舟渡国際法律事務所

許可を取らずに店を始めてしまったとき|食品衛生法・風営法の無許可営業と、資格外活動という二つ目の壁

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許可を取らずに店を始めてしまったとき|食品衛生法・風営法の無許可営業と、資格外活動という二つ目の壁

許可を取らずに店を始めてしまったとき|食品衛生法・風営法の無許可営業と、資格外活動という二つ目の壁

2026/09/08

「開店してしばらく経ったころ、保健所の職員と警察官が一緒に店へ来た」。飲食や深夜営業のご相談は、こうした場面から始まることが少なくありません。手続を後回しにしたまま営業していた、知人に名義を借りて店を回していた、そうした事情も珍しくはありません。外国人の方の場合、無許可営業という刑事の問題と、在留資格の枠を超えて事業を営んでいたという入管の問題とが、別々の機関の手で並行して進みます。本記事では、その二つを分けて整理します。

本記事の要点

  • 飲食店の営業は食品衛生法上の許可制で、無許可営業には拘禁刑を含む罰則があります。
  • 深夜の酒類提供や接待を伴う営業は風営法の許可・届出の対象で、これを欠けば罰則の対象です。
  • 活動範囲を超えて事業を営めば資格外活動(入管法19条1項)となり、24条4号ハや22条の4に及びます。
  • 就労資格のない方を働かせれば、不法就労助長罪(入管法73条の2)と24条4号ヌが問題です。
  • 刑事が終わっても在留は残るため、起訴前の不起訴処分に意味があります。

飲食店の営業には許可が要ります

結論から申し上げます。飲食店を営むには保健所を通じて食品衛生法上の営業許可を受ける必要があり、許可のないまま営業すれば同法の罰則の対象となります。この罰則には拘禁刑を含むものが定められています。深夜0時を過ぎて主に酒類を提供する営業や接待を伴う営業は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)の許可または届出の対象で、これを欠く営業も罰則の対象です。適用条文や法定刑は営業形態により異なるため、弁護士にご確認ください。

外国人にとっての二つ目の壁

刑事が片付いても、在留の問題は残ります。在留資格には認められた活動の範囲があり、これを超えて収入を伴う事業を運営すれば入管法19条1項の資格外活動に当たります。就労が認められる資格でも、認められるのは雇用契約に基づく活動であって、事業の経営までは含みません。資格外活動を専ら行っていると明らかに認められれば入管法24条4号ハの退去強制事由に該当し得ますし、同法22条の4の在留資格取消しも問題となります。

名義だけを他人にしていた場合

経営・管理の在留資格を持たないまま実質的に店を経営していた構図は、「名義は知人のもの」という形で現れます。入管も捜査機関も、届出上の名義ではなく事業の実体を見ます。開業資金を誰が出し、口座を誰が管理し、従業員の採否を誰が決めていたか。名前を貸しただけという説明も資料の裏付けがなければ通りにくく、双方が危うい立場に置かれます。

店で働いていた人の在留資格

就労資格のない方を働かせていた場合には、入管法73条の2の不法就労助長罪が問題となります。同罪は、知らなかったことに過失がなかったと示せない限り責任を免れない構造で、在留カードを見せられたから信じたという説明では足りないことがあります。この行為は入管法24条4号ヌの退去強制事由でもあります。なお入管実務では、退去強制事由の判断に故意・過失を要件としない立場が長く採られてきました。責任主義が行政処分にどこまで及ぶかは検討の余地があり、当事務所はこの点を問う訴訟を提起した経験があります。現在も議論が続く論点です。

逮捕直後の72時間と、不起訴処分という目標

身柄を取られた場合の流れは他の事件と変わりません。逮捕から48時間以内に検察官へ送致され、検察官は24時間以内に勾留を請求するか判断します。この72時間、ご家族は原則面会できません。勾留が決まれば原則10日、延長で最大20日です。初動で大切なのは、黙秘権の行使、早期の弁護人選任、通訳の質の確認です。

保健所、警察、入管は別の根拠で動くため、刑事が終わっても在留の問題は残ります。入管法24条4号リは無期または1年を超える拘禁刑を退去強制事由とし、全部執行猶予は除かれますが、刑が軽くとも前科という事実が入管法21条の更新審査で素行として評価されます。だからこそ起訴前に不起訴処分を目指す意味があります。営業許可の取得や是正、従業員の就労の可否を確認する体制を資料に残しておくことも力になります。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所は東京都豊島区に事務所を構え、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に力を注いでいます。代表の松村大介弁護士は第一東京弁護士会所属です(登録番号59077)。

冤罪により不法就労助長罪に問われ、強制退去の危機に瀕した女性の事案では、退去強制事由に故意・過失は不要とする従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起し、上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められています。

外資系企業の支配権をめぐる紛争では、依頼者側の勝訴を獲得しました。誰が実質的に事業を動かしていたのかを資料で立証する作業は、名義が問題となる営業事案とも通じます。

特殊詐欺の出し子行為に関わったとされた20代女性の事案では、指示役からの欺罔や脅迫的な状況、犯意の不存在といった主観的事情を総合的に主張し、不起訴処分を獲得しました。

当事務所では、接見の初動から公判の結審まで松村弁護士が全工程を直接担当し、事務員や若手弁護士が代わりに対応することはありません。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、捜査機関の通訳とは別にご本人のために動きます。在留資格の手続は提携の行政書士と連携し、退去強制手続へ進んだ場合も在留特別許可の獲得実績を踏まえて対応いたします。

結語

店を始めたときの気持ちを伺うと、家族を養いたかった、自分の腕で勝負したかった、という言葉が返ってきます。手続を欠いた責任は残りますが、そこに至った経緯とその後どう立て直したかは、誰かが丁寧に聞き取り、記録に残す必要があります。刑事と入管の流れを見通し、何から整えるかを決めていけば、進める道は残されています。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。

過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年9月時点の情報です。

執筆者 松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

舟渡国際法律事務所ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/微信ID:matsumura1119

中文版(简体字):未取得许可就开店时|食品卫生法・风营法的无许可营业,与资格外活动这第二道墙

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