舟渡国際法律事務所

自宅に家宅捜索が入ったご家族へ 押収された物と、これからの手続の流れ

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自宅に家宅捜索が入ったご家族へ 押収された物と、これからの手続の流れ

自宅に家宅捜索が入ったご家族へ 押収された物と、これからの手続の流れ

2026/09/05

朝早く、警察官が令状を持って自宅に入ってきた。部屋を調べられ、携帯電話やパソコン、書類が持って行かれた。ご本人がそのまま連れて行かれた場合もあれば、その日は帰宅を許された場合もあります。突然のことに、何が起きているのか分からないまま不安な時間を過ごしておられるご家族が少なくありません。この記事は、確認すべきこと、してはいけないこと、これから何が起きるのかを順にご説明するものです。

本記事の要点

  • 捜索差押許可状には被疑者の氏名と罪名が記載され、処分を受ける方に示さなければなりません(刑事訴訟法219条1項、110条)。
  • 押収された物については押収品目録交付書が交付されます(同法120条1項)。必ず保管してください。
  • 逮捕されずに帰宅した場合でも捜査は続いており、後日の呼出しや逮捕がありうる段階です。
  • 関係者への連絡、データの削除、口裏合わせは罪証隠滅と評価され、身体拘束の理由となりえます。
  • 外国籍の方の場合、罪名によって在留への影響が大きく異なります。

令状で確認していただきたいこと

令状に何が書かれていたかが、見通しを立てる出発点になります。捜索差押許可状は裁判官が発付するもので(刑事訴訟法218条1項)、被疑者の氏名、罪名、差し押さえるべき物、捜索すべき場所などが記載されます(同法219条1項)。令状は処分を受ける方に示さなければなりません(同法110条、222条1項)。

その場では動転してしまうものですが、可能な範囲で罪名と被疑者の氏名を控えておいてください。罪名が分かるだけで、弁護人が立てられる見通しは変わります。

押収品目録交付書は必ず保管してください

押収があったときは、その目録を作り、所有者や保管者等に交付しなければならないとされています(刑事訴訟法120条1項、222条1項)。何がいつ持って行かれたかを示す公的な記録であり、返還を求めるときにも、押収の範囲を争うときにも必要になります。写真を撮って別に保存しておかれると安心です。

逮捕されなかった場合でも、捜査は続いています

家宅捜索を受けたが逮捕はされなかった、という場合、事件が終わったわけではありません。押収された物の解析には時間がかかり、その間に関係者の取調べが進み、後日、任意の呼出しや逮捕状の請求に至ることがあります。弁護人が捜査機関と連絡を取り、取調べへの対応を準備できる余地が最も大きい時期でもあります。

してはいけないこと

関係者への連絡、データの削除、口裏合わせは、絶対に避けてください。罪証隠滅と評価されるからです。勾留の要件には罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があること(刑事訴訟法60条1項2号)が含まれ、後の保釈の判断にも影響いたします。

削除したデータが復元されることも珍しくなく、端末を初期化した事実自体が不利に扱われることもあります。ご不安な点はご自身で判断なさらず、弁護人にお尋ねください。

押収された物を返してもらう手続

留置の必要がない押収物は、事件の終結を待たずに還付しなければならないとされ(刑事訴訟法123条1項)、所有者や保管者等の請求により仮に還付することもできます(同条2項)。捜査段階の押収にも準用されます(同法222条1項)。実務では弁護人を通じて仮還付を申し入れます。処分に不服があれば、裁判所に取消し又は変更を求めることもできます(同法430条)。

在留カードや旅券が押収された場合

在留カードや旅券は、常に携帯すべきものとされています(入管法23条)。手元にないのはやむを得ませんが、押収品目録交付書で事情を説明できるようにしておいてください。更新申請等に支障が生じますので、早めに弁護人にお伝えください。

逮捕された場合の72時間

ご本人が逮捕された場合、最初の3日間が勝負です。司法警察員は身体を拘束した時から48時間以内に検察官へ送致する手続をしなければならず(刑事訴訟法203条1項)、検察官は受け取った時から24時間以内に勾留を請求しなければなりません(同法205条1項)。この時間は身体拘束の時から72時間を超えられません(同条2項)。

外国籍のご家族の場合に、あわせて考えること

罪名によって、在留への影響はまったく異なります。ここを取り違えると方針を誤ります。

  • 入管法24条4号チ(薬物事犯)は、有罪の判決を受けたこと自体が退去強制事由とされ、刑の軽重を問いません。
  • 同号リは無期又は1年を超える拘禁刑が対象ですが、刑の全部の執行猶予の言渡しを受けた方は除かれます。
  • 同号イ・ロは、資格外活動を専ら行っていると明らかに認められる場合と、在留期間を経過して残留している場合です。

退去強制に至らない場合でも、在留期間の更新は法務大臣が相当の理由を認めたときに限られ(入管法21条3項)、在留資格の取消し(同法22条の4)も生じえます。

不起訴処分を最優先の目標に据えます

類型によっては、執行猶予判決を得ても在留資格を守れません。ですから当事務所は、起訴前から不起訴処分の獲得を最優先の目標に置きます。

なお入管実務は、退去強制事由の判断に故意・過失を要件としないとの立場ですが、この点は現在も争われている論点です。松村大介弁護士は責任主義の射程を問う訴訟を担当し、上訴審まで争ってまいりました。結論は断定できませんが、故意が争点となる類型では刑事段階で争っておくことが後の入管手続の土台になります。

初動でお願いしたい3点

  • 黙秘権を行使する。記憶が曖昧なまま、通訳を介した不正確なやり取りのまま調書に署名しないことです。
  • 早期に弁護人を選任する。72時間の中で動ける弁護人が必要です。ご家族からのご連絡で足ります。
  • 通訳の質を確かめる。捜査機関が手配する通訳とは別に、ご本人のために動く立場の通訳が要ります。

当事務所のご案内

当事務所では、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳も常駐しております。

特殊詐欺の出し子とされた20代の女性について、指示役からの欺罔や脅迫的な状況、犯意が認められないことを総合的に主張し、不起訴処分を獲得した事案がございます。端末のやり取りをどう読み解くかが結論を分けました。

また、覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠を徹底的に分析し、被告人質問と反対尋問を尽くして無罪判決を獲得した事案もございます。

おわりに

家宅捜索を受けた時点では、まだ結論は決まっておりません。むしろ、この段階でどう動くかが、その後の処分を左右いたします。押収品目録交付書を保管し、余計な連絡を控え、早く弁護人に相談する。この三つだけでも状況は変わります。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。

過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年9月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

中文版(简体字):家中遭到搜索的家属须知 被扣押的物品与今后的程序

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