ご家族のための公判傍聴ガイド 開廷日の調べ方から判決の日、その後の入管手続まで
2026/09/09
ご家族が起訴され、これから裁判が始まるという段階になりますと、いつ、どこで開かれるのか、自分も法廷に入れるのか、という疑問に突き当たります。日本の刑事裁判は原則として公開されており、傍聴席には特別な手続なしに入れます。もっとも、法廷の言葉は日本語で、通訳人は被告人のために付されますから、傍聴席のご家族に内容がそのまま伝わるとは限りません。開廷日の調べ方から判決の日、その後の入管手続までを順にご説明いたします。
本記事の要点
- 刑事裁判は原則として公開され、傍聴席には特別な手続なしに入れます。
- 開廷の日時は開廷表で確認でき、弁護人からもお伝えできます。
- 法廷通訳は被告人のためのもので、傍聴人に通訳は付きません。
- 判決の日は刑の内容で身柄の扱いが分かれ、控訴の期間は14日間です。
- 外国籍の方は判決の後に入管の手続が続き、執行猶予でも退去強制事由に当たり得ます。
開廷日の調べ方と傍聴の仕方
起訴からおおむね1か月半から2か月ほどで第1回の公判期日が指定されます。期日は弁護人からお伝えできるほか、庁舎内に掲示される開廷表でも確認できます。電話では事件を特定できなければ回答が得られないことがあります。
- 傍聴券が必要な事件を除き、開廷時刻に法廷へ入れば足り、身分証の提示は原則として不要です。
- 写真撮影、録音、録画は許されていません。メモを取ることは認められています。
- 被告人に声をかけたり手を振ったりすることは避けてください。その後の受け答えに影響します。
法廷通訳は誰のためのものか
法廷の通訳人は、被告人が手続を理解し自ら述べるために付されるものであって(刑事訴訟法175条)、傍聴席のご家族のためのものではありません。ご家族が経過を把握するには、弁護人からの説明が要となります。
第1回公判の流れ
- 人定質問。氏名、生年月日、国籍、住居、職業を尋ね、本人であることを確認します。
- 起訴状の朗読。審理の対象が示されます。
- 黙秘権等の告知と罪状認否。内容を認めるか争うかを述べます。
- 冒頭陳述と証拠調べ。争いのある事件では証人尋問が行われます。
- 被告人質問。ご家族が情状証人として証言されることもあります。
- 論告求刑、弁論、最終陳述の後に結審し、2週間ほど後に判決の日が指定されます。
判決の日に何が起きるか
判決は公判廷で言い渡され、主文が先に述べられて理由が続きます。刑の全部の執行猶予が付されれば、勾留されていた方はその日のうちに釈放されるのが一般的です。他方、実刑の判決では、保釈中であっても保釈はその効力を失うとされ(刑事訴訟法343条1項)、その場で身柄を拘束されることがあります。
控訴の期間は14日間で(刑事訴訟法373条)、言渡しの日は算入せず翌日から数えます。外国籍の方は入管の手続との兼ね合いも関わりますので、その日のうちに弁護人と方針をご相談ください。
判決の後も手続は終わらないことがある
刑事の判決が確定しても、外国籍の方の場合には入管の手続が続くことがあります。入管法24条4号リは無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を対象とし、刑の全部の執行猶予が付いた場合は除かれます。他方、4号チに掲げられた薬物関係の法令違反などは刑の重さを問わず該当し得ます。
実刑判決の場合、服役を終えた後にそのまま入管の職員に引き継がれ、収容施設へ移されることがあります。出所の日に迎えに行けば会えると思っていた、という行き違いも起きますので、判決の前に弁護人へご確認ください。なお、退去強制事由の判断に故意や過失を要しないとされてきた実務については、当事務所は責任主義の射程を問う訴訟を提起し、現在係争中です。
不起訴処分の重要性
執行猶予を最終目標に据える組み立ては、在留を守る観点からは足りません。当事務所は、起訴前の段階での不起訴処分の獲得を最優先の目標としております。すでに起訴された後でも、判決後の在留特別許可を見据えて整えておくべき資料があります。
判決の日までにご家族が準備できること
- 身元引受書。同居して監督できる方が再犯防止を約束する書面で、日本人配偶者や親族などにお願いします。
- 住居の確保。釈放後の生活の場が定まっていることは、量刑にも在留の判断にも影響します。
- 就労先の確保。在留資格に適合する就労であることが前提です。
- 生活の実態を示す資料。在職の期間、納税の記録、お子様の在学の状況など。
ご家族がしてはならないこと
被害者の方、共犯とされている方、証人となる方へ、ご家族が直接連絡を取ることは避けてください。罪証を隠滅しようとしたと評価されれば保釈は認められにくくなり、量刑にも響きます。示談の申入れは弁護人を通じて行います。
初動対応で押さえておきたい3つのポイント
- 黙秘権。取調べでは供述を拒むことができます(憲法38条1項、刑事訴訟法198条2項)。曖昧なまま署名しないようお伝えください。
- 早期の弁護人選任。勾留の可否や在留への影響の見立ては、初期の数日で決まります。
- 通訳の質。捜査機関の通訳とは別に、ご本人とご家族のために動く通訳が必要です。
当事務所のご案内と解決事例
当事務所では、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで直接担当いたします。外国人事件専属の中国語通訳が常駐し、期日の後のご説明や中国本土のご家族への連絡にもご利用いただけます。
- 国際的な刑事事件、裁判員裁判の対象事件、世界的に報道された事件への対応経験を有しており、審理が長期に及ぶ事件でもご家族への説明を欠かさない体制を取っております。
- 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者の事案では、徹底した証拠分析と被告人質問・反対尋問により無罪判決を獲得いたしました。
- 在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された方の事案では、婚姻と認知の手続を実現させ、入管当局の過去の許可事例を分析して、1回の申請で在留特別許可を獲得いたしました。
過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
結語
傍聴席にご家族の姿があることは、ご本人にとって大きな支えとなります。判決の日は一つの区切りですが、外国籍の方の場合、そこから入管の手続が始まることもあります。準備できることを一つずつ整えていけば、恐れることばかりではありません。刑事と入管の双方を見据えて動ける弁護人を選任することで、道は開けます。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
本記事は2026年9月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
中文版(简体字):给家属的公判旁听指南 从开庭日期查询到宣判当日,以及其后的入管手续
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東京を中心に刑事事件の弁護
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