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難民認定申請とは|要件と手続の流れ、仮滞在と不認定後の審査請求

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難民認定申請とは|要件と手続の流れ、仮滞在と不認定後の審査請求

難民認定申請とは|要件と手続の流れ、仮滞在と不認定後の審査請求

2026/09/04

難民認定申請とは、日本にいる外国人が、自らが難民に該当することの認定を法務大臣に求める申請をいう。難民条約が定める、人種、宗教、国籍、特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由とする迫害のおそれが要件となる。令和5年改正入管法により、難民に該当しない場合には補完的保護対象者に当たるかどうかも、同じ手続の中で判断されることとなった。

この記事の要点

  • 申請は、在留資格の有無にかかわらず、日本にいる外国人が行うことができる。
  • 審査では難民調査官による面接が行われ、迫害のおそれを裏づける資料の提出が求められる。
  • 不認定の場合は審査請求ができ、入管法61条の2の9に手続が定められている。
  • 申請中は原則として送還が停止されるが、令和5年改正により例外が設けられた。
  • 一定の要件を満たす申請者には、入管法61条の2の4に基づく仮滞在の許可がされることがある。

難民認定申請とは何か

難民認定申請とは、迫害のおそれがあるために本国に戻ることができない外国人が、その保護を求めて行う申請である。認定されれば、在留資格が与えられ、難民旅行証明書の交付を受けることもできる。

難民の要件は、人種、宗教、国籍、特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由として迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有することである。この5つの理由に結びつくかどうかが、審査の中心的な争点になることが多い。単に本国の治安が悪い、生活が苦しいという事情だけでは、この要件を満たすとは判断されにくい。

難民認定申請はどのように進むか

手続は、地方出入国在留管理局に申請書と資料を提出することから始まり、面接を経て、法務大臣による認定又は不認定の処分に至る。

申請書には、迫害を受けるおそれの内容、本国を出た経緯、迫害の主体との関係などを記載する。その後、難民調査官による面接が行われ、供述の一貫性や具体性が確認される。本国の政治情勢に関する報道、所属団体の資料、身体に残る傷の医学的所見、家族が受けた被害の資料などが、裏づけとして重要になる。通訳を介した面接では、細かなニュアンスが正確に伝わらないこともあるため、事前に事実関係を整理しておくことが欠かせない。

審査の間の在留はどうなるか

申請中は、原則として送還が停止され、一定の要件を満たす場合には仮滞在の許可を受けられる。

仮滞在は、在留資格を持たないまま申請した者について、退去強制手続を停止し、その間の法的地位を安定させる仕組みで、入管法61条の2の4に定めがある。もっとも、要件に該当しない場合には許可されず、退去強制手続が並行して進むことがある。就労の可否も含め、生活の基盤をどう確保するかは、申請の初期に確認しておくべき事項である。

不認定となった場合はどうすればよいか

不認定処分に対しては審査請求ができ、入管法61条の2の9に手続が定められている。

審査請求では、難民審査参与員の意見を聴いたうえで裁決がされる。ここで新たな資料を提出し、原処分が前提とした事実の誤りや評価の誤りを具体的に指摘することになる。審査請求も棄却された場合には、処分の取消しを求める訴訟を提起することが考えられる。訴訟には行政事件訴訟法14条の出訴期間の定めがあるため、裁決の通知を受けた時点で速やかに検討を始める必要がある。

難民認定と補完的保護は何が違うか

難民認定が難民条約の5つの理由による迫害を要件とするのに対し、補完的保護はその理由によらない迫害のおそれを対象とする。

比較項目難民認定補完的保護対象者の認定
要件条約の5つの理由による迫害のおそれその理由によらない迫害のおそれ
典型的な場面政治的意見や宗教を理由とする迫害紛争から逃れてきた場合など
判断の順序まず難民該当性が判断される難民に該当しない場合に判断される
認定の効果在留資格が与えられる難民に準じた保護が図られる

くわしくは補完的保護対象者および送還停止効の各記事を参照されたい。

外国人の刑事事件と難民認定申請はどう関係するか

刑事事件で処罰を受けたことは難民該当性そのものを左右しないが、送還停止効の例外や在留の可否には影響しうる。

令和5年改正により、重い刑に処せられた者については申請中でも送還が停止されない場合が定められた。また、退去強制手続と難民認定手続が並行して進むため、どちらの手続でどの主張を行うかを整理しないと、供述の食い違いが不利に働くことがある。刑事手続における供述、退去強制手続における陳述、難民認定手続における申立てが矛盾しないよう、全体を通じた方針を立てるべきである。

よくあるご質問

Q1 在留資格がなくても申請できますか。

できます。不法残留の状態にある方も申請すること自体は可能です。ただし、その場合は退去強制手続と並行して進むことがあり、仮滞在の許可を受けられるかどうかで扱いが変わります。

Q2 審査にはどのくらいかかりますか。

事案により大きく異なり、1年以上かかることも珍しくありません。審査請求まで進めばさらに時間を要します。長期化を前提に、生活の基盤と資料の準備を早めに整えることが大切です。

Q3 申請中に働けますか。

一律ではありません。在留資格の有無や仮滞在の許可の有無によって扱いが異なりますので、就労が認められる状態かどうかを必ず確認してください。無許可の就労は在留に重大な影響を与えます。

Q4 本国の状況が危険だと言えば認定されますか。

一般的な治安の悪さだけでは足りず、申請者個人が迫害を受けるおそれについて、具体的な事情と裏づけが求められます。誰から、どのような理由で、どのような不利益を受けるおそれがあるのかを、資料とともに示す必要があります。

Q5 何度でも申請できますか。

再度の申請は可能ですが、令和5年改正により、3回目以降の申請では送還が停止されない場合があります。難民等と認定すべき相当の理由がある資料を提出できるかどうかが重要になります。

おわりに

難民認定申請は、本国での経験を他人に説明し直す作業であり、当事者にとって負担の大きい手続です。話しにくい事情ほど審査では核心になり、資料の裏づけがないまま面接に臨むと、真実であっても信用されないことがあります。申請の前に、何をどう伝えるべきかを整理しておくことをお勧めします。

外国人の刑事事件、とりわけ中国語圏の方の刑事弁護と、その後の在留資格の問題については、当事務所にご相談ください。接見・取調べへの対応・打合せに対応できる中国語の通訳体制を備えています。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。

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執筆者情報

弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)
主たる注力分野:中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護、出入国管理関係の行政訴訟
刑事手続と在留資格の問題を一体としてお取り扱いしております。

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