逮捕が勤務先や学校に知られてしまったとき|解雇・退学を避けるために、在留資格を守るために
2026/09/07
身柄を取られてから数日が経ち、無断欠勤や無断欠席が続く。会社から連絡が来る、学校から呼び出しがある。ご家族にとっては、刑事事件そのものと同じくらい切実な問題です。外国籍の方の場合、職を失うこと、学籍を失うことは、そのまま在留資格の基礎を失うことを意味します。この記事は、日本にいらっしゃるご家族と、日本人の配偶者・ご友人の方に向けた一般的な解説です。
本記事の要点
- 就労資格は、その資格に対応する活動を継続していることが前提です。退職は在留資格該当性を揺るがせます。
- 留学の在留資格は在籍が前提であり、退学・除籍は在留資格取消し(入管法22条の4)につながり得ます。
- 所属機関に関する届出は、事由発生から14日以内が原則です(入管法19条の16)。
- 勤務先・学校への説明は、弁護人を通じて内容と時期を整えることが有効です。
会社にどう伝えるか
逮捕の事実を会社に知られること自体は避けられない場合が多いものの、伝わり方は結果を左右します。無断欠勤が続いた末に報道で知られるのと、弁護人を通じて事実関係と見通しを説明するのとでは、会社側の対応が変わり得ます。就業規則上の懲戒事由に当たるかどうかは、事件の内容と業務との関連性、報道の有無、身柄拘束の期間などから判断されます。起訴されていない段階での解雇が、後に無効と評価される例もあります。したがって、退職届の提出を急がないことが、しばしば最善の初動になります。
学校にどう伝えるか
留学生の場合、一定期間の欠席が続くと、学校は入管への報告義務との関係で対応を迫られます。ここでも、弁護人から学校に対し、身柄拘束の状況と今後の見通しを説明することで、直ちに除籍とせず休学扱いとするなどの余地が生まれることがあります。学籍が残っていれば、在留資格の基礎も残ります。留学の在留資格については、活動を3か月以上行っていない場合の取消しの規定があり、その正当な理由の有無が問題になりますので、経過を記録として残しておくことが大切です。
在留資格を守るという視点
刑事事件そのものの結論と、在留資格の帰趨は連動しつつも別の手続です。1年を超える拘禁刑に至れば入管法24条4号リの問題となり、薬物関係であれば同号チの問題となります。他方、そこに至らない場合でも、更新の審査で素行が問われ、また就労や在籍の実体が失われていれば、在留資格該当性の面から不許可となり得ます。だからこそ、当事務所では執行猶予ではなく起訴前の不起訴処分を最優先の目標に据え、同時に職や学籍を維持するための説明を並行して進めます。
ご家族にお願いしたいこと
第一に、会社や学校からの連絡があった場合、内容と日時を記録しておいてください。第二に、ご家族の判断で退職や退学の手続を進める前に、必ず弁護人にご相談ください。第三に、給与明細、在籍証明、学納金の領収書といった、在籍や就労の実体を示す資料を保管しておいてください。後の在留手続で、これらが有力な資料になります。
当事務所について
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心に、刑事弁護と入管手続を一体としてお引き受けしてまいりました。特殊詐欺の出し子に関与したとされた20代女性について、主観面の事情を総合的に主張し、不起訴処分を獲得した事例があります。また、過去の逮捕報道について削除に取り組んだ事例もあり、事件後の就労・生活の再建まで見据えたご相談を承っています。入管手続の側では、困難とされた在留特別許可を獲得した経験を有しています。
松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しています。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携の行政書士とともにワンストップでご相談を承ります。
なお、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
結語
身柄を取られている間、ご本人は会社にも学校にも説明ができません。その空白を埋めるのが弁護人の役割です。ご家族だけで抱え込まず、事実と見通しを整理するところからお始めください。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。
本記事は2026年9月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
中文版(简体字):逮捕之事被公司或学校知悉时|如何避免解雇与退学,如何守住在留资格
----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639
東京にて中国人の方をサポート
東京を中心に刑事事件の弁護
----------------------------------------------------------------------