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中国人の刑事事件で使える公的制度の一覧|当番弁護士・国選弁護・法テラス・通訳・領事通報

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中国人の刑事事件で使える公的制度の一覧|当番弁護士・国選弁護・法テラス・通訳・領事通報

中国人の刑事事件で使える公的制度の一覧|当番弁護士・国選弁護・法テラス・通訳・領事通報

2026/09/05

ご家族が日本で逮捕されたとき、中国のご親族が最初に直面するのは、誰に何を頼めるのか分からないという状態です。日本には、費用や在留資格の有無にかかわらず使える公的な仕組みがあります。当番弁護士、国選弁護、法テラス、通訳、領事通報、弁護士会照会を、根拠と使える時期の順に整理します。

本記事の要点

  • 逮捕直後から勾留決定までの間は国選弁護人が付かず、当番弁護士か私選弁護人によるほかありません。
  • 当番弁護士も国選弁護も、国籍や在留資格の有無を要件としていません。
  • 法テラスは、刑事の被疑者弁護援助と民事法律扶助とで対象者の要件が異なります。
  • 公判の通訳は刑事訴訟法175条により裁判所が付し、通訳の費用をご本人に負担させない取扱いが定着しています。
  • 領事への通報と接見は、領事関係に関するウィーン条約36条に基づく権利です。

逮捕された直後、費用をかけずに弁護士を呼ぶ方法はありますか

あります。各地の弁護士会が運営する当番弁護士制度です。ご本人からでもご家族からの要請でも、原則1回、無料で弁護士が接見に来ます。国籍も在留資格も要件ではありません。

ただし当番弁護士は原則1回限りで、弁護人に選任するかはその後の話です。逮捕から勾留が決まるまでの数日間は国選弁護人が付かない空白の期間であり、この時期の対応が処分を大きく左右します。

国選弁護人はいつから付きますか。在留資格がなくても使えますか

勾留状が発せられた後です。刑事訴訟法37条の2により、勾留された被疑者が貧困その他の事由で弁護人を選任できないときは、請求により弁護人が付されます。資力の基準額は50万円とされ、資力申告書を提出します。起訴された後は、憲法37条3項と刑事訴訟法36条により被告人国選弁護人が付されます。在留資格の有無や国籍は、いずれの制度でも要件ではありません。

制度根拠使える時期費用在留資格・国籍
当番弁護士各弁護士会の制度逮捕直後から。原則1回無料問わない
被疑者国選弁護刑事訴訟法37条の2勾留状が発せられた後国が負担(資力基準50万円)問わない
被告人国選弁護憲法37条3項、刑事訴訟法36条起訴後国が負担問わない
刑事被疑者弁護援助日本弁護士連合会の委託援助事業(法テラスが実施)逮捕直後など国選が付かない段階原則として立替え在留資格は要件でない
民事法律扶助総合法律支援法民事の事件立替え日本に住所を有し適法に在留する者
公判の通訳刑事訴訟法175条、自由権規約14条3項(f)公判手続ご本人に負担させない取扱い問わない
領事通報・領事接見領事関係に関するウィーン条約36条1項(b)(c)逮捕後無料中国籍の方が対象
弁護士会照会弁護士法23条の2弁護人・代理人がいる場合実費問わない

法テラスは、外国人でも使えますか

刑事と民事で要件が違います。刑事の被疑者弁護援助は日本弁護士連合会の委託援助事業として運用され、在留資格の有無は要件とされていません。逮捕された直後で国選弁護人がまだ付かない段階でも利用できます。

他方、民事法律扶助は総合法律支援法に基づく制度で、日本国民又は日本に住所を有し適法に在留する方が対象です。不法残留の方の民事事件では、この点が壁になります。

取調べや裁判の通訳は、誰が用意しますか

捜査段階の通訳人は警察や検察が手配します。公判では刑事訴訟法175条により裁判所が通訳人を付し、自由権規約14条3項(f)が無料で通訳の援助を受ける権利を定めることから、費用をご本人に負担させない取扱いです。

