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独立生計要件とは|永住許可で求められる生計の安定と世帯単位の判断

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独立生計要件とは|永住許可で求められる生計の安定と世帯単位の判断

独立生計要件とは|永住許可で求められる生計の安定と世帯単位の判断

2026/09/04

独立生計要件とは、永住許可の要件の一つであり、日常生活において公共の負担とならず、その有する資産又は技能等からみて将来にわたり安定した生活が見込まれることをいう。入管法22条は、永住許可の要件として、独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有することを掲げている。判断は申請人個人ではなく世帯を単位として行われる。

この記事の要点

  • 入管法22条が定める永住許可の要件であり、生計の安定と継続性を問うものである。
  • 申請人本人に収入がなくても、世帯全体として生計が成り立っていれば足りる。
  • 収入額について公表された金額の基準はなく、扶養人数や収入の継続性を含めて判断される。
  • 日本人、永住者または特別永住者の配偶者および子については、この要件は求められない。
  • 税や社会保険料の未納は、この要件ではなく国益適合要件の中で評価される。

独立生計要件とは何か

独立生計要件とは、永住を認めても生活保護等の公的な扶助に頼ることなく暮らしていけるかどうかを問う要件である。永住許可に関するガイドラインは、日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等からみて将来において安定した生活が見込まれることと説明している。

ここで問われるのは、申請時点の収入額そのものではなく、生活が今後も継続して成り立つ見込みである。したがって、一時的に高収入があっても不安定な就労形態であれば評価は慎重になり、収入が特別に多くなくても長年同じ職場に勤めているのであれば安定していると評価されうる。

独立生計要件はどのように判断されるか

結論として、収入の額だけでなく、その安定性、継続性、扶養人数、保有資産を総合して判断される。主な視点は次のとおりである。

視点具体的な内容
収入の額世帯の年収。公表された金額の基準はない
収入の安定性雇用形態、勤続年数、勤務先の状況
扶養人数同一世帯で扶養している家族の人数
資産預貯金、不動産その他の資産の有無
将来の見込み今後も同様の生計が続くと見込まれるか

出入国在留管理庁は、独立生計要件について具体的な年収の基準を公表していない。世間ではさまざまな目安が語られているが、公的な基準ではないため、そのまま当てはめて安心することはできない。

世帯単位での判断とはどういうことか

結論として、申請人本人に収入がなくても、世帯として生計が成り立っていれば要件を満たしうる。

例えば、配偶者が安定した収入を得ており、申請人が家事や育児を担っている場合、世帯としてみれば公共の負担となるおそれはない。この場合、申請人本人の収入がないことのみを理由に要件を欠くとはされない。逆に、申請人に収入があっても、扶養している家族が多く世帯全体の生計が不安定であれば、慎重な判断がされる。

どのような資料を提出するのか

結論として、収入と納税の状況を示す公的な証明書が中心となる。世帯を単位に判断されるため、同居する家族の分もあわせて提出することが多い。

具体的には、住民税の課税証明書および納税証明書、源泉徴収票、在職証明書、確定申告書の控え、預貯金通帳の写し、不動産を保有していれば登記事項証明書などである。直近1年分だけでなく、数年分の推移を示す資料が求められることが通常である。転職や休職があった時期については、その事情を説明する書面を添えると審査の理解が得やすい。

独立生計要件が求められないのはどのような場合か

結論として、日本人、永住者または特別永住者の配偶者および子については、独立生計要件と素行要件は求められない。

これらの者については、国益適合要件のみが審査される。また、難民の認定を受けている者についても、独立生計要件が求められない取扱いがある。もっとも、要件が外れるからといって生活状況が一切問われないわけではなく、国益適合要件の中で在留状況や公的義務の履行が審査される。関連する要件は素行が善良であることおよび永住許可の解説も参照されたい。

独立生計要件と国益適合要件は何が違うか

結論として、前者は生計の安定を、後者は在留の状況や公的義務の履行を含む広い観点を問うものである。

比較項目独立生計要件国益適合要件
問われる内容生計の安定と継続性在留年数、公的義務の履行、公衆衛生上の観点など
税や保険料の未納直接の対象ではない公的義務の不履行として評価される
免除される者日本人等の配偶者および子免除されない

両者は別の要件であるが、実際の審査では相互に関連する。収入が不安定であるために税や保険料の納付が滞っている、という形で双方に影響することが多い。

外国人の事件で独立生計要件が問題になるのはどのような場面か

結論として、刑事事件による身柄拘束や解雇が、そのまま生計の基盤を崩してしまう場面である。

逮捕や勾留が長引けば、勤務先から解雇され、収入が途絶える。その結果、住民税や保険料の納付も滞り、永住許可はもとより在留期間の更新にも影響が及ぶ。刑事手続の早い段階で身柄の解放を目指すことは、量刑の問題であると同時に、その後の在留と生活を守る意味を持つ。

また、勾留中に会社との連絡が途絶えて退職扱いとなる例も少なくない。弁護人を通じて勤務先へ状況を説明し、在職を維持できないかを検討することが有用である。

よくあるご質問

Q1 年収がいくらあれば独立生計要件を満たしますか。

公表された金額の基準はありません。世帯の収入額に加え、扶養している家族の人数、収入の継続性、保有資産を総合して判断されます。世間で語られる目安は公的な基準ではありませんのでご注意ください。

Q2 自分には収入がありません。申請できますか。

独立生計要件は世帯を単位に判断されます。配偶者に安定した収入があり、世帯として生計が成り立っていれば、本人に収入がないことのみを理由に要件を欠くとはされません。

Q3 転職したばかりですが不利になりますか。

収入の継続性が問われるため、勤続年数が短いことは慎重に見られる場合があります。雇用契約書や在職証明書を添え、職務内容と収入が従前と同等以上であることを説明するとよいでしょう。

Q4 預貯金があれば収入が少なくても大丈夫ですか。

資産も判断材料になりますが、将来にわたる生計の見込みが重視されます。預貯金のみに頼る計画では足りないと判断されることがあります。

Q5 住民税を滞納しています。影響しますか。

未納は主として国益適合要件の中で公的義務の不履行として評価されます。滞納がある場合は、納付を済ませ、一定期間の履行実績を作ってから申請するのが安全です。

おわりに

独立生計要件は、金額の基準が示されていないため、申請の前に見通しを立てにくい要件である。収入の推移と扶養の状況を資料で示し、生活が今後も続く見込みを丁寧に説明することが結局は近道になる。

外国人の刑事事件、とりわけ中国語圏の方の刑事弁護と、その後の在留資格の問題については、当事務所にご相談ください。接見・取調べへの対応・打合せに対応できる中国語の通訳体制を備えています。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。

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執筆者情報

弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)
主たる注力分野:中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護、出入国管理関係の行政訴訟
刑事手続と在留資格の問題を一体としてお取り扱いしております。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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