再入国許可とは|みなし再入国許可との違い、有効期間と出国時の注意点
2026/09/04
再入国許可とは、日本に在留する外国人が一時的に出国し、再び同じ在留資格で日本に戻るために、出国前にあらかじめ受けておく許可をいう。この許可を受けずに出国すると在留資格は失われ、戻るには改めて査証の取得と上陸の手続が必要になる。短期の出国については、みなし再入国許可という簡易な仕組みが用意されている。
この記事の要点
- 再入国許可を受けずに出国すると在留資格は消滅し、改めて上陸の手続が必要になる。
- 有効な旅券と在留カードを持つ方は、出国時の意思表示によりみなし再入国許可を利用できる。
- みなし再入国許可の有効期間は出国の日から1年、特別永住者は2年である。
- みなし再入国許可の期間は、海外にいる間に延長することができない。
- 再入国許可があっても、上陸拒否事由に当たれば再入国は認められない。
再入国許可とは何か
再入国許可は、在留資格を維持したまま一時的に出国するための許可である。日本の在留資格は、出国によって原則として効力を失うため、本国への一時帰国や出張の前に、この許可を受けておく必要がある。
申請は、住居地を管轄する地方出入国在留管理局に対して行う。旅券と在留カードを提示し、所定の手数料を納付する。1回限り有効なものと、有効期間内であれば何度でも使える数次有効のものがある。旅券を所持していない方については、再入国許可書の交付を受けられる場合がある。
みなし再入国許可とはどのようなものか
みなし再入国許可は、事前の申請を要しない簡易な仕組みである。有効な旅券と在留カードを所持する中長期在留者が、出国する際に再入国の意思を表示することで足りる。
| 項目 | 再入国許可 | みなし再入国許可 |
|---|---|---|
| 手続 | 出国前に地方出入国在留管理局へ申請 | 出国時に所定の書式で意思を表示 |
| 手数料 | 必要 | 不要 |
| 有効期間 | 最長5年(特別永住者は6年) | 出国の日から1年(特別永住者は2年) |
| 海外での延長 | 一定の範囲で認められる場合がある | できない |
| 旅券がない場合 | 再入国許可書による対応の余地がある | 利用できない |
有効期間はどのくらいか
再入国許可の有効期間は最長5年、特別永住者については最長6年とされている。ただし、いずれの場合も在留期間の満了日を超えることはできない。
みなし再入国許可の場合は、出国の日から1年(特別永住者は2年)であり、その期間内に在留期間の満了日が来る場合には、満了日までとなる。長期の滞在が見込まれる場合や、出国先で在留期間の更新ができない場合には、みなし再入国ではなく再入国許可を選ぶほうが安全である。
再入国許可を受けずに出国するとどうなるか
在留資格は失われる。日本に戻るには、改めて在留資格認定証明書の交付を受け、査証の発給を受けたうえで上陸の申請をすることになる。
この場合、以前と同じ在留資格が認められるとは限らない。勤務先が変わっている、婚姻関係が変化しているなど、前提となる事情が変われば審査の結果も変わる。永住者であっても、いったん在留資格を失えば、改めて永住許可を受けるのは容易ではない。
どのような場合に再入国が認められないのか
再入国許可は、上陸を保証するものではない。出国した後に上陸拒否事由に当たる事情が生じた場合や、在留資格の取消しがされた場合には、許可を持っていても再入国は認められない。
たとえば、出国中に本国で刑事事件を起こして刑に処せられた場合や、日本での虚偽の申請が判明した場合である。また、在留資格に応じた活動を長期間行っていないと判断されれば、在留資格の取消しの対象になり得る。出国前の状態が続いていることが、再入国の前提になる。
刑事事件との関係で注意すべき点は何か
捜査を受けている段階での出国は、慎重に判断する必要がある。国外にいる間は公訴時効の進行が停止するとされており、時間の経過によって事件が終わるという見通しは成り立たない。
また、起訴された後に保釈を受けている場合には、住居の制限や旅行の制限が条件とされているのが通常であり、無断の出国は保釈の取消しにつながる。逮捕状が発付されている場合には、出国の手続の中で判明することもある。
外国人の事件で再入国許可が問題になるのはどのような場面か
実務では、家族の病気や葬儀のために急な帰国を要する場面と、刑事手続の途中で帰国を希望する場面とで、検討すべき事柄が大きく異なる。前者では期間の管理が中心になり、後者では手続への影響が中心になる。
また、在留期間の満了が近い時期に出国してしまい、更新の機会を失うという相談も少なくない。出国の前に、在留期間、再入国の方法、戻った後の手続の3点を確認しておくことをお勧めする。
よくあるご質問
Q1 みなし再入国許可で出国しましたが、1年以内に戻れそうにありません。
みなし再入国許可の期間は、海外にいる間に延長することができません。期間内に再入国できなければ在留資格は失われますので、改めて査証と上陸の手続を経ることになります。長期の滞在が見込まれる場合は、出国前に再入国許可を受けておく必要があります。
Q2 再入国許可があれば必ず日本に戻れますか。
必ず戻れるとは限りません。出国後に上陸拒否事由に当たる事情が生じた場合や、在留資格の取消しがされた場合には、再入国が認められないことがあります。許可は上陸を保証するものではありません。
Q3 在留期間の満了日が近い場合はどうなりますか。
再入国許可の有効期間は、在留期間の満了日を超えることができません。満了日が先に来る場合は、その日までに戻る必要があります。出国前に在留期間の更新を済ませておくことが安全です。
Q4 捜査を受けている最中に一時帰国できますか。
形式的に出国できたとしても、後の手続に大きな影響が生じます。国外にいる間は公訴時効の進行が停止し、事案によっては旅券の返納命令などの措置が問題になります。出国の前に必ず弁護人にご相談ください。
Q5 再入国許可の申請はどこでできますか。
住居地を管轄する地方出入国在留管理局で申請します。旅券と在留カードを提示し、所定の手数料を納付します。旅券をお持ちでない場合には、再入国許可書の交付を受けられる場合があります。
おわりに
再入国許可をめぐる相談では、出国してから制度の内容を知り、戻れなくなってしまったという事例が目立つ。期間の管理という単純な問題が、生活の基盤そのものを左右する。出国の予定が決まった時点で、在留期間と併せて確認しておくことが大切である。
外国人の刑事事件、とりわけ中国語圏の方の刑事弁護と、その後の在留資格の問題については、当事務所にご相談ください。接見・取調べへの対応・打合せに対応できる中国語の通訳体制を備えています。
本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。
本記事の簡体字版はこちらをご覧ください。
執筆者情報
弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)
主たる注力分野:中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護、出入国管理関係の行政訴訟
刑事手続と在留資格の問題を一体としてお取り扱いしております。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639
東京にて中国人の方をサポート
東京にて行政事件に関する対応
----------------------------------------------------------------------