問題は費用ではなく訳し方です。供述調書は日本語で作られ、通訳を介して読み聞かせたうえで署名します。知っていたのか、事前に相談したのかという言い回しの差が、そのまま故意の認定に直結します。捜査機関側の通訳人とは別に、ご本人の側に立つ通訳を確保する意味はここにあります(外国人刑事・在留Q&A)。

中国の領事館には、連絡が行きますか

ご本人が要請すれば通報されます。領事関係に関するウィーン条約36条1項(b)は要請があるときの遅滞ない通報を、同項(c)は領事官が接見し、通信し、訪問できることを定めています。

もっとも領事官は弁護活動を行う立場ではなく、接見の回数にも限りがあります。中国のご家族との連絡の主たる経路は、実際には弁護人になります。

被害者の連絡先が分からないとき、示談はできますか

できます。まず弁護人が検察官を通じて被害者の意向を確認し、同意が得られた範囲で連絡先の開示を受けるのが通常の順序です。被害者側に弁護士が付いていれば、その弁護士との交渉になります。

これで足りないときに使うのが弁護士法23条の2の弁護士会照会です。弁護士会を通じ、公務所や公私の団体に必要な事項の報告を求める制度で、弁護人が付いて初めて使えます。報告を強制する手段は限られますが、事実確認の方法としては有用です(外国人の窃盗・万引き事件)。

当事務所はどのように対応しますか

公的制度で足りる部分は制度を使い、足りない部分を弁護活動で埋めます。

  • 不起訴処分を最優先目標とする弁護方針。執行猶予でも在留を失う類型があるため、勝負は起訴前の23日間です。
  • 刑事弁護と入管手続をワンストップで扱います。国選弁護の職務範囲は当該刑事事件に限られますが、当事務所は退去強制手続まで一貫して担当します。
  • 退去強制事由についても故意・過失を争います。制裁的な行政処分への責任主義の適用を、係争中の論点として主張しています。
  • 松村大介弁護士本人が全工程を直接担当し、外国人事件専属の中国語通訳が在籍します。微信(WeChat ID:matsumura1119)で中国本国のご家族とも直接連絡できます。

特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案で全件について不起訴処分を得た事例があります。事件ごとに事情が異なり、同じ結果を保証するものではありません。ご相談は中国人の刑事事件・在留のご相談から承ります。

よくある質問

中国にいる家族が、当番弁護士を呼べますか

呼べます。警察署の名称とご本人の氏名、生年月日が分かれば弁護士会に要請できます。当事務所にご連絡いただければ、状況の確認から接見まで直接行います。

当番弁護士や国選弁護人に、中国語の通訳は付きますか

接見に通訳を同行させるかは事件ごとの取扱いによります。中国語で正確にやり取りしたい場合は、通訳を確保できる体制かを最初にご確認ください。

国選弁護人に、入管の手続も頼めますか

国選弁護人の職務は当該刑事事件に限られます。退去強制手続や在留特別許可の申請は別の手続ですので、続けて依頼する場合は改めて委任することになります。

刑事の手続が終わった後、入管に収容されたらどうなりますか

収容に代えて監理人の下で生活する監理措置の制度があり、令和6年6月10日から運用されています。資料の準備が要りますので、刑事手続の段階から整えておくことが大切です。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。具体的なご事情は弁護士に直接ご相談ください。

本記事は2026年9月時点の情報です。

中国人の刑事事件と在留資格の全体像は、中国人の刑事事件|逮捕から不起訴・退去強制までにまとめています。あわせてご覧ください。

執筆:松村大介(弁護士・第一東京弁護士会所属/登録番号59077)。舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田3-4-10 布施ビル本館3階)代表。外国人の刑事事件と在留(退去強制・在留特別許可)を主たる注力分野とし、中国語圏の依頼者の事件を数多く取り扱う。外国人事件専属の中国語通訳が在籍し、逮捕直後の接見から在留手続まで弁護士本人が一貫して対応する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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