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日本から送還される場合の手続 シンハラ語話者のための解説

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日本から送還される場合の手続 シンハラ語話者のための解説

日本から送還される場合の手続 シンハラ語話者のための解説

2026/09/03

手続の説明を受けても、自分がいまどこにいるのかが分からない。送還に関するご相談で最も多いのは、この感覚です。退去強制の手続は複数の役所の判断が段階的に重なるため、全体の地図がないまま個々の呼出しに応じていると、気づいたときには選べる道が減っていることがあります。

最高裁判所の資料『あなたも法廷通訳を ごぞんじですか』令和7年1月版によると、令和5年に通訳を必要とした事件の終局被告人は3,851人で、そのうちシンハラ語は2.1%を占めています。日本の刑事手続と入管手続は、通訳を介して進むことが前提になっているわけです。

以下では、送還に至るまでの各段階と、そこで残されている選択肢、そして刑事処分が在留資格に及ぼす影響を、入管法の条文に沿って地図のように並べます。

送還までの手続の地図

退去強制手続は、入管法24条各号の退去強制事由に該当する疑いという入国警備官の判断から始まり、違反調査、入国審査官の違反審査、特別審理官の口頭審理、法務大臣の裁決という順に進みます。

最も多い入口は24条4号ロの不法残留です。ほかに、専ら在留資格外の活動を行っていると明らかに認められる者を対象とする4号イ、不法就労助長行為をした者を対象とする3号の4があります。3号の4は行為そのもので該当し、刑事処罰を受けていることは要件ではありません。

違反審査で該当すると認定されても、その場で終わりではありません。認定に納得できなければ口頭審理を請求でき、その判定にも納得できなければ法務大臣に異議を申し出ることができます。この流れの最後に置かれているのが在留特別許可で、その後に退去強制令書が発付されると、執行としての送還に移ります。

収容されるのか、監理措置になるのか

身柄は、収容令書によって入管の施設に収容される場合と、監理人を付けて身体を拘束せずに手続を進める監理措置が選ばれる場合があります。

出入国在留管理庁によれば、制度が始まった令和6年6月10日から同年末までの監理措置の決定は1,123件(退去強制令書の発付前647件、発付後476件)で、監理人の9割以上は親族や知人が務めました。監理人になり得る方が日本におられるかどうかは、身柄の扱いを左右する事情です。

刑事処分は在留資格にどう跳ね返るのか

刑事事件の結末は、刑の重さそのものよりも、入管法24条のどの号に当てはまるかという形で在留資格に跳ね返ります。

24条4号リは、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を挙げますが、但書があり、刑の全部の執行を猶予された場合は除かれます。一部猶予でも実刑部分が1年以下であれば同様です。執行猶予でも一律に該当するという説明は、条文に合いません。

これに対し24条4号チは、麻薬・大麻・あへん・覚醒剤等に関する法令違反で有罪の判決を受けた者を対象とし、罰金でも執行猶予付きでも刑の免除でも該当します。4号リの柱書が、ニからチまでに掲げる者のほか、となっているため、薬物事犯は4号リの外にあります。また24条4号の2は、別表第一の在留資格で在留する方が、強盗、不同意性交等、危険運転致死傷(自動車運転死傷処罰法2条・6条1項)等で拘禁刑に処せられた場合を対象とします。

刑事処分に至らなくても、3か月以上、在留資格に応じた活動を行わないで在留していると、正当な理由がある場合を除き入管法22条の4により在留資格が取り消され得ます。同庁の令和7年の公表では、在留資格の取消しは1,446件で、そのうちスリランカ国籍は91件でした。

在留特別許可という出口

該当すると認定された後でも、法務大臣が在留を特別に許可する余地が入管法50条に置かれています。

2項により、収容令書で収容されている方と監理措置決定を受けた方に申請権があり、3項により退去強制令書の発付後は申請できません。5項は、在留を希望する理由、家族関係、素行、本邦に在留することとなった経緯、在留期間その他を考慮要素として法定し、不許可の場合は10項により理由を付記した書面が交付されます。運用の基準は2024年6月改定のガイドラインです。1項但書の加重要件の列挙に4号チは含まれていません。

上陸拒否期間と再来日

次に日本へ来られる時期は、入管法5条1項のどの上陸拒否事由に当たるかで決まります。

退去強制を受けた方については同項9号が定めており、イが1年、ロが5年、ハが10年です。ハは、過去に退去強制されたことがある方が再び退去強制された場合を指します。出国命令によって出国した方は同項9号の2により1年です。

薬物に関する同項5号には期間の定めがなく、日本の罰金刑でも外国の法令違反でも足ります。期間の経過を待つ解決がないため、再入国は入管法12条1項の上陸特別許可によることになります。ほかに、1年以上の拘禁刑に処せられた方を対象とする同項4号があります(政治犯罪を除く)。上陸拒否期間には、一定の場合に短縮の決定がされる仕組みもあります。

よくある誤解

  • 送還は入管が決めた日に突然行われる、という理解。違反審査、口頭審理、異議の申出、在留特別許可という段階を経ます。
  • 執行猶予なら在留に影響しない、という理解。薬物事犯は24条4号チにより、罰金でも執行猶予でも該当します。
  • 自分から出頭すれば出国命令になる、という理解。24条の3は複数の要件を定めており、4号ハからヨまでのいずれにも該当しないことも求められるため、薬物事犯に当たる方は利用できません。

ご本人とご家族が取れる行動

刑事事件が並行しているときの出発点は、弁護人を選任し、接見を通じて事実関係を確認することです(刑事訴訟法39条1項)。

取調べでは同法198条2項により黙秘権が告知され、同条4項が供述調書の読み聞けと増減変更の申立てを定めています。刑事手続で作成された供述調書は、その後の違反審査や口頭審理の資料になるため、通訳を介した内容が自分の述べたことと違うと感じたときは、その場で訂正を求めてください。通訳・翻訳は同法175条・178条、一定の事件の録音録画は同法301条の2によります。自由権規約14条3項(a)(f)は、罪の告知を理解する言語で受ける権利と通訳を無償で付される権利を定め、領事関係に関するウィーン条約36条は領事通報と領事接見を保障しています。

当事務所の対応

当事務所では、松村大介弁護士が接見と打合せに直接対応します。通訳体制については、中国語は外国人事件専属の通訳が常駐しており、シンハラ語を含むその他の言語は事案に応じて通訳人を手配します。

弁護方針としては、執行猶予判決ではなお不十分であると考え、不起訴処分を得ることを最優先の目標に置いています。刑事事件と入管手続は一体として設計し、退去強制事由の該当性についても故意や過失を争う視点で検討します。初回のご相談は無料です。

むすび

地図を持っていれば、いま自分が立っている場所と、その先に残されている分かれ道が見えます。逆に地図がないまま進むと、申請できる時期が過ぎてから気づくことになりかねません。本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

この記事のシンハラ語版はこちらです:https://matsumura-lawoffice.jp/blog/detail/2026099361/

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