳の誕生日までが有効期間とされている。在留期間の定めがないことと、カードの有効期間があることは別の問題であり、有効期間が切れる前に更新の申請をしなければならない。永住者であるからカードの手続は不要であると誤解している例が少なくない。
偽造された在留カードを使うとどうなるか
結論として、入管法上の罪として重く処罰され、在留にも重大な影響が及ぶ。
在留カードの偽造や変造、偽造された在留カードの所持や行使については、入管法に罰則が定められている。実刑判決を受ければ退去強制事由に該当しうるほか、そもそも不法残留の状態を隠すために偽造カードを使っていた場合には、退去強制手続そのものが進むことになる。
知らずに他人から渡された在留カードを使ったという説明が通ることは容易ではない。事情を丁寧に説明する必要があるため、早い段階で弁護人を選任し、通訳を介した取調べの内容を確認しておくべきである。
外国人の刑事事件で在留カードが問題になるのはどのような場面か
結論として、職務質問での提示、偽造カードの使用、そして雇用主の確認義務の三つが典型である。
職務質問の際に在留カードを携帯していなければ、その場で事情を尋ねられ、身柄の拘束につながることがある。カードを提示できないこと自体が罰則の対象となる。
雇用する側にとっても、在留カードの確認は重要である。就労が認められない在留資格の者を働かせた場合、不法就労助長罪の問題が生じる。入管法73条の2は不法就労助長罪を定めており、知らなかったことについて過失がある場合にも処罰されうる。採用時に在留カードの原本を確認し、写しを保管しておくことが求められる。関連して不法残留の解説も参照されたい。
よくあるご質問
Q1 在留カードを家に置いたまま外出したら違反になりますか。
16歳以上の方には常時携帯義務がありますので、違反となりえます。提示を求められて提示できない場合は、より重い扱いを受けることがあります。外出の際は必ず携帯してください。
Q2 引っ越したときはどこに届け出ますか。
新しい住居地の市区町村の窓口に、移転した日から14日以内に届け出てください。入管ではなく市区町村である点にご注意ください。
Q3 在留カードをなくしてしまいました。
紛失や盗難に気付いた日から14日以内に、地方出入国在留管理局で再交付の申請をしてください。警察に届け出た際の受理番号などの資料が必要になります。
Q4 永住者ですが、カードの更新は必要ですか。
必要です。在留期間に定めがないことと、カードの有効期間があることは別の問題です。有効期間が満了する前に更新の申請をしてください。
Q5 従業員の在留カードは何を確認すればよいですか。
在留資格、在留期間の満了日、就労制限の有無の欄、裏面の資格外活動許可の記載を確認してください。原本を確認し、写しを保管しておくことをお勧めします。
おわりに
在留カードは身分証であると同時に、いくつもの義務を伴う書面である。届出の遅れや携帯の失念は、それ自体は小さな不注意に見えても、更新や永住の審査で在留状況として積み重なっていく。手元の記載事項と満了日を、折に触れて確かめておきたい。
外国人の刑事事件、とりわけ中国語圏の方の刑事弁護と、その後の在留資格の問題については、当事務所にご相談ください。接見・取調べへの対応・打合せに対応できる中国語の通訳体制を備えています。
本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。
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執筆者情報
弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)
主たる注力分野:中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護、出入国管理関係の行政訴訟
刑事手続と在留資格の問題を一体としてお取り扱いしております。
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