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監理人とは|監理措置で選定される者の要件、責務、辞任と実務上の注意

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監理人とは|監理措置で選定される者の要件、責務、辞任と実務上の注意

監理人とは|監理措置で選定される者の要件、責務、辞任と実務上の注意

2026/09/04

監理人とは、監理措置に付された外国人について、その生活状況を把握し、必要な届出を行うなどして、当該外国人が逃亡せず手続に応じるよう監理する者として、主任審査官が選定した者をいう。令和5年改正入管法による監理措置の導入に伴って設けられた役割であり、令和6年6月10日から運用されている。監理人を確保できるかどうかが、収容を避けられるかどうかを事実上左右する。

この記事の要点

  • 監理人は、本人の親族、知人、雇用主、支援者などから、本人の同意を得て主任審査官が選定する。
  • 監理人には、本人の生活状況の把握、求めに応じた報告、逃亡等を知ったときの届出といった責務がある。
  • 届出を怠った場合の過料の定めが置かれており、身元保証人よりも法的な負担が重い。
  • 監理人は辞任することができるが、後任を選定できなければ監理措置が維持できなくなる。
  • 弁護士や支援者が監理人となることについては、本人との信頼関係との緊張を指摘する意見がある。

監理人とは何か

監理人とは、監理措置の実効性を担保するために置かれる、本人と入管当局との間に立つ立場の者である。監理措置は収容という物理的な拘束によらずに手続を進める仕組みであるため、本人の所在と生活状況を把握する誰かが必要になる。その役割を担うのが監理人である。

監理人は本人の代理人ではなく、本人の利益のためだけに行動する立場でもない。本人の生活を支えながら、他方で当局に対する報告や届出の義務を負うという、二つの方向を向いた立場に置かれる点に、この役割の難しさがある。

誰が監理人になれるか

監理人になれるのは、本人を監理することができると認められる者であり、法律上、親族に限られていない。

実際には、配偶者や親、成人した子といった家族のほか、勤務先の経営者や上司、長年の付き合いのある知人、支援団体の関係者、弁護士などが候補となる。選定にあたっては、本人との関係の緊密さ、日常的に接触できる距離にいるか、監理を行う意思と能力があるかが検討される。遠方に住んでいて年に数回しか会わない関係では、適格性が認められにくい。

監理人にはどのような責務があるか

監理人は、本人の生活状況を把握し、当局から求められた事項について報告し、一定の事実を知ったときは届け出る責務を負う。

場面監理人に求められる対応
日常本人の住居、生活の状況、就労の有無を把握する
当局からの求めがあったとき把握している生活状況について報告する
本人が逃亡し、又は所在が分からなくなったとき速やかに届け出る
本人が条件に違反していることを知ったときその事実を届け出る
監理を続けられなくなったとき辞任の手続をとる

届出を怠った場合には過料の定めが置かれている。仮放免における身元保証人が事実上の役割にとどまるのに対し、監理人は法律上の義務を負う立場であり、依頼する側も引き受ける側も、この違いを理解しておく必要がある。

監理人はどのように選定され、変更されるか

監理人は、本人側が候補者を示し、主任審査官が適格性を審査したうえで選定する。

候補者は、氏名、住所、本人との関係、監理を引き受けることについての同意を書面で示す。選定後に事情が変わり、監理を続けられなくなった場合には辞任することができる。ただし、辞任や死亡によって監理人が欠けた状態が続くと、監理措置そのものを維持できなくなり、収容へ戻るおそれがある。後任の候補をあらかじめ想定しておくことが、実務上は重要である。

弁護士や支援者が監理人になることには問題がないか

法律上は妨げられていないが、弁護士会からは、依頼者との信頼関係と監理人の届出義務とが緊張関係に立つとの指摘がされている。

弁護士は依頼者の利益のために行動し、職務上知り得た秘密を守る義務を負う。他方で監理人は、本人の条件違反を知ったときに届け出ることを求められる立場である。この二つを一人が兼ねると、依頼者が弁護士に本当のことを話しにくくなるおそれがある。支援団体の関係者についても、同様の問題が生じうる。誰に監理人を依頼するかは、こうした構造も踏まえて検討する必要がある。

外国人の刑事事件で監理人が問題になるのはどのような場面か

刑事事件を経て在留資格を失った方について、収容を避けられるかどうかは、監理人となる人を見つけられるかにかかっていることが多い。

刑事手続の段階から、身元引受人となる家族や雇用主との関係を書面で整えておけば、その資料はそのまま監理人の適格性を示す資料として使える。監理措置を求めるか、仮放免を求めるかの判断も、監理人の当てがあるかどうかで変わってくる。

よくあるご質問

Q1 監理人は家族でなければなりませんか。

家族に限られません。勤務先の関係者や知人、支援団体の方が監理人となる例もあります。重視されるのは、本人と日常的に接することができる関係にあるかどうかです。

Q2 監理人になると、本人が逃げたときに責任を負いますか。

本人の逃亡について監理人が刑事責任を負うわけではありません。もっとも、届出の義務を怠った場合には過料の定めがあります。引き受ける前に、どのような義務があるのかを具体的に確認してください。

Q3 監理人は途中でやめられますか。

辞任することはできます。ただし、後任の監理人を選定できなければ、監理措置が維持できなくなり、本人が収容されるおそれがあります。辞任を考える場合は、早めに本人側と調整することをお勧めします。

Q4 監理人は本人の生活費を負担しなければなりませんか。

生活費の負担そのものが監理人の法律上の義務とされているわけではありません。ただし、本人の生活が成り立つかどうかは監理措置の判断で考慮されるため、生活費をどう賄うかの説明は求められます。

Q5 監理人が見つからない場合はどうなりますか。

監理措置を利用することが難しくなります。その場合は、収容されたうえで仮放免を請求する方法を検討することになります。候補が全くいないのか、条件を説明すれば引き受けてもらえる方がいるのかを、まず整理してください。

おわりに

監理人は、身柄を解くための鍵であると同時に、引き受ける方にとっては重い役割です。届出の義務や辞任の効果を知らないまま名前を貸してしまい、後になって困る例も見受けられます。誰に依頼するか、どう説明するかは、収容を避けられるかどうかに直結する問題です。

外国人の刑事事件、とりわけ中国語圏の方の刑事弁護と、その後の在留資格の問題については、当事務所にご相談ください。接見・取調べへの対応・打合せに対応できる中国語の通訳体制を備えています。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。

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執筆者情報

弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)
主たる注力分野:中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護、出入国管理関係の行政訴訟
刑事手続と在留資格の問題を一体としてお取り扱いしております。

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