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監理措置とは|収容されずに退去強制手続を進める仕組み

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監理措置とは|収容されずに退去強制手続を進める仕組み

監理措置とは|収容されずに退去強制手続を進める仕組み

2026/09/03

入管の手続というと、まず収容というイメージが強いかもしれません。しかし令和6年6月から、収容しないまま退去強制手続を進めるための仕組みが動いています。監理措置です。

この制度は、身柄を拘束するかどうかの二択だった状況に、第三の選択肢を持ち込みました。しかも監理措置決定を受けた方には、在留特別許可の申請権が認められます。手続上の位置づけを知っているかどうかで、取れる行動が変わります。

ここでは、監理措置がどのような仕組みで、誰が監理人になり、施行後にどのくらい使われているのかを見ていきます。

監理措置は、収容しないで手続を進めるための仕組みです

監理措置とは、退去強制手続の対象となった方について、収容に代えて、監理人による監理のもとで社会内で生活しながら手続を進める制度です。令和6年6月に運用が始まりました。

収容が長期化することの弊害は、以前から指摘されてきました。健康状態の悪化、家族の生活の破綻、弁護活動や資料収集の困難などです。監理措置は、逃亡や不法就労を防ぐという要請と、身柄拘束の弊害を避けるという要請の折り合いをつけるために設けられたものです。

退去強制令書の発付前と発付後の二つの場面があります

監理措置は、手続の二つの局面で使われます。ひとつは退去強制令書が発付される前、つまり収容令書による収容が問題になる段階。もうひとつは、退去強制令書が発付された後、送還までの間の段階です。

この違いは重要です。令書発付前であれば在留特別許可の申請という選択肢が残っていますが、入管法50条3項により、令書発付後は申請できません。同じ監理措置でも、置かれている手続段階によってできることが違います。

施行後の実績

数字で見ると、監理措置は例外的な運用ではなく、現に使われている制度です。出入国在留管理庁の公表資料によれば、令和6年6月10日から同年末までの間に、監理措置の決定は1,123件でした。内訳は、退去強制令書発付前が647件、発付後が476件です。同じ期間の仮放免は127件でした。

同資料では、監理人の9割以上が親族・知人であり、この期間に所在不明となった者はいなかったとされています。制度の設計が想定していた、身近な人が生活を支えながら手続に応じるという形が、実際に機能していることを示す数字です。

監理措置決定を受けると在留特別許可を申請できます

ここが実務上もっとも重要な点です。入管法50条2項は、収容令書により収容されている者と、監理措置決定を受けた者に、在留特別許可の申請権を認めています。監理措置は単に身柄が自由になるだけの制度ではなく、申請の主体になれる地位を伴います。

申請にあたっては、50条5項が挙げる考慮要素、すなわち在留を希望する理由、家族関係、素行、本邦に在留することとなった経緯、在留期間、その他の事情が判断されます。運用基準は2024年6月改定の在留特別許可に係るガイドラインです。50条10項により、許可しないときは理由を付した書面が交付されます。

監理人の役割

監理人は、本人の生活を監理し、入管に必要な届出や報告を行う立場に置かれます。前記のとおり、実際には親族や知人が9割以上を占めています。

監理人になることは、名前を貸すことではありません。住居や生活費、就労や通院の状況を把握し、必要な連絡を怠らないという負担を引き受けることを意味します。誰に頼むかを決める際は、実際にその役割を果たせるかを率直に検討する必要があります。

刑事処分は在留にどう跳ね返るか

身柄が社会内に戻っても、刑事事件の結論は在留の可否に直結します。入管法24条4号リは、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由としますが、但書により全部執行猶予が付された場合は除かれ、一部猶予でも実刑部分が1年以下であれば除かれます。

他方、24条4号チは、麻薬・大麻・あへん・覚醒剤等に関する法令違反で有罪の判決を受けた者を掲げ、罰金でも執行猶予でも刑の免除でも該当し、在留資格の種類も問いません。監理措置により生活を立て直せたとしても、刑事の結論次第で退去強制事由の判断は動きます。

ご本人・ご家族が取れる行動

  • 監理人の候補を早めに検討し、住居と生活費の見通しを整理する
  • 監理措置決定を受けたら、在留特別許可の申請に向けて資料の準備を始める
  • 届出や報告の期限を家族全体で共有し、記録を残す
  • 刑事事件が並行しているときは、供述の内容と入管手続への影響を弁護人と確認する

よくある誤解

第一に、監理措置は在留資格だという理解。監理措置は身柄の処遇に関する決定であり、在留資格を与えるものではありません。就労が当然に認められるわけでもなく、可否は決定に付された条件によります。

第二に、監理措置になれば退去強制手続は止まるという理解。手続は進行します。止まるのは収容だけです。

第三に、監理人は形式的な保証人だという理解。届出や報告の義務が伴う実質的な役割です。

当事務所の対応

当事務所では、松村大介弁護士が接見と打合せに直接対応します。外国人事件については中国語の専属通訳が常駐しており、その他の言語は事案に応じて通訳人を手配します。

刑事事件では、執行猶予判決ではなお不十分であると考え、不起訴処分を最優先の目標とします。刑事の供述調書は違反審査調書や口頭審理調書の前提資料になるため、刑事事件と入管手続を一体として設計し、退去強制事由の該当性についても故意や過失を争う視点で対応します。初回相談は無料です。微信(WeChat)ID matsumura1119 でもご連絡いただけます。

おわりに

収容されるかどうかは、その後に何ができるかを大きく左右します。監理措置は、その分岐点に置かれた選択肢です。本記事は一般的な解説ですので、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

この記事の簡体字中国語版はこちらです:https://matsumura-lawoffice.jp/blog/detail/2026099343/

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